FOMC議事録公開後為替,株乱高下 長期金利上昇
21日の海外時間、金融市場は終盤にかけて荒れ模様の展開となりました。
注目されたFOMC議事録では経済成長の加速で追加利上げの可能性は高まっているとの判断が過半を占めたものの、インフレに関しては引き続き2%の目標への未達リスクがあるとの内容で、全般的には新味に欠けるものでした。
議事録発表直後は思ったほど内容がタカ派ではないと受け取られたことから、金融市場は一旦ドル売り株買いで反応、ドル円は107.29、ユーロドルは1.2357のドル安値をつけ、NYダウは25,267ドルまで上昇しました。しかし、利上げペース加速への警戒感から間もなく債券市場で下げ渋った長期金利が上昇を始めると、為替はドル買いに、米株も下げに転じました。
その後も長期金利は上昇を続け、米国債10年物利回りが一時約4年ぶりに2.95%に達し最近の水準を更新するとドルは一段高となり、ドル円は107.87まで上昇、ユーロドルは1.23を割り、一方NYダウは当日の上昇分をすべて失って25,000ドルを割り込むなど、金融市場は全般的に荒れ模様の展開となっています。
結局NYダウは前日比166ドル下げて24,797.78で終了、東京時間6:30現在ドル円は107.70ユーロドル1.2287レベルで取引されています。
議事録発表後3月のFOMCでの米利上げ確率は前日の81.7%から86%に上昇していますが、今年3回の利上げ確率も35.6%から37.2%に上昇し、引き続き4回の利上げ確率22.7%に覆される状況ではありません。
今回の議事録は2月の雇用統計とその後の株式市場の混乱は反映されていません。その意味では来週28日に予定されているパウエル新FRB議長による議会証言がより重要と市場は見ており、議会証言への思惑で株式、為替市場は当面不安定な状況が継続しそうです。
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