円 引き続き米中貿易戦争注視 株価も要注意(4月第2週)

先週のドル/円相場もドル高・円安。週足チャートは2週続けての陽線引けに。週のザラ場ベースでは2月28日以来となる高値を記録したものの、

円 引き続き米中貿易戦争注視 株価も要注意(4月第2週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場もドル高・円安。週足チャートは2週続けての陽線引けに。週のザラ場ベースでは2月28日以来となる高値を記録したものの、週末にかけてはやや値を崩しており、それほどドルの強さも感じられなかった。

前週末のイースター(グッドフライデー)に継ぐ、イースターマンデーで豪州やNZ、香港市場が休場となったこともあり、週明けの為替市場は静かなスタート。106.15円レベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合うも、NYダウの大幅安もあり為替も連れ安、105.66円の週間安値を記録している。
その後は、紆余曲折を経ながら、ドルは107円半ばの高値を示現したが勢いは続かず。発表された注目の米雇用統計は予想外の数字、期待外れの内容にもかかわらず当初為替は底堅く推移したが、NYダウが一時767ドルもの大幅安をたどったことなどが嫌気されると107円割れ、週末NYは106.90-95円で取引を終え、越週している。

一方、週間を通して注目された材料は大きく2つ。ひとつは、先でも指摘した「NYダウを中心とした株価の動き」で、もうひとつは、その株価の動きにも多大な影響を及ぼした「米中貿易戦争問題」になる。
後者に関しては、週の初めにCNBCが「米政権幹部、対中制裁『報復合戦』を否定」、またロス米商務長官も「交渉で対中制裁回避も」−−と発言したと報じられ、楽観論を醸成させる一因となっていたようだ。しかし、その反面、「中国が対米報復関税を世界貿易機関(WTO)に正式通知」したことが明らかになるなか、新華社通信は「中国が輸入関税に関して、米製品への同規模の相互措置を計画している」と報道、さらに週末には「トランプ米大統領が、通商代表部(USTR)に中国への追加関税必要か検討するよう指示」との報道が観測され、楽観と悲観を繰り返すなか、最終的には「悲観論」が優勢でドルの上値を抑制していた感は否めない。

<< 今週の見通し >>

マーケットでは、依然として「米中貿易戦争」が市場動意を左右する重要な材料になっているようだ。先週末の動きを見ると、以前よりは打たれ強くなっているというか、市場の反応も鈍くなっている感を否めないが、引き続き予断は許さない。確かに、米国と中国ともに「対話交渉」への歩み寄り余地を示唆しており、どこかで妥協点が見いだされる可能性は否定出来ないものの、あまりに楽観視することは危険である気がしないでもない。
なお、テクニカルには、週のザラ場ベースで何度か上抜けていた一目均衡表の先行帯の雲の下限(先週末107.20-25円に位置)だが、週末NYクローズでは維持することが出来なかった。今週も、引き続き一目の雲の下限がドルの抵抗として寄与するのかどうか、そのあたりの動きには十分に注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、リスクという点ではドル高有利であるものの、上値も重そう。日足の一目均衡表の先行帯の雲の下限がドルの抵抗として寄与した格好で、今週もその攻防には要注意。ちなみに、今週はおおむね107.10-20円レベルに位置するが、来週にかけては106.90円レベルへと小幅に水準を切り下げてくる。ドルの強気派としては、是非ともしっかりと上抜ける展開を期待したいところだ。
そんなドルは、一目の雲の下限を回復した場合、次の上値メドがフィボナッチの観点で見た年初来高値を起点とした下げ幅の38.2%戻しに当たる107.95円レベルとなる。

一方、材料的に見た場合、3月の消費者物価指数をはじめ幾つかの米経済指標の発表が予定されているものの、先週発表された雇用統計ほど重要な指標はない。そうした意味では、若干動きにくい雰囲気も。
しかし、FOMC議事録公開や、カプラン・ダラス連銀総裁の講演などが予定されており、そちらにはしっかりと注意を払いたい。米中を中心とした貿易戦争懸念による経済打撃や株式市場の混乱などもあり、利上げペースへの慎重姿勢がうかがえるようなら、ドルの上値抑制やドル安要因となりかねないだろう。また、「貿易戦争懸念による経済打撃」という視点でいえば、発表される米企業の決算も一応要注意。

そんな今週のドル/円予想レンジは、105.50-108.00円。ドル高・円安については、しっかりと超えることのできなかった一目均衡表の雲の下限の攻防が注目されている。ザラ場ベースの動きはもちろん、NYクローズで超えることが出来るのか否かにも要注意だ。しっかり超えれば、フィボナッチの観点で上値メドとなる107.95円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末安値にも近い106.70円前後に弱いサポートがあるほか、日足の一目や移動平均で106円前半に複数のテクニカルポイントが存在している。割り込めば当然106円割れを考える必要があるだろう。(了)

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