<< 東京市場の動き >>
週明け5日の東京市場は、105円半ばを挟んだ揉み合い。終日を通した値幅も40ポイントには届かず、明確な方向性もうかがえなかった。
ドル/円は、前週末のNYクローズよりやや円高の105.45-50円で寄り付いた。週末に伝えられたドイツ政治情勢、「メルケル政権発足が確実」になったことが好感された反面、イタリア総選挙の出口調査の結果として「ハングパーラメント(与野党3陣営のいずれもが過半数に届かない)見通し」と報じられたことが嫌気され、リスク回避の動きに繋がっていた面もあったという。
ただ、東京時間全般を通し、レンジを抜けていくほどの勢いはなし。日経平均株価が4日連続の139円安で引けたものの影響は限定的で、105円半ばを中心としたボックス相場に終始した。16時時点では105.45-50円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、前述した「2つの欧州情勢」。それを除くと、「幾つかの要人発言」が話題に。その多くは、日本サイドからで、たとえば安倍首相は「まだデフレから脱却とまでは言える状況ではない」、麻生財務相「今後とも金融緩和を着実にやってもらいたい」、若田部日銀副総裁候補「必要なら追加緩和を提案する」−−などといった発言が聞かれていた。
また、米国サイドからは、トランプ米大統領が自身のツイッターに「友好国も敵対国も米国につけ込んできた」と書き込み、輸入制限に改めて強い意欲を示していたという。
<< 欧米市場の見通し >>
東京時間はややドルの底堅さもうかがえる値動き。少なくとも、先週記録した年初来安値105.24円を更新する局面は見送られたが、リスクとしては依然としてドル安方向にバイアスがかかることは間違いない。以前よりは相関性が薄れたとはいえ、株安という懸念要因はくすぶっており、このあとの欧米市場についても株価の動きは非常に気掛かりだ。実際、本稿執筆時にNYダウの先物は前週末比100ドル安程度で推移している。株安進行で、リスク回避の円買いがさらに強まる可能性も否定出来ない。
ただ、年初来高値からと考えても、ドル安・円高傾向はすでに2ヵ月、価格的には8円を超える下落だ。長いタームは別にして、短期的にはそろそろしっかりした調整局面入りしても不思議はないだろう。一時的な戻りにも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドルの上値は確実に切り下がっており、107円でさえかなり遠くなった印象がある。目先的には106円前後がかなり重そうで、実際にロング筋からの戻り売りオーダーも積み上がってきているという。上値メドは、まず106円レベルか。
それに対する下値メドは、取り敢えず年初来安値の105.24円、心理サポートの105円レベルなど。ただ、問題はそれらを割り込んだ場合。しばらく104円台での推移がなく、テクニカル的には空白地帯に近いだけに、なし崩し的なドル安進行にも一応要注意だろう。
一方、材料的に見た場合、2月の総合PMI確報や同ISM非製造業総合指数など、幾つかの米経済指標の発表や、クオールズFRB副議長の講演などが実施される予定となっている。それらにはもちろん注意を払いたい。
そのほかでは、韓国特使が北朝鮮を訪問するなか、金委員長との会談の有無ならびに実施されるとしたら、その内容に対する関心が高いようだ。また、先週からの継続案件である「米国の鉄鋼、アルミニウムの輸入制限」絡みも要注意。ちなみに、自民党の河井総裁外交特別補佐が本日から5日間の日程で訪米する見込みで、「輸入制限」についても米要人と話が行われる可能性も指摘されていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、104.70-106.00円。ドル高・円安方向は、105.70-80円、106円レベルなどが抵抗で、抜けても106円半ばなど上方向には抵抗が多い。
対するドル安・円高方向は、年初来安値の105.24円、心理サポートの105円レベルなどの攻防にまずは注視。割り込めば、104円台に「これ」といったサポートが見当たらないのが気掛かり。(了)
オーダー/ポジション状況
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