円 6/6高値超え、11/6天井後のリバウンドに類似(6/12)

6月6日高値を上抜いたことにより、5月30日安値からの上昇は二段上げ型へ発展した。

円 6/6高値超え、11/6天井後のリバウンドに類似(6/12)

【概況】

5月21日高値111.39円からの下落は5月29日安値108.11円で下げ一服となり、その後はリバウンド入りしてきたが、6月6日高値110.26円でそれまでの下げ幅に対する3分の2戻し(110.29円)を概ね達成、週後半はG7や6月12日の米朝首脳会談、14日未明のFOMC声明、14日夜のECB理事会と重要イベントが続くことを意識して戻り売りとなり、8日には109.19円まで下げた。下げ幅は1.10円幅であり、6月7日へのリバウンド幅の凡そ半値押しを実現したところだった。

G7の共同宣言をトランプ大統領が承認しないとし、自動車関税拡大姿勢を示してシンガポールに旅立ったことで、週明けは貿易戦争リスク、米国とその他G6の対立等への懸念が強まるかと思われたが、取引再開当初の早朝にやや下げただけでその後は上昇入り、午後には110円に到達した。
12日早朝までは110円を挟んだ揉み合いだったが、7時過ぎからは円安が進み始めて110.49円まで上昇、6月7日高値110.26円を超えてきた。12日10時からの米朝首脳会談、17時からのトランプ大統領記者会見を控える中で会談成功によるドル高期待がやや先行したと思われる。

【5月30日からの戻りが二段目に入る】

6月6日高値を上抜いたことにより、5月30日安値からの上昇は二段上げ型へ発展した。既に6月6日高値時点で5月21日からの下げに対する半値戻し、3分の2戻しを実現しているため、米朝首脳会談成功、FOMCやECB理事会等でドル高が進むようなら、全値戻しで5月21日高値111.39円を試す可能性が出てきた。
5月30日安値から6月7日高値への上昇幅は2.15円幅であり、これを6月8日安値109.18円に加算するとN計算値は111.33円となる。また6月8日安値への下げ幅の倍返しだとV=111.34円となり、いずれも5月21日高値に迫る水準を示唆する。

概ね5か月から6か月周期の高値・安値形成のサイクルで見れば、3月26日安値でサイクルの底をつけて上昇したが、昨年11月6日天井から6か月を経過した5月21日高値でサイクルの天井をつけた可能性がある。この観点からは、6月8日から現在への上昇は5月21日高値を上抜けないでダブル天井を形成するところまでと考えられるが、もちろん、情勢変化により高値を更新すれば基本的なサイクルを超えて上昇を継続する可能性も出てくるところだ。
因みに前回のサイクルトップであった昨年11月6日高値の後は、11月27日へ3.88円幅下落した後のリバウンドで12月12日まで2週間、2.90円幅、率にして下落幅の74.7%を戻したが、高値更新に至らずに下落に転じている。今回のリバウンドを昨年12月12日へのリバウンド並と仮定すると、同率の戻しなら110.55円、同値幅の戻しなら111.01円と計算される。110.50円前後が最初の関門となるが、さらに超えてくる場合は111円台乗せ、上記の111.30円台等5月21日高値に迫る水準へ戻す可能性が高まると考えるべきだろう。

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

60分足の一目均衡表では11日午後への上昇で先行スパンを突破、遅行スパンも好転している。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、高値更新がストップすると遅行スパンは悪化しやすくなる点に注意する。遅行スパン悪化からは目先の戻り一巡としていったん先行スパンを上回る状況を維持できるかどうかを試すとみる。さらに先行スパン転落からは下落期入りと考える。

60分足の相対力指数は6月8日への下落で20ポイント台まで突っ込んでから切り返している。11日は60ポイント台に留まったが、12日午前の上昇で70ポイント台後半へ大幅上昇しているため、やや買われ過ぎとなっているが、まだ弱気逆行等は見られていない。いったん小調整を入れても50ポイント台を維持して高値更新へ進む可能性があるので、その際は弱気逆行(相場が高値を更新しても指数のピークが切り下がる)の発生に注意する。また50ポイント割れを切り返せなくなる下落発生の場合は下げ再開を疑う。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、6月8日安値でサイクルボトムをつけて上昇期に入ったと思われる。6月7日早朝高値を基準として今回の高値形成期を12日朝から14日朝にかけての間と想定する。7日早朝高値からは既に3日を経過しているので反落注意の時間帯に入っているので、110円割れへと崩れるか、直近の高値から0.50円以上の下げとなる場合はいったん弱気サイクル入りとなる可能性を考える。その場合は13日から15日にかけての間への下落を想定し、FOMC後に反騰なら新たな強気サイクル入りとするが、続落基調ならECB理事会反応待ちとなってゆくと考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、110.50円台を抵抗、110.25円を支持線とみておく。
(2)110.25円を上回る内は高値試しが続くと仮定し、110.50円台を超える場合は111円を目指す上昇を想定する。111円以上は反落警戒とみるが、110.25円を上回る内は上昇再開、高値更新余地ありとみる。
(3)110.25円割れを切り返す内は110.40円超えからの上昇再開の可能性ありだが、続落の場合は110円前後試しを想定する。また短期的な弱気サイクル入りの可能性を踏まえて109.85円から109.65円にかけての間への下落を想定する。110円割れの状況が続く場合は13日の日中も安値を試しやすいとし、下値目処も109.50円割れまで切り下がる可能性ありとみる。(9:40執筆)

【当面の主な予定】

6/11(月)
オーストラリア シドニー市場休場(女王誕生日)
08:50 (日) 4月 機械受注 前月比 (3月 -3.9%、予想 2.4%)
08:50 (日) 4月 機械受注 前年比 (3月 -2.4%、予想 3.8%)
16:00 (ト) 1-3月期 四半期GDP 前年比 (前期 7.3%、予想 7.0%)
17:30 (英) 4月 貿易収支 (3月 -122.87億ポンド、予想 -114.00億ポンド)
17:30 (英) 4月 鉱工業生産 前月比 (3月 0.1%、予想 0.1%)

6/12(火)
米朝首脳会談
未 定 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
08:50 (日) 4-6月期 四半期・大企業業況判断指数(BSI)(前期 3.3)
08:50 (日) 5月 国内企業物価指数 前年比 (4月 2.0%、予想 2.1%)
10:30 (豪) 5月 NAB企業景況感指数 (4月 21 )
17:30 (英) 4月 失業率(ILO方式) (3月 4.2%、予想 4.2%)
18:00 (独) 6月 ZEW景況期待指数 (5月 -8.2、予想 -14.0)
21:30 (米) 5月 消費者物価指数 前月比 (4月 0.2%、予想 0.2%)
21:30 (米) 5月 消費者物価指数 前年比 (4月 2.5%、予想 2.7%)
21:30 (米) 5月 消費者物価コア指数 前月比 (4月 0.1%、予想 0.2%)
21:30 (米) 5月 消費者物価コア指数 前年比 (4月 2.1%、予想 2.2%)
27:00 (米) 5月 月次財政収支 (4月 2143億ドル、予想 -1270億ドル)

6/13(水)
17:30 (英) 5月 消費者物価指数 前月比 (4月 0.4%、予想 0.4%)
17:30 (英) 5月 消費者物価指数 前年比 (4月 2.4%、予想 2.4%)
17:30 (英) 5月 生産者物価コア指数 前年比 (4月 2.4%、予想 2.5%)
18:00 (欧) 4月 鉱工業生産 前月比 (3月 0.5%、予想 -0.7%)
21:30 (米) 5月 生産者物価指数 前月比 (4月 0.1%、予想 0.3%)
21:30 (米) 5月 生産者物価指数 前年比 (4月 2.6%、予想 2.8%)
21:30 (米) 5月 生産者物価コア指数 前月比 (4月 0.2%、予想 0.2%)
21:30 (米) 5月 生産者物価コア指数 前年比 (4月 2.3%、予想 2.3%)
27:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利 (現行 1.50-1.75%、予想 1.75-2.00%)
27:30 (米) パウエル米FRB議長、定例記者会見

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