<< 東京市場の動き >>
4日の東京市場は、ドルが強保ち合い。114円前半を中心とした30ポイント強のレンジ取引で明確な方向性は乏しい。ただ、ドルはかなり底堅いイメージだった。
ドル/円相場は、114.45円レベルで寄り付いたものの、上下とも積極的には攻めにくい。結局、ドルは高値圏である114.20-55円でのレンジ取引を保ったまま、夕方16時を迎えると、114.30-35円前後で推移し、欧米時間を迎えている。本日は日経平均株価が前日比135円安と続落、また時間外で取引されるNYダウも一時100ドルを超える下げを記録したが、ドル/円相場への影響は限定的だった。
なお、ドル/円はレンジ取引でやや方向性が乏しかったが、為替市場全体を見渡せばドル高、円高の展開。前日NY後半の流れを継ぎ、ユーロ/円やポンド/円、豪ドル/円などは緩やかな右肩下がり、またユーロ/ドルや豪ドル/ドルなどもじり安推移が目に付いた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」について。
ポンペオ米国務長官から「週末の訪朝で進展もたらすと楽観視」との発言が聞かれるなか、米セキュリティー企業ファイア・アイが報告書を発表し、そのなかで「北朝鮮はハッキングで資金調達」との見方を示したことが思惑を呼んでいた。また、そののち国連安保理議長が「北朝鮮制裁に例外措置の検討を示唆」、米紙による「韓国外相は米国に核申告の要求先送りを提言」−−などといった報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
週初に記録した114.06円を目先高値に小幅な調整が入っていたが、レベル的にも日柄的にもかなりの短期下押しで終わると、ドルは再び上値をトライし、前記高値をアッサリ更新してきた。114.55円レベルまで一時値を上げており、昨年11月高値の114.74円が名実ともに視界内に捉えられてきたことは間違いない。ドル高基調は依然として継続、11月高値をクリアすれば115円到達も見えてくるだろう。
材料的には、週末に雇用統計という重要な米経済指標の発表が予定されていることもあり、足もとは米ファンダメンタルズや金利、そして米株の動きなどへの関心が高いようだ。ちなみに、そんな米経済指標だが、昨日発表されたADP雇用統計、ISM非製造業総合指数ともにかなりの好数字で、本日や明日発表の米指標についても期待感はかなり強くなっている感を否定できない。また、それとは別にイタリアや英国をはじめとする欧州情勢などにも引き続き注意を払いたいところだ。
テクニカルに見た場合、週初高値114.06円から113.52円までドルは一時下げたが、反動をつけた格好でそののち逆行高。114円半ばまで一気に値を上げている。果たして「調整」と呼べるのかというほどの浅押しにとどまっており、ドル高基調そのものに変化はみられない。引き続きポジションの偏りは気掛かりだが、「中期的なターゲット」と予想していた昨年11月高値の114.74円もすでに目前。同レベルあるいは115円台トライも時間の問題となってきた感すら否めないだろう。
一方、材料的に見た場合、8月の製造業受注指数や同耐久財受注確報といった米経済指標の発表が予定されているほか、クオールズFRB副議長による講演も実施される見込みだ。昨日の今日ではあるが、指標や発言の内容如何によっては再びドル買いが進展することもありそうだ。
また、それとは別にイタリアやフランス、ドイツ、英国をはじめとする欧州情勢などにも引き続き要注意。ある意味では、ドル/円以上にユーロやポンドの動きを警戒する声も少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.80-114.80円。ドル高・円安方向は、直近のドル戻り高値である114.55円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ114.74円、そしてついに115円がターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である114.20円レベル、あるいは114円前後などが最初のサポートか。なお、ドル上昇トレンドラインの下限は113.35円レベルに位置しているが、現状からすれば若干遠く到達は難しそう。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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