結局レンジに回帰、揉み合い継続も
先週のドル/円は、「行って来い」。一時108円半ばまで下落し、レンジの下限を割り込んだものの週末にかけてドルは買い戻され、週初の寄り付きレベルまで値を戻している。
前週末に1ヵ月あまり続いていた「米政府機関閉鎖」が一時的に解除されたものの、為替市場の反応は鈍い。ドル/円は109.50-55円という、前週末のNYクローズと大差ないレベルで寄り付いた。
その後はしばらく109円台での一進一退をたどるなか、週の半ばにレンジの下限である109円を割り込み108円台へ。しかし、ドルの下値も堅く108円半ばで下げ止まると、週末にかけては発表された米雇用統計・非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回る好数字になったことなどを材料にドル買いが進むと109円台を回復。結局、週末NYは109円半ば、週初の寄り付きとほぼ変わらない水準で取引を終え、越週している。
一方、週間を通して注目された材料だが、先週は1週間を通して注目材料が目白押し。
先で取り上げた「米雇用統計の発表」もそのひとつであり、ほかにも「米政府機関の閉鎖」が一時的に解除され、トランプ大統領の一般教書演説や先送りされていた米経済指標発表日程などが決定、「米FOMC」や「米中閣僚級による通商協議とトランプ氏、中国副首相の会談」、「英議会がEU離脱修正案などを審議」−−といったところが、折につけ市場で話題となっていた。
なかでも、「米FOMC」は、「政策金利の据え置き」が決定されると同時に、声明文から「いくらかのさらなる緩やかな利上げ支持」の表現削除が確認され話題に。また、それに続きパウエル議長が会見を行い、「当初予測よりも早期に資産縮小を停止する」などと発言したことも思惑を呼んでいた。一方、「米中閣僚級による通商協議とトランプ氏、中国副首相の会談」は、中国サイドが「米国産大豆の輸入を大幅に増やす方針を伝えた」とされるなか、同国メディアは「米国との貿易協議で重要な進展」とかなりの好評価をしていたようだ。
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「ある種の予想通り」−−というべきなのか、過去2週間近くに及ぶレンジの下限である109円を一時的に割り込んだものの、値は走らず、週末にかけて再びレンジ内へと回帰してきた。当コーナーでは再三再四取り上げてきた昨年何度も見た光景である、「レンジをブレークしたかに見えたが再びレンジ内に回帰、結局レンジを広げただけに過ぎない」状況再現か。つまり、これまでの109.00-110.00円から、108.50-110.00円というレンジに切り替わっただけの可能性も否定出来ないようだ。再びレンジブレークの機運が高まるのか否か、引き続き動静を注視したい。
先でも取り上げたように、先週はかなり材料盛り沢山の1週間だった。その反動というわけではないものの、今週は材料的には幾分寂しい。とはいえ、継続案件となる「米中貿易協議」や「英国のEU離脱問題」に加え、本格化する「日米企業の決算発表」、政府機関閉鎖で延期されてきた「米経済指標発表の再開」などは一応要注意。また、中国を中心に一部のアジアが「旧正月」で休場になることの波及的影響も気に掛かる。今年の年初のように、「流動性の低下=荒れ相場」をたどるリスクを指摘する声も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、週足・一目均衡表では、先行帯の雲が引き続きドルのレジスタンスと寄与しているようだ。そんな一目の雲は先週109.65-110.05円レベルに位置し、週間を通してほぼドルの上値を阻んでいた。ちなみに、週足・一目の雲は今週もほぼ同レベルに横たわる。依然としてレジスタンスになるのか、それともいよいよ超えていくのか、攻防をしっかりと注視したい。
対するドルのサポートは、移動平均の25日線が位置する109円前後、そして先週安値の108円半ばなどとなる。
一方、材料的に見た場合、従来から発表が見込まれていた1月のISM非製造業総合指数のほか、米政府機関閉鎖の影響で順延されていた11月の貿易収支や昨年10‐12月GDP速報値などの米経済指標が発表される見込みだ。ちなみに、貿易収支は6日に発表されるもようだが、GDPは未定で日程は確定していない。
そのほか、「米財務省による米債の入札」や、やはり順延されていた「トランプ米大統領の一般教書演説」などにも注意を払いたい。
そんな今週のドル/円予想レンジは、108.50-110.50円。ドル高・円安については、心理抵抗であり、年初来高値である110円の攻防にまずは注視。超えればフィボナッチの観点からみた110.35円レベル、さらには111円台前半などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週安値の108円半ばがなかなか強いサポート。ただ、割り込んでも大崩れは予想しにくく、かなり底堅いイメージも。(了)
オーダー/ポジション状況
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