<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場は、ドル高・円安。一時108円近くまで値を上げるなどドルの強さが目についたが結局届かず、終盤はむしろ上げ渋りの様相も。
ドル/円は寄り付いた107.30円レベルを日中安値にドルがしっかり。緩やかな右肩上がりをたどると、昼ごろには108円近くまで値を上げる局面も観測されていた。
しかし、接近はしたものの結局108円を超えられず、その後はやや上げ渋りの様相に。ドルは底堅い反面、上値も重く、107.65-90円といったレンジで強保ち合いとなった。16時時点では107.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、本日も「北朝鮮情勢」。ナウアート米国務省報道官から「パラリンピック後の軍事演習は計画通り実施する」との発言が聞かれたほか、米紙ワシントンポストが「五輪開会式にともなう米朝会談、直前に中止」と報じるなど、米朝間の緊張感が再び高まってきたことを懸念する声も聞かれていた。
そのほかでは、日経新聞が報じた浅川財務官インタビューにおける「円高は偏った動き」発言も、目新しさはなかったが円売り要因のひとつになっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
今月16日に記録した105.55円の年初来安値から、ドルは2円を超える戻りを達成している。わずか3-4日間の上昇にしては、なかなかスピードも速い。テクニカルには、2月高値110.48円を起点としたフィボナッチでは、下げ幅の38.2%戻しを上抜け、半値(50.0%)戻しである108円レベルも視界内に捉えられてきた感がある。
東京時間午後の動きをみると、ドル高はやや失速した感もあるが、基本はまだドルの戻り局面か。108円台の回復に向け、ドルの再上昇には注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、2月高値を起点としたフィボナッチでは前述したように38.2%戻しを上抜け、半値戻しをうかがう様相を呈している。そうしたなか、ザラ場ベースながら107.40-45円に位置する一目均衡表の転換線も超えてきた。リスクは引き続きドル高方向で、欧米時間にかけて108円台回復を試す局面があっても不思議はなさそうだ。
なお、足もとの動きは飽くまでも調整で、ドル安基調そのものは変化がないと思われるが、以前レポートしたように、2014年以降4年続で「年初を高値にドル安が進行、2月中旬までにボトムアウト」しており、今年も似た展開をたどっているところは若干気掛かり。
一方、材料的に見た場合、2月の製造業PMIや1月の中古住宅販売件数といった米経済指標発表のほか、FOMC議事録の公表も予定されている。また、米財務省による5年債入札やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁による講演など注目材料が少なくなく、内容如何では波乱もありそうだ。
また、ここのところは為替相場との関連性が乏しくなっているとはいえ、米株や米金利動向にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.20-108.40円。ドル高・円安方向は、本日東京高値に近いうえ、テクニカルポイントにもあたる108円レベルの攻防にまずは注視。抜けた場合には、フィボナッチの61.8%戻しや、一目均衡表の基準線などが位置する108円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値にあたる107.20円レベルが最初のサポートで、割り込めば再び106円台突入も否定出来ない。(了)
オーダー/ポジション状況
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