一時ドル暴落、ただ目先は底堅く推移か
3日の東京市場は、ドルが一時暴落。ストップロスがストップロスを巻き込んだ格好で、一時104円台、昨年3月26日以来の安値を示現している。
ドル/円相場は、108.80円前後で寄り付いたのち、ドルが急落した。材料的には東京早朝に米アップルが「中国経済の減速」を理由に、業績の下方修正をしたことが失望されていたようだ。ともかく、108円割れあたりから断続的にストップロスを巻き込むと、なし崩し的に一気に104円台へ。
ただ、さすがにそこからは買い戻しも断続的に入ると、108円近くまで戻すなど「行って来い」の様相となった。結局、広いレンジで荒い値動きをたどったまま、16時時点では106.85-90円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「複合的な米国ファクター」について。
まずは、トランプ米大統領の発言として「近く米朝首脳会談の開催を想定している」、「昨年12月の株安は瞬間的な不調に過ぎない」といったモノが観測されるなか、実施された大統領と共和、民主両党の議会指導部による協議にもかかわらず「米政府機関閉鎖の話し合いは物別れ」に終わっている。
そのほか、「上院議員就任予定のロムニー氏が、大統領を辛辣に批判」、「米国防総省報道官、マティス長官に続き辞任」−−などといった報道が観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル円5分足
引き続き東京市場が休場となる、本日の朝7時過ぎ、商いが薄いなかドルは短時間で一時4円近い暴落を見せた。先でも指摘したような「米アップルの決算発表」という材料は一応あるものの、実際としては損切りが損切りを誘発、薄商いの間隙を突く格好でドル安が進行したようだ。そんなドル安の進展もあり、リスクという意味では依然として下方向にバイアスがかかりそうだが、凝っていたドルロングもだいぶ捌け、ポジション的にはかなり軽くなった感を否めない。東京安値をやすやすと更新する展開は見込みにくく、ドルは思いのほか底堅いとの指摘も聞かれている。
本日のアジア時間、時間外で取引されているNYダウ(先物)は一時350ドルを超す下げを記録など、大きく値を下げており、欧米市場においてもその動静は要注意だ。越年した米政府機関の閉鎖問題に加え、「米アップルの決算発表」という弱材料が加わり、引き続き冴えない値動きをたどる可能性もある。ちなみに前者については、トランプ氏が「4日に野党との再会談を提案した」との報道も観測されており、進展があるのか否か、関連報道などに注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、まさかまさかのドル暴落。一時的な104円台への下げをたどったことが、ある種の「セリングクライマックス」になった、との見方も少なくないようだ。リスクという点ではドル安方向にバイアスがかかるものの、目先は思いのほか底堅く推移する可能性も取り沙汰されている。
とは言え、昨年安値(104.58円)に加えて、本日も下げ止まった104円台安値を仮に下回るようだと、ドル安にさらなる弾みがつくことにもなりかねない。
一方、材料的に見た場合、12月のADP雇用統計や同ISM製造業景況指数といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。好調な年末商戦は好材料ながら、株安や世界景気の減速、政府機関閉鎖などが逆に足かせ要因になるとの見方も指摘されており、弱めの数字を予想する声も少なくないようだ。
そのほか、先で指摘した米株の動きや、引き続き米政府機関の閉鎖をめぐる与野党協議の行方などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.70-108.50円。ドル高・円安方向は、東京時間急落後の戻り高値である107.85円レベルが最初の抵抗。超えてくると108円、そして一目均衡表の基準線が位置する109.15-20円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、なかなか短期の下値メドを見通しにくいが、取り敢えず106円半ばに弱いサポートが位置している。割り込めば、少し遠いが本日東京安値である104円台が再び意識されかねない。(了)
オーダー/ポジション状況
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