NYダウ連騰だがドル円は伸び悩む(12/28)

28日早朝には111.10円まで戻したが27日早朝高値超えには至らず、戻り高値を切り下げた状況にある。

 NYダウ連騰だがドル円は伸び悩む(12/28)

【概況】

クリスマス休暇前はNYダウが日足で7日連続陰線による暴落となり、ドル円も株安拡大不安によるリスク回避と株安債券高=長期債利回り低下によるドル安感からドル安円高が加速、12月25日には一時110円を割り込む109.99円まで下げた。12月25日への下落により10月4日高値以降のレンジ縮小型三角持合いを下放れ、また3月26日底以降の上昇トレンドにおける調整安を下支えしてきた104日移動平均を割り込んでの急落となった。またこの間の下落は昨年11月6日天井から今年1月序盤までの三角持合い形成と104日移動平均割れからの大幅下落期入りの序盤に近い展開となった。

12月26日のNYダウは前日比1086.25ドル高となり1日の上昇幅としては過去最大となったためドル円も27日早朝高値で111.40円まで戻した。しかし24日へ一段安した手前の21日高値111.45円には届かず、27日のNYダウが序盤で610ドルを超える反落となる中で110.45円まで失速した。NYダウが終盤に切り返してマイナス幅を解消、終値では260ドル高となったことでドル円も28日早朝には111.10円まで戻したが27日早朝高値超えには至らず、戻り高値を切り下げた状況にある。
28日前場の日経平均は前日比マイナスで開始しておりドル円も111円以下に止まっている。

27日夜の米経済指標はまちまち。米労働省が発表した週間新規失業保険申請は季節調整済みで21万6000件と前週比1000件減少、市場予想の21万7000件を下回った。米コンファレンス・ボードが発表した12月の消費者信頼感指数は128.1となり前月の136.4から低下、市場予想の133.7を下回った。

【米国の懸念】

米国の景況感に関する各種指標は今回の消費者信頼感指数の低下、ミシガン大消費者信頼感指数の伸び悩み(今年3月をピークに指数は横ばい)、NY連銀やフィラデルフィア連銀の製造業景況指数も低下傾向にあり、景況感全般が悪化し始めている印象がある。また住宅関連指標でもNAHB住宅市場指数や中古住宅販売等の低下が顕著となっており、景気鈍化への懸念を示唆するものが増え始めている。
NYダウも連騰したとはいえ、直前暴落の終盤2日間の下落幅を解消したに過ぎず、1日で千ドル近い乱高下を繰り返す様は先行き不透明感を増すものと思われる。
1月からは米中通商協議、日米通商協議も始まる。こうした協議の序盤から双方が合意へ向けて前向きな姿勢を交わすことを期待するよりも牽制から始まって最終的に合意できるかどうか不安を抱えながら進展してゆくと思われるので、年明けから楽観ムードが回復してくるという期待を抱くには早計と思う。特に日米通商協議での為替条項問題もドル円には上値を抑える要因として意識されてゆくと思われる。

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月20日未明安値を割り込んだために底割れからの弱気サイクル入りとして21日夜から27日にかけての間への下落を想定してきたが、26日朝時点では20日未明安値から4日を経過して110円割れから下げ渋っていたために25日午後安値を直近のサイクルボトムとし、底割れ回避の内は26日の日中から27日午前にかけての間への上昇を想定するとした。
27日早朝高値の後は失速気味のため、既に27日早朝高値でサイクルトップをつけたと思われる。28日未明安値110.45円割れからは弱気サイクル入りとして28日午後から年明けにかけての間への下落へ進みやすいとみる。ただし27日未明高値超えからは新たな強気サイクル入りとして1月2日から4日にかけての間への上昇へ進む可能性が高まるとみる。

60分足の一目均衡表では27日未明の急騰で遅行スパンが好転、先行スパンを突破したが、27日夜の反落で遅行スパンは悪化した。先行スパン転落は免れているが、110.75円割れからは転落となるため、遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げが加速しやすいとみる。強気転換は27日早朝高値超えからとしてその際は遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、110.75円、次いで28日未明安値110.45円を支持線、28日早朝高値111.10円、次いで27日早朝高値111.40円を抵抗線とみておく。
(2)111.10円を下回る内は下向きとし、110.75円割れからは110.45円試しとし、110.45円割れからは25日安値109.99円試しへ向かうとみる。28日夜の米国株式市場動向によっては急落商状入りもあり得るので、25日安値割れの場合は109円台前半試しへ28日深夜から31日にかけての下値目処を引き下げる。
(3)111.10円超えからは強気転換注意として111.40円試しとする。111.40円を超えない内は111.75円割れから下げ再開とするが、111.40円超えからは強気サイクル入りとして112円前後試しへの上昇を想定する。ただし112円以上は金融市場全般でかなりの楽観ムードになるような情勢変化がなければ戻り売りに崩されやすいとみる。

【当面の主な予定】

12/28(金)
15:00 (日) 東京証券取引所、大納会
22:00 (独) 12月 消費者物価指数 前月比 (11月 0.1%、予想 0.3%)
22:00 (独) 12月 消費者物価指数 前年同月比 (11月 2.3%、予想 1.9%)
23:45 (米) 12月 シカゴ購買部協会景況指数 (11月 66.4、予想 61.0)
24:00 (米) 11月 住宅販売保留指数 前月比 (10月 -2.6%、予想 1.0%)

12/31(月)
10:00 (中) 12月 国家統計局製造業PMI (11月 50.0、予想 50.0)

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