<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場は、ドル高・円安。しかも、前日から一転した「寄り付き安・大引け高」で、ドルの強さが目に付く展開だった。
ドル/円は、寄り付いた108.10-15円を日中安値にじり高推移。当初は3連休明けのゴトー日ということで仲値不足が取り沙汰され、ドルの支援要因に。仲値が決定し、需給要因が剥落しても流れは変わらず。時間外で取引されているNYダウの先物や、日経平均株価が堅調に推移したことを材料に、リスク選好のドル買いが続く格好となった。
108.75円レベルまで値を上げたのち、16時時点ではドルの高値圏である108.65-70円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「複合的な米国ファクター」について。
「米政府機関閉鎖」に関しては、「トランプ米大統領、共和党の一時的な政府機関再開案を拒否」との報道があり、米通商代表部からは「政府機関閉鎖中も米中通商協議は継続」との発表が聞かれている。
そのほか、「トランプ氏、NYタイムズによる『ロシア内通』報道を否定」、イタルタス通信「米露、15日にINF条約で次官級協議を実施」、朝鮮日報「米国務長官と北朝鮮高官が17-18日にワシントンで会談」、「米WH広報部長、イバンカ氏の世銀次期総裁候補報道を否定」−−などといった報道が観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
前日の欧米時間に一時108円割れをワンタッチするなど、下値不安が再燃した感も見られたが、その後ドルは逆に小じっかり。本日の東京時間には109.09円の前回高値を視界内に捉えた値動きとなっている。ドルは先週来のレンジである107.77-109.09円のなかでの一進一退を続けており、引き続き前記レンジをいつ、どちらの方向に抜けていくのかを注視しておきたい。
暫定予算失効による「米政府機関の閉鎖」は、依然として打開のメドが経っていない。実際、昨日は米与党の共和党が「一時的な政府機関再開案」を提案したものの、トランプ米大統領が拒否したという。引き続き潜在的なドルの弱材料として寄与することになりそうだ。
一方、本日注意すべきは「英議会によるEU離脱合意案の採決」だろう。否決が有力視されるものの、いずれの結果となっても前後の為替市場はポンドを中心に荒っぽい変動をたどる危険性が指摘されている。
テクニカルに見た場合、ドル/円はそれなりに値動きがあるものの、先週来のレンジである107.77-109.09円という幅のなか。上下どちらに抜けるのか、可能性は五分に近いと思われるが、チャート的には3日の長い下ヒゲが強いサポートになる可能性も。仮に上抜けるようだと、110円台に回復することも考えられる。
一方、材料的に見た場合、12月の生産者物価指数や1月のNY連銀製造業景況指数といった米経済指標が発表されるほか、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁やジョージ・カンザスシティ連銀総裁などによる講演も実施される見込みだ。また、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴといった米金融機関大手の決算発表にも一応要注意。ただ、本日に限ればそれら米国ファクターよりも英国情勢が気掛かりだ。「EU離脱合意案の議会採決」が波乱要因と目されており、ある程度は織り込み済みとは言え、実際に「否決」となった場合の相場へのインパクトは大きなものが予想されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.00-109.20円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である108.75円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ直近高値109.09円、そして昨年11月高値114.23円を起点とした下げ幅のフィボナッチ半値戻しに当たる109.15-20円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、108円半ばに弱いサポートが存在、割り込んだ場合には昨日記録した安値107.98円が視界内に捉えられそうだ。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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