ドル円は今年の「週間最小変動」更新も(2/22夕)

22日の東京市場は、レンジ取引。110円後半、20ポイント程度の狭いレンジ内での一進一退で方向性は乏しい。

ドル円は今年の「週間最小変動」更新も(2/22夕)

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22日の東京市場は、レンジ取引。
110円後半、20ポイント程度の狭いレンジ内での一進一退で方向性は乏しい。

ドル/円は、110.65円前後で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。110.60-80円といった20ポイント程度のレンジ取引に終始している。途中、「安倍首相と黒田日銀総裁が会談を実施へ」と報じられ、思惑を呼ぶも実際の価格変動には繋がらなかった。結局、20ポイントレンジを保ったまま、16時時点では、110.75-80円で推移、欧米時間を迎えていた。なお、安倍首相との会談後、黒田総裁は「日本経済、世界経済の動向を説明した」などと発言している。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易問題」と「英国情勢」について。
前者は、「トランプ米大統領が中国の劉副首相と22日に会談を計画」、「米中閣僚級貿易交渉、週末まで延長の可能性も」−−といった報道に加え、ブルームバーグが「中国、年間300億ドルの米農産物輸入拡大を提案見通し」と報じ、協議の進展期待が高まった。ただ一方で、FOXニュースは「米国務長官、ファーウェイ製品使用する国と協力できずと発言」と報じるなど、米中関係改善がなかなか一筋縄ではいかない状況も同時に明らかになっている。
対して後者は、ロイター「英政府筋、来週までのEU離脱修正案とりまとめ難しい」、英政府「『合意なし』なら日英貿易協定はいったん失効との見解示す」といった、ややネガティブな報道が観測されていた。また、読売新聞は「ボールズ英与党議員、離脱延期期間は3-4ヵ月とすべきと発言」、英紙テレグラフ「英首相に100人規模が造反も、合意なき離脱阻止で」との指摘も見られるなど、関連報道が相次いでいる。

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リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかるものの、上値も重い。実際、今週だけで少なく見積もっても3-4回は111円台乗せを視野に入れた動きが観測されているが、そのいずれもが失敗に終わっている。ただ、下値も非常に堅く、今週のドル安値は110.40円レベルまで。110円台後半を中心とした一進一退が続き、次の方向性を示すような動意は来週へと持ち越しになるのかどうかを、注視したい。

材料的には、引き続き「米中貿易協議」の行方が注目されている。トランプ米大統領の発言などを聞くと、協議は順調に進んでいる感がうかがえるものの、前述した「米中閣僚級貿易交渉、週末まで延長の可能性」といった報道からは逆に難航を警戒する声も。いずれにしても、昨日ロイターが報じた「米中協議における6つの覚書」で合意がなされるのか否かがポイントだろう。なお、協議の進展次第では本日よりも来週初、週明け月曜日早朝などの動きが要注意。

テクニカルに見た場合、リスクという意味ではドル高方向。ただし、今週の価格変動をよくみると、週明け以降ここまでのレンジは110.40-95円、つまり1週間でわずか55ポイントしか動いていないことになる。
ちなみに、以前にもレポートしたように、今年は「週間を通したレンジが1円未満」という週がすでに2回も観測されており、うち週間の最小変動幅は70ポイント強(2月3-8日)だった。したがって、今週はこのまま終われば、上記した今年の週間最小変動幅を更新することになりそうだ。

一方、材料的に見た場合、これといった米経済指標の発表は予定されていないものの、ウィリアムズNY連銀総裁やクラリダFRB副議長といった米通貨当局者の講演が相次ぐ予定となっており、そちらには要注意。また、「米中貿易協議」の行方なども気掛かりで、新たに判明した「トランプ米大統領が中国の劉副首相と22日に会談を計画」という、『米中の準トップ会談』についても関連報道などには注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.40-111.20円。ドル高・円安方向は、引き続き今週のドル高値である110.95円レベルが最初の抵抗。超えれば111円台回復から、年初来高値の111.13円、あるいは111.30円レベルなどを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値の110.55円レベルをめぐる攻防にまずは注視。ただ、下回っても110円台前半にサポート多く、底堅いイメージだ。

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