方向性乏しいXモードでレンジ取引継続も(12月第3週)

先週のドル/円相場は、ややドル高・円安。ただ、11月以降は2円ほどのボックス圏を形成しており、先週も週間を通してそのなかでの乱高下。明確な方向性は乏しかった。

方向性乏しいXモードでレンジ取引継続も(12月第3週)

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先週のドル/円相場は、ややドル高・円安。ただ、11月以降は2円ほどのボックス圏を形成しており、先週も週間を通してそのなかでの乱高下。明確な方向性は乏しかった。

前週末に、「フランスで政権抗議デモ、2000人を拘束」との報道や、「中国、CFOの逮捕状撤回を要求」などファーウェイに関する複数の報道が観測されている。そうしたなか週明けのドル/円相場は、リスク回避の円買いが優勢。先週末よりもドル安・円高である112.60円前後で開始したのち、週間安値となる112.24円まで値を下げた。
しかし、安値を記録後はむしろドルが買い進まれる展開となり、113円台を回復。週間高値の113.71円まで続伸したのち、週末NYは小緩んだ113.40円レベルで取引を終え、越週している。

一方、週間を通して注目された材料は、「米中貿易戦争関連」と「英国情勢」について。
前者は、前週に観測された「中国ファーウェイのCFOの逮捕」に対抗する動きか、今度は中国が「カナダの元外交官逮捕」に踏み切るなど様相が混沌。それに続き、カナダ裁判所が「CFOの保釈を認める」決定を行っている。そうしたなか、週末にかけては「ロス商務長官、中国は通商問題解決に確約以上の実施が必要」、「トランプ大統領、中国は一層の車関税引き下げを」−−といったコメントが報じられていた。なお、米中の陰に隠れる格好で、米通商代表部による「対日公聴会」が開催され、「自動車輸出と絡め為替条項導入」などが意見としてだされたと報じられ、思惑を呼んでいた。

対して後者は、前週末に一部英紙が報じていた「メイ首相、11日の下院採決を延期か」が現実のものとなるなか、メイ氏がメルケル独首相などEU首脳と相次ぎ会談、EU離脱について協議をするも、いずれの向きからも「合意案の再交渉はしない構え」が改めて示されるなど苦しい状況に変化なし。また、そののち12日にはメイ首相の不信任投票が実施されたが、こちらはなんとか信任を得る格好で事なきを得ている。

<< 今週の見通し >>

時間足など、やや短いチャートを見ると、一日のなかではそれなりに反復があるものの、週間を通しては1.5円ほどの変動しかなく、そうした状況がすでに1ヵ月以上続いている。11月以降の相場はと言うと、112.23-114.23円のボックスを形成しており、足もとはその中での上下動に過ぎない。なお、先週末に掛けての動きを見ると、レンジ内ながらやや上方向にバイアスを感じるものの、ここ数週間は、そんな期待を裏切っての一進一退が結局続いている。今週は、市場がさらにクリスマスモードを強めることを考えると、引き続き大きな値動きは期待できず、レンジ取引の続く可能性も否定できないだろう。

材料的には、米中をメインに、日米や日欧についても貿易問題が再びクローズアップされ始めているものの、市場の反応はやや鈍くなっているようだ。そうしたなか、今週最大のイシューとなりそうなのが18-19日に実施される米FOMC。すでに利上げ実施は織り込まれており、焦点は来年の利上げスケジュールや回数、利上げ停止の時期などとなる。ちなみに、米紙WSJの調査では「民間エコノミストは、来年の米利上げを1回減らし2回と予想」といった報道も観測されている。実際に、「利上げの終わりの始まり」が示されると、ドル安が後押しされる展開もありそうだ。

テクニカルに見た場合、11月以降は112.23-114.23円のボックスを形成しており、明確な方向性は乏しいと言わざるを得ない。112-113円台は思いのほか居心地がよいうえ、今週末にかけて市場がさらにクリスマスモードを強めることを考えると、レンジ取引の続く可能性も否定できないだろう。
ただ今回と同様の展開、たとえば今年の7月下旬から2ヵ月近く110-112円程度のレンジ取引をたどった際には、上抜けたのち半月程度で114円半ば(年初来高値)を記録している。そうした経験則を参考にすれば、今回も上下どちらか抜けた方向に、2円程度値が飛んでも不思議はない。一応要注意。

一方、材料的に見た場合、12月のNY連銀製造業景況指数や7-9月期GDP確報値といった米経済指標の発表が相次ぐほか、前述したFOMCが18-19日に実施される見込み。前者も注意すべきだが、やはり後者のFOMCにはとくに注意を払いたい。
また、それ以外でも貿易問題を中心に注視すべき米国ファクターは少なくないが、引き続き英国のEU離脱手続き問題やイタリア予算案の行方などといった欧州ファクターも気掛かりだ。


そんな今週のドル/円予想レンジは、112.20-114.20円。ドル高・円安については、先週のドル高値113.71円が最初の抵抗。超えれば114円レベル、そして11月高値の114.23円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線も近い113.00-20円がサポートとして意識されており、その攻防を注視。割り込めば、11月以降のドルのサポートである112.23円が意識されそうだ。

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