アメリカ1月貿易収支結果
昨日(27日)、米国の1月貿易収支が発表されました。
今回は2019年最初の数値であり、米中貿易問題の影響が出ている可能性もあるので、少し内容をみてみます。
過去の推移(発表値は黄色の折れ線)
灰色の折れ線:モノの貿易収支、黄色の折れ線:財とサービスの収支(通常発表分)
青の棒グラフ:対中国、オレンジ:対日
収支は事前予想▼570億ドルに対し、▼511億ドルの赤字となり、大幅に赤字縮小しました。この数値だけ見ると2019年第1四半期GDPにはプラス要因です。但し、今回の赤字縮小要因は輸入減になっていますので、米国の内需減速を指摘しているエコノミストもいます。
内容は輸出が18億ドルの増加、輸入が65億ドルの減少になっており、
輸出は大豆が+9億ドル含めて食料+13億ドル、自動車関係+12億ドル、資本財▼8億ドル(この内、民間航空機が▼13億ドル)でした。尚、大豆の主要輸入国は中国です。
輸入は、資本財▼30億ドル、産業用部品などが▼23億ドルでした。
国別では対中が▼55億ドルとなって最大の減少、内訳は対中輸出▼2億ドル、輸入▼57億ドルでした。勿論、米商務省はこれ対してコメントはありません。
但し、上のチャートをみても12月にかなり中国の黒字(米国の赤字)が増えているので、一部エコノミストは9月関税上げ前の実質駆け込みで米国の輸入増となり、1月はその反動と分析している人もいます。
大豆の輸出増は中国の黒字減少対案の一環との見方もあります。
その米中貿易交渉は議論解決に向けた激しい交渉で、今現在も暗礁に乗り上げており、まだ合意に至っていません。仮に米中の合意を見ても、この巨大な貿易不均衡の縮小は難しいとの見方が多く、合意の内容次第では、問題先送りに過ぎないと思われます。
元々、貿易収支の赤字拡大は米国景気好調の反映であり、景気拡大によるドル高はアメリカ人には輸入品が安くなりますが、逆に米国品は海外では高くなるので、時間経過では為替の問題を引き起こす事が指摘されています。
相場は、収支発表前は110円40銭付近でしたが、赤字幅縮小に海外時間帯での高値110円58銭付近まで買われ、その後110円50銭絡みで引けました。ファーストリアクションはドル買いになりました。赤字幅縮小から内需縮小との懸念は出なかったので、収支縮小がGDPに与える好影響を素直に受け取っています。
今日はGDP確定値の発表を控えており、大きく下方修正されない限りは材料視され難いと思いますが、もし悪いと米金利の一段安(債券高)、ドルへの波及が考えられます。今日の上値抵抗線は110円70銭、110円90銭〜111円00銭にあります。下値は110円を切っても109円70銭〜80銭サポートを抜けるか否かがポイントになりそうです。
(3月27日12:30、1ドル=110円18銭、1ユーロ=1.1254ドル)
オーダー/ポジション状況
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