<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場は、本日も小動き。111円台前半での一進一退で、終日を通したレンジも30ポイントにはとどかなかった。
ドル/円は、111.30-35円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。111.15-40円といった非常に狭いレンジ取引で、明確な方向性は乏しかった。日経平均株価は大幅反落、前日比213円安となったが為替市場への影響は限られていたようだ。16時時点では111.30-35円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、前日のNY市場終盤に大きな乱高下をたどったポンドだったが、東京市場は静かな動き。対円では145円台半ばを中心とした50ポイント強のボックス相場に終始した。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」について。
事前に、「英与党の離脱派、メイ首相に議会採決の延期を申し入れ」、英首相「合意がもし否決されれば、EU離脱はなくなる可能性」−−などといった報道や発言が聞かれるなか、英議会で離脱法案が審議され、結果は「否決」。ある程度は予想されていたことだが、これがNY終盤の乱高下を招いた一因に。その後も英議会審議の結果を受けて、メイ英首相「13日に合意なきEU離脱について採決を行う」、EU大統領報道官「英は合意なき離脱の可能性が大きくなった」といった発言が聞かれている。
そのほか単発的なものとして、米USTR代表「米中通商交渉は合意に向けた最終段階であること望む」「日米貿易交渉は市場アクセス問題に取り組む」、共同通信「北朝鮮、サイバー攻撃で6.7億ドルの外貨獲得」、米紙WSJ「トランプ政権、自動車関税の導入議論下火に」などの発言や報道が観測され、一部で思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は引き続きレンジ取引。昨日報じたように、今月以降は110.75-112.15円という1.4円ほどのボックス相場となっている感がうかがえるだけでなく、期間をさらに狭めた場合、例えば先週末からの数日間に限れば110.75-111.45円といった1円にも満たない変動をたどっている。長い目で見た場合はともかく、短期的には英国情勢への関心が依然高いこともあり、ドル/円は111円台前半を中心とした膠着相場が続くとの見方が有力だ。
材料的には、米中あるいは米朝関係を警戒する声が依然として少なくない。そうしたなか、「トランプ大統領、通商問題めぐり13日午後3時に共和上院議員と会談」−−と一部で報じられたことは気掛かりだ。本日の要注意材料として認識しておきたい。また、それ以外では昨日に続き英国情勢を波乱要因として注意する必要がある。具体的には、メイ英首相が指摘した「13日に合意なきEU離脱について採決を行う」ことがどういった結末を招くのか、動静に十分な注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、今週はまだ半分弱しか経過していないとはいえ、ドル/円は70ポイントの変動にとどまっている。2月18-22日週に週間レンジが50ポイント強ということも起こっているが、足もとのレンジ取引はジワリと極まりつつある感も否めない。
ちなみに、前述した2月半ばのケースでは、小動きにとどまった翌週にドルは急騰、112円台を回復し、年初来高値を更新するということが起こっている。一度動き始めれば、大きく動意づくことも予想されるだけに、「嵐の前の静けさ」として次の動きに警戒しておきたい。
一方、材料的に見た場合、2月の生産者物価指数や1月の耐久財受注など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。ここ最近の米経済指標はまだら模様で、相場に一時的とはいえ影響を及ぼすことが少なくないだけに、本日も一応要注意。
そのほか、米国ファクターとしては、先で指摘した「トランプ大統領、通商問題めぐり午後3時に共和上院議員と会談」、欧州ファクターとして「英議会、修正案否決を受け『合意なき離脱』の是非を採決」の行方がとくに気掛かり。後者については、関連の発言や報道も相次ぐことが予想され、本日もポンドの波乱要因となりかねないだろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.90-111.70円。ドル高・円安方向は、移動平均の200日線も近い、今週高値である111.46円が最初の抵抗。抜ければ111.85円レベル、そして年初来高値112.13円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録した安値111.11円をめぐる攻防にまずは注目。割り込んだ場合には110.78円、あるいは110.40円前後で横ばいに推移する一目均衡表の先行帯の雲の上限がサポートとなりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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