<< 先週の回顧 >>
先週のドル/円相場は、ドル安・円高。週のザラ場ベースでは、一時112.23円まで値を下げ、11月に記録した前回安値を下回る局面も観測されていた。
前週末に実施された注目の米中首脳会談において、「90日間の追加関税猶予で合意」したことが明らかとなり、時間外取引からこれを好感した円売りが優勢だった。東京市場のドル/円は、下方向にギャップを空けた113.60円レベルで寄り付いたのち続伸。日中高値である113.82円を示現している。
しかし、同レベルが週間のドル高値となり、週末にかけては一転してドル売り優勢。11月安値を下回る112.23円まで下落したのち、週末NYは小戻した112.70円前後で取引を終え、越週となった。
なお、仮想通貨が週間を通して荒れ模様。もっともメジャーであるビットコインが、週初に推移していた4200ドル台から3200ドル台へと一時1000ドル近い下げを記録したほか、ビットコインキャッシュは初めてとなる2ケタ台突入も観測されていた。
一方、週間を通して注目された材料は、「米中貿易戦争問題」に関する報道などについて。
前述したように米中首脳会談において、「90日間の追加関税猶予で合意」し、初期反応は好感した動きが先行。しかし、「飽くまで一時的な停戦」であり、しかも90日間のあいだに貿易協議がまとまらなければ米側は対中関税を引き上げることが明らかになったこと、内容を精査したのちはむしろドル売り要因となっていたようだ。
また、そののちも「米大統領、強硬派であるUSTR代表を対中通商交渉監督として任命」とのニュース、6日に突如として伝えられた「中国華為技術(ファーウェイ)CFOを逮捕」から、米中間の抗争激化を予想する声がさらに強まった感がある。
<< 今週の見通し >>
ドルは先週、11月安値112.30円を一時下回るも、大きくは崩れず。また週末にかけては、むしろドルは底堅さもうかがわせるような値動きをたどっている。一概にドル安リスクが高いとは言えないようだ。実際、11月以降の日足チャートなどを見ると、やや広めではあるが112.23-114.23円、2円レンジのなかで上下動をたどっていることがうかがえる。12月相場入りし、米雇用統計などの注目材料も消化、マーケットは今後さらにクリスマスや年末モードを高めるであろうことを考慮すると、いましばらくのあいだ112-113円台を中心としたレンジ取引が続く可能性がある。
材料的には、今週も引き続き米中貿易問題に注目が集まりそうだ。また、以前ほど強い相関性はうかがえないが、それでも先週だけで1500ドル近い下げを見せたNYダウを中心とした米株の動きには要注意。ただ、材料的にはややドル安リスクがうかがえるなか、以前から報じているように年末・年始に向けた需給要因は逆にタイト。折につけ、ドルの下支えに寄与すると考えられる。
テクニカルに見た場合、過去1ヵ月強ほどは112.23-114.23円という2円レンジを形成、明確な方向性は乏しいと言わざるを得ないものの、先週末に掛けては下限割れをうかがう様相で、敢えて言えば下方向のリスクが高そうだ。
そうしたなか日足の一目均衡表では、先行帯の雲の上限がじりじりと切り上がってきており、来週にかけて113円台まで上昇するだけでなく、下限も112.45-50円で横ばい推移することになる。ドル続落により一目の下限だけでなく、過去1ヵ月強のレンジ下限割れも達成といった展開に注意しておきたい。
一方、材料的に見た場合、11月の消費者物価指数や同小売売上高といった米経済指標の発表が相次ぐほか、米財務省による10年債や30年債の入札も実施される予定となっている。
ただ、材料という意味では米国よりも欧州ファクターに要注意。たとえば、11日には「英下院でEU離脱協定案の採決」が実施される見通しだが、票読みとしては悲観論が優勢となっており予断は許さない。また、イタリアも同じ11日に「修正予算案提出」が見込まれている。果たして欧州委員会などを納得させられる内容となるのか、こちらも要注目だ。
そんな今週のドル/円予想レンジは、111.50-113.50円。ドル高・円安については、ここのところドルの上値がジワリと切り下がっていることが気掛かり。そうした意味では先週末の東京高値である113円前後の攻防にまず注視。超えれば、移動平均の25日線も近い113.20-30円などがターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、先週末から極めて薄い状態をたどる日足・一目均衡表の先行帯の雲をめぐる動きが注視されている。先週末のNYクローズでは辛うじて上限を維持した感もあるが、前述したように来週にかけて113円台まで上昇してくることから、今週中に日足は雲の中に埋没、あるいは下限割れを試すような展開も否定できない。(了)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2018.12.10
ドル円111円台半ばを試しやすい一週間(週報12月第2週)
先週の下落幅は週初の高値から7%を超えましたが、今朝は改めてリスクオフの動きとなり、ダウ先物は夜間取引で先週木曜の安値を下回ってきています。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2018.12.10
三角持ち合い下放れ開始警戒(週報12月第2週)
12月7日に米労働省が発表した11月の雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比15.5万人増となり前月の23.7万人増から鈍化し、市場予想の20万人増を下回った。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。