2017年に迫る株高と米長期債利回り上昇が推進力(10/4)

3日夜は米経済指標が強かったことを背景にドル全面高へ進み、114.50円台に到達している。

2017年に迫る株高と米長期債利回り上昇が推進力(10/4)

【概況】

10月1日深夜高値114.05円の後は伸び悩んで2日深夜及び3日午前には113.52円まで下げていたが、113.50円割れには至らず、3日夜は米経済指標が強かったことを背景にドル全面高へ進み、114.50円台に到達している。
米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した9月の全米雇用報告では非農業部門民間就業者は前月比23万人増となり市場予想の18万5000人増を上回った。8月は当初の16.3万人増から16.8万人増へ上方修正された。また米サプライ管理協会(ISM)が発表した9月の米非製造業景況指数は61.6で前月の58.5から上昇し、市場予想の58.0も上回った。米経済指標の強さは週末の米労働省雇用統計も強い可能性を連想させ、米連銀の12月利上げ確率がさらに上昇したという印象を市場に与えた。

【日米10年債利回り格差拡大】

NYダウは前日比54.45ドル高の2万6828.39ドルと上昇して2日連続で史上最高値を更新したが、株高により米長期国債は売られて長期債利回りは上昇。米30年債利回りは3.34%へ上昇して2014年9月以来の高水準となり、10年債利回りも3.179%へ上昇した。
日米10年債利回り格差は3%をこえるところまで拡大したが、3%超えは今年5月高値形成時以来である。米長期金利とドル円は必ずしも正相関するものではないが、米景気好調さを背景とした長期金利上昇はドル高円安と正相関となる。
8月21日からのドル高円安は米10年債利回りの上昇開始と同調しており、現在の米長期金利上昇とドル円の上昇も規模は異なるものの2016年12月へのドル高円安期と同様の正相関にあると思われる。

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月27日安値を前回のサイクルボトムとして上昇してきたが、114円到達からの反落により10月1日深夜高値で直近のサイクルトップをつけて弱気サイクルに入っていた。この弱気サイクルにおける安値形成期は2日午後から4日午後にかけての間と想定されたため3日午前時点では既にボトムをつけての反騰注意期に入っているとし、113.70円超えからは強気転換注意として1日深夜高値試しとし、高値更新からは新たな強気サイクル入りとした。

3日夜の一段高により新たな強気サイクルに入ったと思われる。次の高値形成期は1日深夜高値を基準として4日夜から8日夜にかけての間と想定されるため、4日夜にかけてはさらに高値を試しやすいと思われる。114円割れからは弱気転換注意とするが、114円以上を維持する内は高値試し優先と考える。

60分足の一目均衡表では3日午前への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが3日夜の一段高で両スパン揃って好転している。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、遅行スパン悪化の場合は先行スパン試しとみるが、弱気転換は両スパン揃って悪化するところからとする。

60分足の相対力指数は4日未明への上昇で70ポイント台後半まで大幅上昇した。4日午前には70ポイントを割り込んでいるが上げ渋りを反映しているに過ぎないと思われるので、60ポイント前後まで下げてもその後に65ポイント超えへ上昇する場合は相場も高値更新へ進みやすいとみる。4日夜へ一段高した場合に指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られる場合は弱気転換注意とする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、114.20円を支持線、昨年11月高値114.72円を抵抗線とみておく。
(2)114.20円を上回る内は昨年11月高値試しとし、高値更新の場合は115円台序盤へ上値目処を引き上げる。114.72円以上は反落注意、115円到達ではいったん大き目の反動安を入れやすいと警戒するが、114円台を維持するうちは5日の日中も上昇基調を継続しやすいとみる。
(3)114.20円割れを弱気転換注意として114円試しを想定するが、114円前後では押し目買いから戻しやすいとみる。ただし114円割れを切り返せなくなる場合はいったん調整安入りとして113.70円台への下落を想定する。
※ 今年5月29日から7月19日への上昇時は5.04円の円安ドル高だった。その後の8月21日への下落は3.38円の円高ドル安であった。これらから計算される上値目処は7月への上昇時並とすれば114.81円、8月21日への下げ幅の倍返しなら116.53円。チャート上の節目となる高値は昨年11月6日の114.72円。

【当面の主な予定】

10/4(木)
休 場 (中) 国慶節
10:30 (豪) 8月 貿易収支 (7月 15.51億豪ドル、予想 14.50億豪ドル)
15:00 (米) ラガルドIMF専務理事、記者会見[東京]
21:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前週 21.4万件、予想 21.1万件)
22:15 (米) クオールズFRB副議長、講演
23:00 (米) 8月 製造業新規受注 前月比 (7月 -0.8%、予想 1.9%)
25:00 (欧) クーレECB理事、講演

10/5(金)
休 場 (中) 国慶節
08:30 (日) 8月 全世帯消費支出 前年同月比 (7月 0.1%、予想 0.1%)
10:30 (豪) 8月 小売売上高 前月比 (7月 0.0%、予想 0.3%)
14:00 (日) 8月 景気先行指数(CI)・速報値 (7月 103.9、予想 104.2)
15:00 (独) 8月 生産者物価指数 前月比 (7月 0.2%、予想 0.1%)
15:00 (独) 8月 製造業新規受注 前月比 (7月 -0.9%、予想 0.8%)
21:30 (米) 8月 貿易収支 (7月 -501億ドル、予想 -524億ドル)
21:30 (米) 9月 非農業部門就業者数 前月比 (8月 20.1万人、予想 18.5万人)
21:30 (米) 9月 失業率 (8月 3.9%、予想 3.8%)
21:30 (米) 9月 平均時給 前月比 (8月 0.4%、予想 0.3%)
21:30 (米) 9月 平均時給 前年同月比 (8月 2.9%、予想 2.8%)
25:40 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演

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