<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場は、乱高下。レンジそのものは決して広くなかったが、上下に振れるなかなかの荒っぽい値動きだった。
ドル/円は、111.60-65円で寄り付いたのち、仲値に向けてドルはじり高。週末のゴトー日で仲値不足観測に加え、日銀会合への期待がドル買い・円売りを支援していた。一時111.90円レベルまで値を上げた。しかし、仲値要因などを消化し、高値を示現後は一転して売りが優勢となり、111円半ばまで反落。そこから再び持ち直すと、16時時点では寄り付きに近い111.65-70円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、ブルームバーグ報道に続き、米財務長官から改めて「米中首脳会談は3月末に開催されず」との発言が聞かれ物議を醸すなか、新華社は「中国副首相がUSTR代表、米財務長官と電話で再度協議」と報じていた。なお、それとは別に中国首相から「付加価値税4月1日に引き下げ」などの発言も観測されている。
対して後者は、朝日新聞が「北朝鮮当局、核放棄を否定か」と報じるなか、朝鮮日報「安保理、韓国による開城連絡事務所への石油持ち出しを問題視」、タス通信「北朝鮮が米国との非核化協議の停止を検討」−−などといった報道もあり、思惑を呼んでいたようだ。
そのほか、日銀は金融政策会合で、日銀は「金融政策の現状維持」ならびに「フォワードガイダンスの維持」を決定。その後の総裁会見で、黒田氏から「今後ともモメンタム維持するため必要な政策調整を行う」、「2%物価目標達成目指す姿勢に変わりない」というコメントが発せられている。
<< 欧米市場の見通し >>
大きな意味ではレンジ内だが、本日の東京では一時111.90円レベルまで上昇するなど、112.13円の年初来高値を視界内に捉えた値動き。リスクはドル高方向に高いとみられ、このあとの欧米時間に112円を突破し、年初来高値をうかがう局面があるのかどうかへの関心が高いようだ。テクニカルには、112.13円を超えた場合、1円程度の上値余地が広がる可能性もある。
材料的に見た場合、米中関係については好悪材料が入り乱れる状況ながら、米朝関係は確実に悪化している感を否めない。まだ決定的な動きにはなっていないものの、今後の状況如何では再びリスク回避の動きが強まっても不思議はないだろう。リスク要因として、続報などには一応要注意。
そうしたなか、本日の欧米時間はなかなか重要な米経済指標が相次いで発表されることから、それらに一喜一憂する展開が予想されている。
テクニカルに見た場合、過去1週間程度のボックス圏を上抜けたこともあり、ドルの強気派からは続伸を期待する声が多くなってきた。このあと、112.13円の年初来高値をトライ、あるいは抜けていく展開も否定できない。
ただし、再三再四指摘しているように、111.40-45円には移動平均の200日線が位置している。本日は週末ということもあり、NYクローズで再び200日線を下回ることになれば、上値トライはダマシだったということにもなりかねない。
一方、材料的に見た場合、3月のNY連銀製造業景況指数や同ミシガン大消費者信頼感指数など複数の重要な米経済指標が発表される予定となっている。先週末に発表された雇用統計を持ち出すまでもなく、ここ最近は事前予想値と乖離した内容となるケースも少なくないだけに、本日も指標内容には一応要注意だ。
そのほか、前述したように米中や米朝関係などが気になるほか、引き続き英国を主とした欧州情勢にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.20-112.20円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である111.90円レベルが最初の抵抗で、越えれば年初来高値の112.13円がターゲットに。そのレベルも超えると一気に上値の展望が拡大、フィボナッチの観点では昨年高値114円半ばも視界内に捉えられかねない。
対するドル安・円高方向は、現状上抜けている移動平均の200日線(111.40-45円)をめぐる攻防にまずは注目。ザラ場はもちろん、NYクローズで越えられるか否かも要注意だ。割り込んだ場合には、13日NY安値の111円レベルを目指す展開か。
オーダー/ポジション状況
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