ドル円下落 FOMC利上げ文言削除 B/S調整に別声明
30日の海外市場でドル円は下落。一時108.81の安値をつけ、東京時間7:00現在はやや戻し109.00-05レベルでの取引です。
注目されたFOMCで、FRBは経済の基本的な見通しに変更は無いとしつつも、従来の声明文の「更なる幾分の緩やかな金利引き上げが経済の持続的拡大にふさわしい」との文言が削除され、最近のインフレ圧力の落ち着きに言及した上で「今後の金利調整の判断においては忍耐強くなる」との表現が加わりました。
さらに、バランスシートの調整については別途声明をリリースし、経済情勢を考慮して正常化終了に詳細を調整する準備があると表明、続く議長記者会見でもFRBのバランスシート正常化のプロセスが従来の想定より早く終了し、維持されるサイズも大きくなるとの見通しが示されました。
内容はいずれも事前予想の範疇でしたが、全てが声明文、別リリース、会見での発言で明確にされることは想定外で、議長記者会見では次のアクションが利下げになる可能性も排除しない姿勢も示され、想像以上のハト派スタンスの強調、明確化となりました。
結果公表前109円台半ばで取引されていたドル円は一時108円台に下落、米主要株価指数は軒並み上昇し、NYダウは前日比434ドル高で引けています。また、金利先高感の後退で10年物米国債利回りは2.67%に低下しました。
ただ、内容の衝撃度の割には株価の反発もあってか円高の度合いは限定的であったとも言え、ドル円は約二週間ぶりの安値をつけたものの108.97レベルにある21日移動平均線を明確に割り込んではいません。
今週はこの後も本日まで開催される米中の閣僚級通商協議や雇用統計等、重要イベントが続くことから、大きくはポジションを傾けにくい状況であることも考えられます。
もっとも、本日はFRBのサポーティブな姿勢に上昇した米株も、FRBの判断の背景が強い経済先行き懸念であること考えれば持続性にやや難ありと考えられ、ドル円は引き続き下落方向のリスクが高いものと思われます。
本日は、この後8:50に1/22-23開催の日銀政策決定会合における「主な意見」の発表があります。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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