ドル円2週続けて小動き日米新貿易協議を注視(8月1週)

先週は、週間を通したレンジは1.4円ほど。ここ数週間は、いわゆる「夏枯れ」の様相を呈している感を否めない。

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ドル円2週続けて小動き日米新貿易協議を注視(8月1週)

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先週のドル/円相場は、依然として方向性が乏しい。前週は1週間を通した値幅が1円に届かないレンジ取引。先週は、それより動いたものの、週間を通したレンジは1.4円ほど。ここ数週間は、いわゆる「夏枯れ」の様相を呈している感を否めない。

週末に大きな材料がなかったこともあり、ドル/円相場は、先週末のNYクローズと大差のない110.90-95円で寄り付いた。
しばらくはボックス圏で揉み合ったのち、小幅ではあるがドルは値を上げ週央に112円を回復するも続かず。週末にかけては値を崩し、「行って来い」に近い値動きをたどると、週末には111円前半まで軟落した。ちなみに、週末には注目の米経済指標である7月の雇用統計が発表され、予想を下回る内容となったが、影響は限定的なものにとどまっている。結局、そのまま週末NYは111.25-30円で取引を終え、越週となった。

一方、週間を通して注目された材料は、「日米を中心とした金融政策の行方」と「米貿易問題」になる。
金融政策については、7月31日に日銀が実施した金融会合の結果として「当分のあいだ超低金利政策を持続」と発表、翌8月1日にはFRBがFOMCの結果のなかで「さらなる利上げが正当化される」と改めて言及し、9月の次回会合で追加利上げに踏み切る考えを示唆している。日米金利差の観点では、改めてドル高有利であり、週の半ばにかけてのドル高支援要因に。
対して、米貿易問題については、当初ブルームバーグから「米中、摩擦回避の協議再開を模索」などいった報道も観測されたが、そののち米国が「中国製品2000億ドルの関税率25%に引き上げ」に動く反面、中国も「600億ドルの米国製品に報復関税を課す」と発表するなど米中貿易摩擦激化の懸念が高まっていたようだ。なお、それとは別に、日本政府から「日米による新貿易協議が9日から始まる」との正式アナウンスがなされ、思惑を呼んでいた。

<< 今週の見通し >>

チャートを見るまでもなく、ドル/円相場は2週続けての小動きで、そのあいだのレンジはザックリ言って110.60-112.15円といった1.5円ほどになる。先週の日米中銀による金融政策公表や、週末の米雇用統計発表などでもレンジ取引を脱却できず、今週も狭いレンジ内での一進一退が続く可能性も否定できないだろう。ともかく、まずは過去2週間続く、前述した1.5円レンジを上下どちらにブレークするのか、その方向性を注視したい。ちなみに、海外勢はともかく、日本勢は週末にかけていわゆる「盆休み」に入る向きも増えそうで、流動性が乏しくなるだけに、逆に間隙を突くような荒っぽい価格変動にも一応の注意を要しておきたいところだ。

材料的には、なんといっても「日米新貿易協議」の行方が注目される。楽観的な見方も一部で聞かれるが、トランプ米大統領は昨年初めの就任直後に自動車分野に焦点を当てたうえで、「中国や日本は何年も通貨安誘導を繰り広げている」と発言、比較的最近である今年3月にも「安倍首相たちは『こんなに長いあいだ、米国をうまくだませたなんて信じられない』とほくそ笑んでいる。そんな日々はもう終わりだ。日本そして安倍首相は『友人』だが、特別扱いはしない」と述べていた。決して、油断はできない気がしている。

テクニカルに見た場合、2週続けての小動きで、そのあいだのレンジは110.60-112.15円といった1.5円ほどに過ぎない。まずは、レンジブレークの有無と、その方向性に要注意。
ちなみに、レンジを上抜けた場合は、フィボナッチから見たポイントの112.25円や112.60円などがターゲットなり、それも超えると再び113円台が視界内に。対して下方向に割り込むようだと、移動平均の200日線や52週線などの長期線も位置する110円ちょうどから110.20円レベルを目指す展開となりそうだ。

一方、材料的に見た場合、7月の消費者物価指数など、幾つかの米経済指標が発表されるものの、週全体を通してみるとやや小粒なものが多い。また、米企業決算も目立ったものはすでに発表を終えているなど、そうした意味ではやや動きにくい雰囲気も。
ただ、それでも米財務省による10年債や30年債の入札が実施されるうえ、バーキン・リッチモンド連銀理事などによる講演も見込まれており、それらは注意を払いたい。また、それ以外では、前述した「日米新貿易協議」が週間を通した最大の波乱要因になりかねない気がしている。

そんな今週のドル/円予想レンジは、110.00-112.20円。ドル高・円安については、先週高値の112.15円が最初の抵抗。そのスグ上にはフィボナッチで見た抵抗の112.25円や、112.60円、113円などが位置している。
対するドル安・円高方向は、過去2週間にわたるドル安値の110.58円の攻防にまずは注視。しっかり下回ると、移動平均の200日線などのほか、5月安値108.11円を起点としたフィボナッチでも重要な110円レベルがターゲットに。

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