ドル円株安不安継続米中貿易戦争問題再焦点化(10/30)

ブルームバーグ社は米トランプ政権は11月末のG20首脳会議に合わせて開く予定の米中首脳会談が不調に終わった場合は対中制裁関税の第4弾を

ドル円株安不安継続米中貿易戦争問題再焦点化(10/30)

ル ドル円株安不安継続米中貿易戦争問題再焦点化

先週末の10月26日はNYダウが序盤に大幅下落したことで株安不安による円高ドル安となり111.37円の安値を付けて10月15日安値111.62円を割り込んだが、深夜からはダウが下げ幅を大幅に縮小したことで112円前後まで買い戻されて終了した。
週明け29日の日中は112円超えを売られつつも横ばい推移だったが、夕刻からはNYダウ先物が上昇、夜間のNYダウ通常取引序盤では前日比352ドル高まで上昇したためにドル円も夕刻から深夜へ上昇して112.55円を付けた。しかし週末とは逆にNYダウが序盤の大幅高から一転して下落、前日比245.39ドル安へ下げたためにドル円も失速した。ただ、ユーロ安やポンド安等によりメジャー通貨の加重平均であるドル指数が週末からの反騰を継続したためにドル円の反落もやや抑えられた印象だ。

NYダウは10月24日に608.01ドル安と大幅下落し、26日にも一時は500ドルを超える下落で10月3日以降の安値を更新、その後に大きく戻したものの296ドル安で終了。週明けも乱高下しつつ26日の安値を割り込んでおり波乱と不安が続いている。米国株式市場ではIT・ネット関連株の下落が目立ち、ナスダック総合株価指数は26日の151.13ポイント安から29日も116.92ポイント安と続落して8月30日の史上最高値以降の安値を更新している。またダウの下落規模がまだ2月急落時と同規模であるのに対してナスダック総合株価指数の下落規模は当時を超えている。

【株安不安に加え、米中貿易戦争問題も再焦点化】

ブルームバーグ社は米トランプ政権は11月末のG20首脳会議に合わせて開く予定の米中首脳会談が不調に終わった場合は対中制裁関税の第4弾を12月初旬にも表明する方針だと報じた。実施されれば中国からの輸入品ほぼ全てへの制裁関税適用となる。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長によればG20首脳会議の際に米中首脳は「少しだけ会う予定」とされており、首脳会談での具体的成果に対する期待度は薄い。

米中貿易戦争問題は株式市場及びドル円にとっては米国有利で展開されることによるドル高・米国株高としてさほど悲観されずに来た。それ故にダウもナスダックも史上最高値を更新し、日経平均もそれらを頼みに1月高値を超えてバブル崩壊後の高値を更新するところまで上昇した。しかし株高そのものの高値警戒感が10月序盤の世界連鎖株安を発生させ、乱高下しつつ週末週明けと安値を更新している状況にあっては年明け以降の商戦への影響を意識して株安をさらに助長することとなりかねないため、従来のように株式市場への影響を軽微なものと見過ごせないかもしれない。それはまた株安連鎖での円高要因ともなりかねないのだが、年明け以降は日米通商協議の具体的な交渉も始まり、特に為替条項や中国制裁への同調を求める内容になる場合には米中問題と重なった円高要因とされる可能性もある。

【10月22日からの高値切り下がり】

10月26日の下落で10月15日安値を割り込んだため、10月4日高値からのドル円は二段下げ型に入った。29日夜へ戻したが、今のところは10月22日高値112.88円以降の24日夜、26日未明への戻り高値切り下がりの範囲にある。10月26日未明高値112.67円を超えてくればこの高値切り下がりパターンが破られて22日高値試し、さらに高値更新から113円台をうかがう展開へ進む可能性があるが、高値切り下がりのまま112円を割り込む場合は下落継続感が強まると思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月26日深夜安値からの反発度合いが25日午前からの反発レベルを超えたため、10月23日深夜安値から3日目となる26日深夜安値で直近のサイクルボトムを付けて反騰したと考えられる。今回の高値形成期は24日夜高値を基準として29日夜から31日夜にかけての間と想定されるので、早ければ29日夜高値でサイクルトップを付けた可能性がある。
112円台を維持するうちは29日深夜高値超えから一段高へ進む可能性ありとするが、112円割れからは新たな弱気サイクル入りの可能性を踏まえて26日深夜安値試しとし、底割れからは31日夜から11月2日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では29日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いているが高値切り下がりが続いてきているので29日夜高値を上抜けない状況が続いて遅行スパンが悪化してくる可能性がある。29日夜高値超えからは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からは弱気サイクル入りの可能性を踏まえて安値試し優先とする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、112円を支持線、29日夜高値112.55円を抵抗線とみておく。
(2)112円台を維持するうちは112.55円超えから22日高値112.88円試しとし、さらに高値更新の場合は113円台序盤への上昇を想定する。113円到達からは反落警戒とする。
(3)112円割れからは弱気サイクル入りの可能性を優先して26日深夜安値111.37円試しへ向かうとみる。111.50円以下はいったん買い戻されやすいとみるが、112円以下での推移中は30日夜、31日へ下落継続しやすいとみる。また26日深夜安値割れからは110円試しまで下値目途を引き下げる。(了)<9:20執筆>

【当面の主な予定】

10/30(火)
未 定 (日) 日銀・金融政策決定会合(1日目)
17:55 (独) 10月 失業率 (9月 5.1%、予想 5.1%)
19:00 (欧) 7-9月期GDP、速報値 前期比 (前期 0.4%、予想 0.4%)
19:00 (欧) 7-9月期GDP、速報値 前年同期比 (前期 2.1%、予想 1.8%)
19:00 (欧) 10月 経済信頼感 (9月 110.9、予想 110.0)
19:00 (欧) 10月 消費者信頼感 確定値 (速報 -2.7、予想 -2.7)
22:00 (独) 10月 消費者物価指数 速報値 前月比 (9月 0.4%、予想 0.1%)
22:00 (米) 8月 ケース・シラー住宅価格指数 前年同月比 (7月 5.9%、予想 5.8%)
23:00 (米) 10月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (9月 138.4、予想 135.9)

10/31(水)
未 定 (日) 日銀金融政策決定会合、2日目 金融政策発表
未 定 (日) 日銀展望レポート
06:45 (NZ) 9月 住宅建設許可件数 前月比 (8月 7.8%)
08:50 (日) 9月 鉱工業生産 速報値 前月比 (8月 0.2%、予想 -0.3%)
09:00 (NZ) 10月 NBNZ企業信頼感 (9月 -38.3)
09:01 (英) 10月 GFK消費者信頼感 (9月 -9、予想 -10)
09:30 (豪) 7-9月期 消費者物価 前期比 (前期 0.4%、予想 0.5%)
09:30 (豪) 7-9月期 消費者物価 前年同期比 (前期 2.1%、予想 1.9%)
10:00 (中) 10月 国家統計局製造業PMI (9月 50.8、予想 50.9)

14:00 (日) 9月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (8月 1.6%、予想 -0.6%)
15:00 (独) 9月 小売売上高指数 前月比 (8月 -0.1%、予想 0.5%)
15:00 (独) 9月 小売売上高指数 前年同月比 (8月 1.6%、予想 1.0%)
15:30 (日) 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
19:00 (欧) 9月 失業率 (8月 8.1%、予想 8.1%)
19:00 (欧) 10月 消費者物価指数・HICP 前年同月比 (9月 2.1%、予想 2.1%)
21:15 (米) 10月 ADP非農業部門就業者数 前月比 (9月 23.0万人、予想 18.9万人)
21:30 (米) 7-9月期 四半期雇用コスト指数 前期比 (前期 0.6%、予想 0.7%)
22:45 (米) 10月 シカゴ購買部協会景況指数 (9月 60.4、予想 60.3)

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