<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は、ドルが小高い。前日のNY終盤の流れを継ぎ、ドルは緩やかな右肩上がり。113円に接近する局面も観測されていた。
ドル/円相場は、寄り付いた112.60円前後を日中安値にじり安推移。値幅そのものは30ポイント強にとどまり、さほど大きくなかったが、ドルは一本調子に近い上昇をたどっている。大引けにかけて下げ幅を縮小させたとはいえ、マイナス圏で大引けた米株だったが、日経平均株価は寄り付きからしっかり。大引けベースでも177円高でドル高・円売りに寄与していた面もあったようだ。ドルは112.90-95円まで値を上げ、16時時点では小緩んだ112.85-90円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、仮想通貨は本日も荒れ模様。ビットコインキャッシュが初の100ドル台の大台割れを記録したほか、もっともメジャーなビットコインも早朝に推移していた3600ドル台から一時3300ドル台まで値を崩す局面が観測されている。
一方、材料的に注視されていたものは、前日に続き「華為技術(ファーウェイ)CFOを逮捕」に関連する報道。
幾つか例を挙げると、読売新聞「ファーウェイとZTE、日本政府の調達から排除の方針」、ロイター「米当局、CFOを詐欺の疑いでも調査」、米ラジオ「大統領補佐官がCFO逮捕を事前に把握と発言」、カナダ首相発言「CFO逮捕に政治は一切かかわっていない」−−などとなる。
そのほか単発的なモノとして、FRB議長「米労働市場は多くの指標で非常に強い」、NY連銀総裁「世界中の低金利のため大きな課題に直面」、米大統領「中国との合意が90日間に可能との点に同意」といった数多くの発言のほか、イタリア紙レプブリカによる「トリア財務相に辞任する意向はない」との報道などもあり、欧州情勢も一部で話題に。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日欧米時間、ドルは112.23円まで下落した。11月安値を下回ったことになるが、クローズベースでは112.60円台まで値を戻し、本日東京ではさらに上値を広げている。トレンドがいまひとつハッキリしない。先月末からの時間足など短期チャートを見ると、上値が徐々に切り下がりつつあるものの、113円をクリアに回復し、移動平均の25日線も位置する113.30円レベルを超えるようだと、再びドル高傾向が強まる可能性もありそうだ。
材料的には、先週末の米中首脳会談を経てなお、貿易問題への危機感は払しょくされていない。むしろ、昨日飛び込んできた「ファーウェイのCFO逮捕」が米中貿易戦争の激化につながりかねないといった声も聞かれており、実際CNNは「米当局者が対中協議の材料として活用も視野」などと報じている。今後の動静には要注意。そうしたなか、本日は注目の米雇用統計が発表される予定であり米ファンダメンタルズが目先の価格変動に要因になるかもしれない。
テクニカルに見た場合、形成してきた三角保ち合いなどの下限を割り込んできたものの、「ドルの下値リスクが高まった」と声高に言えない悩ましい局面だ。と言うのは、ここ最近新たなレンジを形成している感があるためだ。昨日記録した安値は、11月安値112.30円と面合わせした格好で、本日以降も同レベルで下げ止まるようだと、年末に向けて実需などの取引が限られるなか、112.20-114.20円といったレンジ取引をたどる可能性もありそうだ。
一方、材料的に見た場合、11月の雇用統計や12月のミシガン大学消費者信頼感指数速報といった重要な米経済指標発表のほか、ブレイナードFRB理事の講演なども予定されており、いずれも注意を払いたい。なかでも米雇用統計の関心は高く、もっとも注視されている非農業部門雇用者数の予想値はプラス20万人程度と、前月(プラス25万人)よりやや悪化するものの、それでも好数字を維持する見通しだ。ただし、昨日発表されたADP雇用統計は事前予想より、やや低めの数字が発表されている。
そのほか、英国やイタリア情勢を中心とした欧州ファクターや、昨日「産油量の削減で合意」するも「具体的な減産幅は結論が出せなかった」OPEC協議の行方なども波乱要因か。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.20-113.40円。ドル高・円安方向は、本日の東京で超えられなかった113円レベルが最初の抵抗に。抜ければ、5日高値も近い移動平均の25日線などが位置する113.30-35円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日ザラ場ベースで一時割り込んだものの、本稿執筆段階では上回って推移している一目均衡表の先行帯の雲の上限(112.65-70円)の攻防が注視されている。割り込めば、昨日記録した直近安値の112.23円、112.05円などがサポートとなりそう。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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