ドル円上値トライ仕切り直し、目先強保ち合い(8/2夕)

2日の東京市場は、膠着相場。終日を通した値幅はわずか20ポイント程度と、ほぼ動きらしい動きなし。次の材料待ちといった色彩が濃かった。

ドル円上値トライ仕切り直し、目先強保ち合い(8/2夕)

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2日の東京市場は、膠着相場。終日を通した値幅はわずか20ポイント程度と、ほぼ動きらしい動きなし。次の材料待ちといった色彩が濃かった。

ドル/円相場は、111.70円レベルで寄り付いたものの、上下ともに攻めにくくレンジ取引。115.50-75円といった20ポイント強の変動に終始している。前日比69円安で寄り付いた日経平均株価が下げ幅を広げ、クローズベースでは234円安となったが、為替市場への影響は限定的だった。
16時時点では、111.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」。
前者については、「米、中国製品2000億ドルの関税率25%に引き上げ検討」「当局者、NAFTA再協議は自動車めぐり合意近づく」といった報道、対して後者は韓国紙が報じた「韓国大統領府、8月に南北首脳会談開催の可能性も」「米軍司令官、会見で北ミサイル開発に歯止めも警戒は緩めずと発言」「トランプ米大統領、近いうちに金委員長に会うのを楽しみにしていると発言」−−などのニュースや発言が観測されていた。
そのほか、京都市で行った講演で雨宮日銀理事が「2%実現見通しが後ずれしても緩和の手を緩めず」「2%達成は為替安定通じ経済安定実現するうえで非常に重要」「足もとの期待物価上昇率は幾分弱め」と発言、一部で話題となっていたようだ。

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昨日の東京時間終盤に112.15円まで上昇したものの、そののち失速。NYに112円を割り込むと、今度は回復することなく111円台での値動きをたどっている。ドルの下値リスクがことさら高いとは思わないが、「113円突破し直近高値113.17円トライ」−−といった機運は萎んでしまった感を否めない。ドルの上値トライも仕切り直しの様相だ。111円台を中心とした一進一退がいましばらく続く可能性もある。
材料的には、再三再四指摘している米貿易問題の行方に引き続き注視。来週にかけては「新たな日米通商協議、8月9日初開催で最終調整」との報道が観測されるなか、本日は「米とメキシコ、NAFTA再交渉の閣僚級協議を開催」する予定だ。ちなみに、後者に関して米国とメキシコが合意の可能性を取り沙汰される反面、カナダを除外するとの報道もみられるなど、好悪材料が混在し判断も難しい。とは言え、進展があれば、それだけでドルにとってはポジティブ要因となるかもしれない。

テクニカルに見た場合、昨日、「先週来形成している110.50-111.50円といった1円レンジをようやく上方向にブレーク」としたうえで、ドルの続伸に期待をかけたコメントを発したが、上値は112.15円までだった。7月高値113.17円を起点とした下げ幅のフィボナッチ112.25円にとどかず、足もとのドルは小緩んでいる。完全に期待外れで、ドル上値トライは出直しになった感が強い。目先は昨日来の111.40-112.20円といった、新たなレンジ取引をたどることも否定出来ないだろう。

一方、材料的に見た場合、6月の製造業受注指数と同耐久財受注という米経済指標が発表されるほか、幾つかの米企業の決算発表も見込まれている。もちろんそれらも要注意だが、米経済指標ということでは明日に注目の7月米雇用統計の発表を控えていることで、やや動きにくい雰囲気か。それ以外の要因では、先でも指摘した「米とメキシコ、NAFTA再交渉の閣僚級協議開催」や、真意は不明だが米兵の遺骨返還と絡め、トランプ氏がツイッターに「近いうちに北委員長と会うのを楽しみにしている」と書き込んだことも気掛かり。続報などにも要注意だ。

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そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.20-112.20円。ドル高・円安方向は、昨日高値の112.15円や、それに極めて近いフィボナッチの観点から見た抵抗である112.25円レベルの攻防にまずは注目。上抜ければ112.60円、113円前後などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値である111.50-55円、昨日NY安値の111.40円レベルなどがサポートか。ほかにも、111円台は移動平均や一目均衡表などのテクニカルポイントが多く底堅そう。

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