<< 東京市場の動き >>
週明け19日の東京市場は、ややドル安・円高。ただ、105円台では底堅く、ドルが大崩れすることはなかった。むしろ底堅さを感じさせてもいる。
ドル/円は105.90円レベルで寄り付いたのち、当初はドルが小高い。日中高値の106.15円レベルまで一時値を上げた。
しかし、ドル高は続かず、流れはスグに反転。日経平均株価が300円以上下落するなど、当初より下げ幅を拡大させたことが嫌気され、為替もじりじりと値を崩すと先週末安値(105.60円)をうかがう105.65-70円まで下落し、その後は105.60-90円での揉み合いとなった。16時時点では105.75-80円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「森友問題」と「北朝鮮情勢」。前者については、朝日新聞が最新世論の結果として「内閣支持率31%、第2次政権以降で最低」と報じるなか、国会で文書改ざんに関する集中審議が実施され、安倍首相から「わたしや妻が関わっていないことは明らか」とする発言が聞かれていた。
対して後者は、韓国外務省が「米朝韓の当局者ら、ヘルシンキで非公式会合へ」と発表したほか、聯合ニュースは「20日、延期していた米韓合同軍事演習の日程発表」と報じている。そのほか、前日実施されたロシア大統領選について、出口調査の結果として「プーチン氏の再選確実、得票率は7割超か」との報道も。
<< 欧米市場の見通し >>
テクニカル、材料面、需給要因のいずれをみてもドル安・円高方向へのリスクが高そう。しかし、確かにドルの上値は重いものの、下値も攻め切れない状況が続いている。そうした意味では、若干方向性を欠いている感も否めない。
また、先でテクニカルなどの3要素すべてにおいて「円高リスクが高い」と指摘したが、それぞれに気になる要因が台頭している。たとえばテクニカルでは、日柄面に着目した場合、下落期間もすでに2ヵ月を超えドルの下値余地がさほど大きくないと見られるほか、需給要因も過去の年度末を調べてみると本邦勢のリパトリエーションなどはおおむね終了か、それに近い環境にある公算が大きい。さらなるドル下値追いにも一応の注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、再び105.24円の年初来安値が視界内に捉えられているものの、チャートの形状はやや微妙。2月16日安値105.55円と年初来安値105.24円、そして今回でトリプルボトムとも考えられるためで、確かであればこれはドル反発のサインとなる。目先はともかく、やや長い目で見た場合、ドルはいよいよ本格的な回復軌道をたどる可能性もありそうだ。
とは言え、そのためには少なくともドルは年初来安値前後で下げ止まる必要があるうえ、長らくドルの上値を抑制している移動平均25日線(本日は106.55-60円)をNYクローズベースでしっかりと上回りたい。
一方、材料的に見た場合、目立った米経済指標の発表などは予定されていないものの、ボスティック・アトランタ連銀総裁講演や、20日までの日程でG20財務相・中銀総裁会議が実施される見込みとなっている。
なかでもG20は、米国発の貿易戦争や通貨切り下げに対して活発な議論がなされるもようで、国際的に協調し封じ込める策が打ち出せるか否かが最大のポイントに。逆に保護貿易への懸念が弱いトーンに終始するようだと、マーケットに失望感が広がり、再び円買い圧力を高めることにもなりかねない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.20-106.40円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である106.15円レベルが最初の抵抗で、抜ければ一目均衡表の転換線(106.35-40円)、25日線の位置する106.55-60円などを目指す展開となりそうだ。
対するドル安・円高方向は、先週末安値である105.60円前後の攻防にまず注視。抜ければ105.24円の年初来安値が名実ともターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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