米FRBパウエル議長の議会証言要旨

昨日、米上院で、FRBパウエル議長の議会証言が行われました。

米FRBパウエル議長の議会証言要旨

米FRBパウエル議長の議会証言要旨

昨日、米上院で、FRBパウエル議長の議会証言が行われました。今日引き続き下院で証言が行われますが、今日の内容と変わらない限りは相場に材料視されないと思われます。
以下はその要旨抜粋になります。

(議会証言要旨)

同僚と私は、議会がFRBの金融政策…すなわち最大限の雇用と物価安定…を課して頂き、その目標に向けて支持を頂いていることを述べながら始めさせてください。我々は準備銀行の政策とプログラムに関して、透明性を提供させて頂いていることを約束します。議会は我々を独立とした機関として最大限の信頼を与えてくださっています。(以下は略)

本日、私は、将来の金融政策を変更する前に、現状の経済状況と概観について見直しを致します。
昨年、経済は強いペースで成長しました。雇用とインフレはFRBの目標…最大限の雇用と物価…に近づいています。

現状利用できるデータを基に、我々はGDPが2017年の2.5%から2018年は3%を少し下回るところまで成長したと推計しています。昨年の成長は個人消費の拡大と企業投資の拡大により伸びました。この成長は雇用拡大と賃金上昇、あるいは財政政策により支えられています。最近2〜3ヶ月では、幾つかのデータが弱くなりましたが、まだ今期も消費は強いままです。一部の政府閉鎖が政府関係労働者や多くの人に困難を生みました。このネガティブな面が次の数四半期に緩やかな影響がでると予想されます。
雇用は依然強く、2018年の平均NFPは22万3000人でした。1月には30万4000人となりました。失業率は4%付近で、歴史的に低い水準になっています。(中略)、別の歓迎すべき進展は、より強い賃金の伸びを示す兆候が見られるということです。

全般的なインフレは…個人消費支出に対する12か月の物価指数…12月に1.7%と推計されています。これは最近のエネルギー価格下落の影響を受けています。食品とエネルギーを除くコアインフレは1.9%と推計されています。我々の1月の会合で、同僚と私は経済活動が、2018年よりは幾分下がるが、非常に堅調推移で伸びていると予想しました。ただ最近のエネルギー価格の下落がFOMCの目標であるインフレ2%以下に押し下げると予想しています。それでも先々は2%に近づいていくと予想しています。

我々は経済が健全で先行きも好ましい方向に行っていると予想する一方で、過去数ヶ月を見ると、逆流の動きなどが見られています。昨年初に予想したよりも成長を支えていたものが少し減りました。主要先進国の成長は少し下がり、とりわけ中国と欧州である。Brexitや貿易交渉も含めて、幾つかの政府が発した不確実性ある政策により先行きの見通しが解り難くなっています。我々は注意深くこれらの問題の進展具合を精査していく予定です。

2018年後半に関して、労働市場は強さを維持し、経済活動は強く拡大していました。FOMCは、健全な経済成長に向けて、緩やかに金利を上げていく方向でした。とりわけ9月と12月の会合では、FFレートを0.25%ずつ引き上げました。そして現行の2.25%〜2.50%となりました。

12月の会合で、我々は入ってくるデータをみて一段の利上げのタイミングなどを強調しました。また、我々は世界経済や金融市場の動きなどにも注意深く精査しました。
1月にインフレ圧力が減じ、FOMCは、先々の各国政府の不確実性などを含め、これらの進展を見た上で、将来の金融政策動向について、忍耐強いアプローチを取ることを決めました。先々をみると、我々の金融政策決定はこれから出てくるデータを精査し、それにより新たな情報が経済情勢に与える影響や概観について検討していくとしました。
(中略)

我々はまた、バランスシートの緩やかな縮小についても議論しました。FRBの全資産は昨年央以降3100億ドルを減らし、現在では4兆ドルの残高になっています。2014年のピークレベルから比較すると1兆2000億ドル減りました。今後の扱いについて、1月の会合で、現状の手続きを継続していくことで決定しましたが、この決定と同時に、委員会はバランスシートの縮小について適度なタイミングでどうするかを評価していくこととしました。
(以下略)
 (注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
上記出所:FRB HP

特に目新しい内容はなく、昨日エコノミストが指摘した新たな内容も含んでいません。非常に慎重に文言選んで述べています。
但し、この証言により米10年債は25日終値2.67%から26日終値2.636%まで軟化しています。NY株価はこの証言で買いも入りましたが、引けにかけて持ち高調整の売りに反落して、小幅マイナスで終了しています。為替相場は、やや日米金利差縮小方向に材料視しそうな感じになっています。
(2109年2月27日14:10、1ドル=110円59銭、1ユーロ=1.1378ドル)
(以上)

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