<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は、レンジ取引。110円半ばを挟んだ極めて狭い値動きに終始、しっかりとした方向性はうかがえなかった。
前日のNYで一時110.40円台まで値を下げた流れを継ぎ、ドル/円は110.55円前後の安値圏で寄り付いた。その後も、110円半ばを中心としたレンジ取引をたどるなど、その値動きはわずか20ポイントほどにとどまっている。
ただ、終盤にかけて前日安値に面合わせするなど、ドルのイメージはあまりよくない。ちなみに、「インドとパキスタンの紛争激化」など地政学リスクが嫌気されていたとの指摘もある。16時時点では110.45-50円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「インドとパキスタンの関係悪化」について。
前者は、発言を含め情報過多と言えるほどの状況で、ポンド相場も荒れ模様。「メイ首相、自身の離脱案否決ならEU離脱延期問う議会採決を約束」、「英首相、EU離脱の延期容認を示唆」といった報道が物議を醸すなか、ロイターからは「英国が離脱期日延期要請なら、EUは前向きに検討」との指摘もあったようだ。
対して後者は、カシミール地方の帰属をめぐる衝突など過去に3度戦火を交えたインドとパキスタンに不穏な動き。今回は「インドの警察隊が標的となった自爆テロ」がまず発生。それに続き、今度は「インド空軍が隣国パキスタンのテロ組織の拠点を報復空爆」、「パキスタンがインド国境で再び空爆」などと報じられ、関係悪化が明確となっている。報復合戦の広がりなどが懸念されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
「やはり」というべきなのか、週初めである25日に一時111円台を回復、ドルの年初来高値を更新した勢いは完全に鎮静化した感を否めない。そののち、110.40円台までドルは値を下げている。ただ、問題はここからだ。昨年来の相場でよくみられた「形成されたレンジを一時ブレークするも回帰。結局レンジを少し広げただけ」−−となり、結局110円台を中心とした揉み合いとなるのか否か、いましばらく相場の先行きをしっかりと見極めたい。
材料的には、「米朝首脳の再会談」と「パウエルFRB議長の議会証言」の2つが依然として関心が高いものの、そこへ「インドとパキスタンの関係悪化」が新たなリスク要因として浮上してきた感がある。本日中にも最初の会談が実施される予定の「米朝首脳の動静」とともに、「インドとパキスタンの関係悪化」についても、続報などには一応要注意。
テクニカルに見た場合、25日に一時111円台を回復したが、上値は移動平均の200日線(111.30円レベル)に阻まれると、再び110円台へと軟落しての推移となっている。
それほどドルの下落リスクが高いわけではなかったが、本日東京の動きを見ると、いつの間にかレンジ下限である110.25円を視界内に捉えた動きとなっており、下値不安が急速に高まってきた印象だ。足もとは、110円半ばに位置する一目均衡表の先行帯の雲の上限に絡む動きで、ザラ場はもちろん、NYクローズでも超えることが出来るのか否か、攻防を注視したい。
一方、材料的に見た場合、1月の中古住宅販売成約指数や12月の耐久財受注確報といった米経済指標が発表されるほか、前日に続き「パウエルFRB議長の議会証言」が実施される予定となっている。
また、夕食会などを含めた「米朝首脳の再会談」や、前日ポンド相場荒れ模様のキッカケとなった英国情勢にも引き続き注意を払いたいところだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.80-110.80円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である110.60-65円が最初の抵抗で、超えれば110.90円レベル、そして111円台も見えてくる。
対するドル安・円高方向は、レンジ下限である15日安値の110.25円がなかなか強いサポート。その攻防には要注意だが、しっかり割り込むようだと110円割れの可能性も。109円台半ばである一目均衡表の先行帯の雲の下限も、薄ら視界内に。(了)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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