米英仏がシリア攻撃、再び円買いに傾斜も!?(4月第3週)

先週のドル/円相場もドル高・円安。週足チャートは3週続けての陽線引けとなった。週のザラ場ベースでは107.78円を記録し、直近の戻り高値を更新する局面も観測されている。

米英仏がシリア攻撃、再び円買いに傾斜も!?(4月第3週)

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先週のドル/円相場もドル高・円安。週足チャートは3週続けての陽線引けとなった。週のザラ場ベースでは107.78円を記録し、直近の戻り高値を更新する局面も観測されている。

前週末にWSJ紙が報じた「米政権、輸入車のみ環境規制強化を検討」とのニュースが材料に、早朝の時間外取引では、やや円高に振れる局面も観測されたが、寄り付きは前週末のNYクローズに近い106.90-95円。その後しばらくは、107円を挟んだ上下動、106.60-107.40円程度の揉み合いとなった。
しかし、週末にかけて形成していたレンジの上限を上抜けると、週高値である107.78円まで一気に上昇している。ただ、高値を記録後ドルは再び軟化、週末NYは107.35-40円とやや小緩んだ水準で取引を終え、越週となった。

一方、週間を通して注目された材料は大きく2つ。前週まで波乱要因となっていた「米中貿易戦争懸念」が落ち着きを取り戻すなか、「シリア問題」と「米TPP復帰観測」が新たな波乱要因となっていたようだ。
ちなみに前者については、週半ばの11日に欧州航空航法安全機構から「シリア空爆の可能性、航空会社に警告」との報道や「今後72時間以内にシリア空爆が行われる可能性」といった噂などが取り沙汰されたほか、その後もBBCが「英首相、シリアへの軍事行動承認の構え」、ホワイトハウスから「米英首脳、電話会談でシリアへの共同の対応を協議」との発表がなされるなど、連日の関連報道にマーケットは一喜一憂している。対する後者は、週末にかけ、トランプ米大統領から「TPP復帰を示唆」する発言が聞かれ、ドルの買い材料となっていた感を否めない。

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「米中貿易戦争懸念」に代わり、マーケットの関心を集めてきた「シリア情勢」だが、先週末に懸けてはや楽観論が優勢となっていた。
しかし週末14日には、そうした楽観論に冷や水を浴びせるように「米英仏がシリア攻撃」に踏み切ったことが明らかに。週明け以降、先週の反動ともいえる「リスク回避」の円買いに再び傾斜しても不思議はないだろう。また、それ以外でも、やはり先週末に発表された米財務省の半期為替報告書で「日本を引き続き監視リストに指定」したことが明らかになったうえ、今週17−18日に開催される日米首脳会談で貿易問題がクローズアップされる公算も取り沙汰されるなど、材料的には再び円高方向への動きが強まる可能性もありそうだ。先週安値である106.60円レベルを割り込むようだと、なし崩し的なドル安進行も否定出来なくなる。

テクニカルに見た場合、過去1週間ほどのレンジであった106.60-107.50円の上限を一時上抜けたものの、週末のNYクローズでは押し戻されてきた。また、年初来高値113.39円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しである107.95円には、週のザラ場ベースでも届かず。ドルの上値は重いと言わざるを得ない状況だ。
そうしたなか、週末の「米独仏によるシリア攻撃」報道などもあり、先週末段階で107.15-20円に位置する一目均衡表の雲の下限を下回ってくるようだと、再びドルの下値余地が広がりかねない。また、一目の雲の下限ならびに、やはり先週末段階で106.35-40円に位置する移動平均の25日線をめぐる攻防にも一応要注意。

一方、材料的に見た場合、今週は注目要因が目白押し。たとえば、4月のNY連銀製造業景況指数や3月の住宅着工件数をはじめとする重要な米経済指標の発表が予定されているほか、アトランタ連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁、FRB副議長による講演や議会証言などが連日のように実施される見込みだ。
また、それ以外でも前述したように17-18日の予定で「日米首脳会談」が開催されるうえ、週末にはG20財務相・中銀総裁会議、バンカメやゴールドマンサックスをはじめとする米企業の決算発表も相次ぐ。それらもマーケットの波乱要因として十分に注意を払いたい。

そんな今週のドル/円予想レンジは、106.00-108.50円。ドル高・円安については、まず先週高値である107.78円の攻防が注目され、抜ければフィボナッチの観点で上値メドとなる107.95円、あるいは108円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末段階で107.15-20円に位置し、今週末には106.80円台まで値を下げてくる一目の雲の下限が最初のサポートに。下回っても、日足チャートでは一目、移動平均とも106円台のサポートは多く底堅いイメージもあるが、果たして!?(了)

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