ドル高の調整局面、上値の重い展開か(5/24夕)

24日の東京市場は、ドル安・円高。前日に続き「寄り付き高・大引け安」に近い値動きで、ザラ場ベースでは109.30-35円まで下落し、

ドル高の調整局面、上値の重い展開か(5/24夕)

<< 東京市場の動き >>

24日の東京市場は、ドル安・円高。前日に続き「寄り付き高・大引け安」に近い値動きで、ザラ場ベースでは109.30-35円まで下落し、直近安値を更新する局面も観測されていた。

ドル/円相場は、寄り付いた110.05-10円を日中高値に弱含み。過熱感の乏しいまま、ドルのじり安、緩やかな下降を続けると、夕方には日中安値である109.30-35円まで値を下げた。前日比68円安で寄り付いた日経平均株価が、一時下げ幅を300円以上まで拡大させたことが嫌気され、リスク回避の動きにつながっていた面もあったようだ。
そののち、やや小戻したものの上値は重く、16時時点では109.50-55円のドル安値圏で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、本日も「北朝鮮情勢」。前日にトランプ米大統領から「米朝首脳会談、開催されるか来週明らかに」との発言が聞かれるなか、韓国メディア「北が今日にも核実験場廃棄、ただ生中継は許可されず」、時事通信「国連安保理、首脳会談に際し北代表団のシンガポール渡航を容認」、聯合ニュース「韓国高官、南北閣僚級会談の再提案検討を示唆」、朝鮮中央通信「北外務次官、米朝首脳会談の再考提起の意思をコメント」−−といった報道が別に観測されていた。
また、前橋で講演を行った桜井日銀委員から「必要に応じ最適な政策を予断持たず検討していくべき」「現在の緩和をある程度続けないといけない」との発言が聞かれていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ついにと言うべきなのか、ようやくと言うべきか、ともかくドル/円に大きな調整らしい調整が観測されている。先日レポートしたように、3月26日安値104.58円を記録したのちの展開はというと、目先高値から最大でも1.4円ほどの下押しに留まってきたものの、今回はすでに2円を超える下落で、様相の変化は否めない。また、テクニカルには、形成していた「上昇チャンネルライン」の下限をNYクローズで割り込んできたことも、気になるところだろう。ちなみに、先で取り上げたドル安値104.58円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%押しは108.80円となり、まずは同レベルの攻防が注目されそうだ。
一方、材料的にも、発表される経済指標を背景とした米ファンダメンタルズなどに要注意。昨日発表された5月の製造業PMIは予想を上回った反面、4月の新築住宅販売件数は逆に予想を下回るなど斑模様が続いているだけに、米株高の一端を担ってきた米景気回復に疑念が抱かれるようだと、地合いから見てドルの弱材料となりかねないかもしれない。

何度か指摘したように、テクニカルに見た場合、3月26日に安値を記録した後の展開は、一本調子ともいえるドル高の進行で、綺麗な「上昇チャンネル」を形成してきた。そんなチャンネルの下限は昨日110.35円レベルに位置していたが、NYクローズで「しっかり」と割り込んでいる。基調が変化したとまでは言わないが、短期的にはようやく本格的な調整局面入りを暗示させる要因と言えそうだ。
そんなドルの下値メドはフィボナッチの観点から見た108.80円レベルで、少し下には5月4日安値の108.65円が位置している。そのあたりの攻防に注意を払いたい。

一方、材料的に見た場合、4月中古住宅販売件数をはじめ幾つかの米経済指標が発表されるほか、米財務省による7年債入札、ダドリーNY連銀総裁やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁などの講演が実施される見込みだ。
そのほか、韓国メディアに報道によると「本日中」とされる北朝鮮による核実験場廃棄にともなう動きや、6月1日の期限切れが迫りつつある「米輸入関税」をめぐる動きなどにも要注意。なお、後者に関してはマルムストローム欧州委員が記者会見で、「米国がEUへの適用除外を延長しないと示唆している」と述べるなど、今後米欧の貿易問題が再びクローズアップされる可能性も取り沙汰されていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.80-110.00円。ドル高・円安方向は、現在絡む値動きとなっている109.60-65円に位置する移動平均の25日線をめぐる攻防にまずは注目。しっかりと回復すれば、110円レベルが再び視界内に捉えられそうだ
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の基準線が位置する109.25-30円が最初サポートか。割り込むようだと109円台割れも否定出来ず、108.80円や108.65円などがターゲットに。(了)

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