ドル円見通 10/4からの下落一服で戻りを試す(10/17)

16日は日米で株高となり世界連鎖株安不安が後退、ややリスクオン優勢となってドル円も112円台を回復してきた。

ドル円見通 10/4からの下落一服で戻りを試す(10/17)

【概況】

10月2日に日経平均が1月高値を突破したところでピークをつけて下落に入り、10月3日にはNYダウが1月高値を超えて史上最高値を更新したところでピークをつけて下落し始めたことを意識してドル円も10月4日高値114.54円でピークをつけた。10月8日には大型連休明けの上海総合株価指数が急落したために113円を割り込み、10日から11日にかけては日経平均とNYダウが大幅下落して世界連鎖株安状況となったことで112円割れ、さらに週明け15日も111.62円まで安値を切り下げてきた。この間の下げ幅は2.92円の円高ドル安だった。
16日は日米で株高となり世界連鎖株安不安が後退、ややリスクオン優勢となってドル円も112円台を回復してきた。

【世界連鎖株安一服、米経済指標好調】

16日は日経平均株が277.94円高と反発、米国市場でもS&P500が前日比2.2%高、NYダウが547.87ドル(2.2%)高、ナスダック総合指数も2.9%高と反騰したため世界連鎖株安不安が落ち着き、リスクオン心理も回復し始めた。その一方で株暴落を誘発した米長期金利は高止まりしているものの落ち着いた動きとなり株高を阻害する動きにはならなかった。
米10年債利回りは3.16%近辺で先週の高値3.261%からは下げた状況を維持している。米30債利回りも3.336%へ低下し、先週付けた4年振り高値3.446%からは低下した状況にある。

16日に発表された9月の米鉱工業生産指数は前月比0.3%上昇で市場予想の0.2%を上回った。前月の0.4%には届かなかったが良好な数字だった。設備稼働率は78.1%で市場予想の78.2%をわずかに下回ったが前月と同じだった。 10月のNAHB住宅市場指数は1ポイント上昇して68となり市場予想の66を上回った。


米労働省が発表した求人労働移動調査(JOLTS)では8月の求人件数が714万件となり、7月の708万件から上昇して2000年の統計開始後で最高記録となった。8月の求人率も4.6%で過去最高を記録した。米景気指標は概ね良好な状況を維持している。

トランプ大統領は米メディアのインタビューで「私にとっての最大の脅威はFRBだ」「FRBは過度に急速に金利を引き上げている」と語り米連銀の利上げ姿勢批判を強めた。株安が落ち着けば12月利上げの可能性は引き続き高いと思われるが、株安が再燃して2月の株安時を超えるレベルに発展する場合には米連銀に利上げ見送りの口実を与えることになるかもしれない。

米通商代表部(USTR)は16日に米議会に対して日本、EU、英国との通商交渉を開始すると正式に通知した。米貿易法が定めた議会による90日間の検討期間を経て来年1月から交渉を始めることになる。正式な通商協定が定まるまでには時間的猶予があるがその前の事前交渉で為替条項等の内容が日経平均及びドル円にとってはネガティブなものになる可能性があるだろう。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月9日未明安値から3日目となる12日未明安値で直近のサイクルボトムをつけ、15日に底割れしたために16日朝時点では10月9日夕高値から3日目となる12日夕高値で直近のサイクルトップをつけて新たな弱気サイクル入りしたと想定した。また次の安値形成期となる17日未明から19日未明にかけての間へ下落継続しやすい状況とし、新たな強気サイクル入りは12日夕高値超えからとした。しかし15日からのジリ高が2日目に入っていることを踏まえ、15日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りと改める。前回のサイクルトップを9日高値と10日夜高値によるダブルトップ型だったため、今回の高値形成期を17日の日中から17日夜にかけての間と仮定するが、直前8日間の下落から出直る場合にはサイクルトップ形成が延長される可能性もある点に注意する。

60分足の一目均衡表では16日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンからも上抜けてきている。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、先行スパン転落へ進む場合は新たな弱気サイクル入りとして遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は11日から15日へ一段安した段階で指数のボトムが切り上がる強気逆行を示して上昇している。このため50ポイント台を維持する内は上昇継続性ありとするが、50ポイント割れからは下げ再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、112.00円から111.90円を支持線、11日高値112.53円を抵抗線とみておく。
(2)112円を上回るか一時的に割り込んでも回復する内は上昇余地ありとし、11日高値を超える場合は11.80円前後まで上値目処を引き上げるが、112.50円に届かないか、超えた後に112.20円を割り込むところからは下げ再開注意とする。
(3)111.90円割れからは弱気サイクル入りと仮定して17日夜、18日にかけては安値試し優先とみる。その場合は当初の下値目処を15日安値111.62円とし、底割れからは111円試しへ引き下げる。

【当面の主な予定】

10/17(水)
休 場 (香) 重陽節
17:30 (英) 9月 消費者物価指数 前月比 (8月 0.7%、予想 0.2%)
17:30 (英) 9月 消費者物価指数 前年同月比 (8月 2.7%、予想 2.6%)
17:30 (英) 9月 小売物価指数 前月比 (8月 0.9%、予想 0.1%)
17:30 (英) 9月 小売物価指数 前年同月比 (8月 3.5%、予想 3.5%)
17:30 (英) 9月 生産者物価コア指数 前年同月比 (8月 2.1%、予想 2.3%)
18:00 (欧) 9月 消費者物価指数 HICP改定値 前年同月比 (速報 2.1%、予想 2.1%)
21:30 (米) 9月 住宅着工件数・年率換算件数 (8月 128.2万件、予想 121.0万件)
21:30 (米) 9月 建設許可件数・年率換算件数 (8月 122.9万件、予想 127.5万件)
25:10 (米) ブレイナードFRB理事、講演
25:30 (独) バイトマン独連銀総裁、講演
27:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 9月25、26日開催分

10/18(木)
休 場 (印) デサラ祭
08:50 (日) 9月 貿易統計・通関ベース (8月 -4446億円、予想 -433億円)
09:30 (豪) 9月 新規雇用者数 (8月 4.40万人、予想 1.50万人)
09:30 (豪) 9月 失業率 (8月 5.3%、予想 5.3%)
17:30 (英) 9月 小売売上高指数 前月比 (8月 0.3%、予想 -0.4%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.4万件、予想 21.0万件)
21:30 (米) 10月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (9月 22.9、予想 20.0)
22:05 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、講演
23:00 (米) 9月 コンファレンスボード景気先行指数 前月比 (8月 0.4%、予想 0.5%)
25:15 (米) クオールズFRB副議長、講演

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