ドル円 FOMC「緩和的政策」文言削除にやや困惑
未明に結果が公表されたFOMCでは市場予想通り0.25%の政策金利引き上げが実行され政策金利の下限は2.0%、上限は2.25%に変更されました。
ステートメントでは「金融政策のスタンスは引き続き緩和的である」との文言がまるまる削除されています。
同時に発表された経済見通しにおいて今年のGDP成長率見通しが2.8%から3.1%に、来年の見通しは2.4%から2.5%に引き上げらており、また中長期の政策金利見通しは2.9%から3.0%に変更されています。一方で2021年の金利見通しは2020年と同じ3.4%であり、長期的には経済の低迷を見通しているとも言える内容となっています。
*訂正:上記文中にあった以下の部分は、前回すでに変更済みにつき削除します。大変失礼いたしました。
(ステートメント上の文言にもいくつかの変化があり、主なところでは経済活動について「着実に(solid)拡大している」が「力強く(strong)拡大している」に変更されたほか、)
続く記者会見で、パウエル議長は緩和文言削除につき、「金利を徐々に引き上げてきて表現として意味がなくなった」「今回金利を引き上げても長期的な中立的と考える金利より下回っているため今こそ文言を削除するときと考えた」などと説明しました。一方で「文言削除はしたものの、政策スタンスは引き続き緩和的である」と述べ、「文言削除が緩和的な政策がいつ止まるということを示したものでもない」と強調しました。
「中立的な金利水準」に関しては明確なコメントを避けつつも現水準はまだ中立金利に達していないとの考えを示しました。
結果公表後に為替市場は乱高下。強い経済見通しと緩和文言削除に一旦はドル買いが強まったものの、記者会見での議長の説明がやや期待と異なるものだったこともあり、ドル円は112.69から113.14の範囲でチョッピーな動きを繰り返し東京時間5:00現在は112.70とややドルの安値探りとなっています。ユーロドルは1.1798に上昇後1.1732まで下落1.17台半ばでの取引とこちらも不安定。
市場は、ステートメントの緩和文言削除への反応と議長の政策スタンス不変発言、短期の経済拡大加速と先行きの低迷予測といった対立する材料を今のところうまく消化できていない状況のように見えます。パウエル議長の説明もわかりにくく、記者からも同じ質問が何度も繰り返されたものの結局煙に巻かれた印象で各市場は困惑気味。
一方テクニカルにはドル円は7月高値113.17にわずかにとどかなかった後反落しているため形状が悪化、FOMCが全般的には米経済の持続的な力強さが強調された内容であった割には上昇加速とはならずむしろ下方向を攻めやすくなった印象です。
ドル円5分足
ドル円日足
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