ドル円 世界連鎖株安拡大でリスクオフの円高(3/2)

トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を表明したことで1日のNY株式市場では自動車関連株が急落、

ドル円 世界連鎖株安拡大でリスクオフの円高(3/2)

【概況】

2月27日夜のパウエル米連銀議長の米下院議会証言をきっかけに米連銀の利上げペースが加速する可能性ありとして107.67円まで上昇したが、同時にNYダウが反落、株安不安も発生したために28日は反落した。3月1日午前に106.54円まで下げた後はリバウンドを入れて1日深夜には107.20円まで戻したのだが、NYダウが再び大幅下落となったために米長期金利が低下してドル安となり、リスク回避感から円が買われ、2日早朝には106.07円まで下げた。106円割れはひとまず回避しているが2日の日経平均も大幅下落しており、今晩の欧米株式市場がさらに続落となる場合にはリスク回避感による円買い戻し、米長期債の買い戻しによる長期債利回り低下から円高ドル安が進む可能性も懸念される。

【株安リスクと米連銀の利上げペース加速の是非】

トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を表明したことで1日のNY株式市場では自動車関連株が急落、貿易摩擦拡大による米景気への悪影響が懸念され、米連銀の利上げペース加速懸念によって下げていた流れがさらに助長され、NYダウは420.22ドル安、ナスダック総合指数も92.45ポイント安の大幅下落となった。
NYダウは2月9日にかけて前日比1000ドル安を超える下落を二度入れて1月26日高値からは凡そ12%安、3256ドル安の暴落となった。しかしその後は反騰に転じて暴落幅の半値以上を解消、2月27日には25800.35ドルまで戻していた。そこへ27日のパウエル議長議会証言による利上げペース加速懸念が発生したため、27日に299.24ドル安、28日に380.83ドル安と反落した。そこへ鉄鋼輸入制限問題が加わって1日は420.22ドル安と3日間の大幅続落となっている。日足は3本連続の大陰線=三羽烏となった。

日経平均も2月14日から暴落一服で戻していたが、28日は321.62円安と崩れ、1日も343.77円安と大幅続落した。2日の前場も500円を超える大幅続落で開始している。
欧州株も下落しており、週末にはイタリア総選挙やドイツ大連立政権樹立への関門となるSPDの党員投票結果発表があり、政治不安感が重石となっている。

トランプショックをトランプラリーに転じて大上昇してきた世界株高もここにきて変調を示唆する暴落的な下げを入れ始めていることはリスク回避感を助長する。米連銀の利上げペース加速感から米長期金利は上昇、債券は売られてきたが、株安となれば債券買いも復調して長期金利上昇が抑えられる可能性もある。米連銀は2016年に当初4回の利上げ姿勢だったところ、1月の中国株暴落をきっかけとした世界連鎖株安等から追加利上げを見送り続けて結局2016年12月の1回しか利上げできなかった前例もある。
来週末には米雇用統計等重要指標の発表も相次ぐ。株安が落ちつき、米経済指標が強ければ3月20日、21日の米FOMCにおける利上げペース加速示唆の可能性も高まるが、株安が続き、米経済指標もさほど強くないということになると、株暴落をさらに拡大させる引き金となるような利上げペースの加速が手控えられるかもしれない。

【2月16日安値から戻したが安値圏に留まる】

ドル円は2月16日安値105.546円から2月21日高値107.90円まで戻したが、27日深夜の戻り高値は切り下がり、3月2日未明への下落で2月26日安値も割り込んだため、2月21日からの下落は二段下げ型へ進み始めている。2月16日安値105.546円割れ回避の内は横ばい持ち合いに留まる可能性があるが、割り込む場合は概ね5か月周期での底打ちを実現できず、より中長期的な円高ドル安の波に圧されてゆく可能性が懸念される。
因みに2016年12月天井から2017年4月17日底への下落幅は10.54円幅であったが、それを昨年11月6日高値から現在への下落に当てはめると下値計算値は104.18円となる。2月16日安値割れの場合は104円前後試しの可能性も念頭に入れて置き、中勢レベルの強気回復は2月21日高値を超えるところからと考えたい。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では2月28日夜の下落で先行スパンから転落し、1日深夜への上昇では先行スパンを上抜きかけたが失敗して再び転落となっている。遅行スパンも悪化状態が続いている。このため、遅行スパン悪化中は安値試しを優先し、遅行スパン好転の場合は先行スパン下限を戻り抵抗と考える。強気回復には先行スパンを上抜き返す必要がある。

60分足の相対力指数は1日深夜に60ポイントまで上昇したが、その後の反落で30ポイントまで下落して1日未明時点の水準を割り込んできているため、50ポイント台を回復、維持する上昇へ進めない内は安値試し優先とし、20ポイント前後への下落の可能性も警戒する。

概ね3日から5日周期の短期的高値・安値形成サイクルでは、21日昼と22日未明高値をミニダブルトップとし、26日安値をボトムとして上昇したが、27日深夜高値でサイクルトップをつけて新たな下落期に入った。今回の安値形成期は3月1日の日中から5日にかけての間と想定されるが、26日昼安値から3日目となる3月1日午前安値からいったん戻してから安値を更新しているため、1日午前安値を直近のサイクルボトム、1日深夜高値を同サイクルトップとした新たな弱気サイクル入りの可能性も考えられる。このため、1日深夜高値107.20円を上抜けない内は安値試し優先とし、週末週明け早々に反騰入りする場合はボトムをつけて上昇期入りの可能性を考えるが、続落基調の場合は1日午前安値を起点として6日から8日にかけての間へと安値形成期が長引くと想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、106.00円から105.90円までを支持線、106.50円を抵抗線とみておく。
(2)106.50円以上を回復、維持へと進めない内は下落継続警戒とし、105.90円割れの場合は2月16日安値105.546円試しを想定する。さらに底割れの場合は105円前後試しを想定する。105円以下は突っ込み警戒、反騰注意とするが、106円以下での推移中は週明けの続落警戒とする。
(3)106.50円超え、維持へと戻す場合は先行スパン下限のある106.80円前後試しとその後の反落警戒とするが、107円到達の場合は直前安値をボトムとした強気サイクル入りの可能性を優先して週明けの107円台半ば試しを想定する。
※世界連鎖株安はNYダウがブレーキとなって反騰入りする可能性があるが、週末のNYダウも続落となる場合は週明けへより深刻な株安状況、リスク回避的市場動向となる可能性があると注意する。(了)<10:10執筆>

【当面の主な予定】

3/2(金)
19:00 (欧) 1月 生産者物価指数 前月比 (12月 0.2%、予想 0.4%)
19:00 (欧) 1月 生産者物価指数 前年比 (12月 2.2%、予想 1.6%)
24:00 (米) 2月 ミシガン大学消費者信頼感指数 確報 (速報 99.9、予想 98.0)

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