<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場は、ドル安・円高。昨年9月15日以来となる110円割れを達成、そのまま109.80円レベルの日中安値を記録している。
ドル/円は110.30円レベルで寄り付いたものの、前日NYの流れを継ぎ、ドル売り意欲が強い。結局、寄り付きよりもわずかに高い110.35円レベルを日中高値に、緩やかな右肩下がりをたどっている。
途中、テクニカルポイントなどにも合致した110.00-10円では下げ止まるも、底割れするとそのまま一気に日中最安値である109.80円へ。同レベルではさすがに下げ止まるも、すでに上値は重く110円回復がやっとだった。16時時点では110.00-05円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「北朝鮮情勢」。前日に朝鮮中央通信が「北朝鮮が五輪参加の撤退を示唆」と報じるなか、「米国と北朝鮮、スイス・ジュネーブで開催中の軍縮会議で応酬」、「北朝鮮、米の空母展開計画を強く非難」との報道、米CIA長官からは「北朝鮮は同時発射技術開発を進めるだろう」などといった発言が聞かれている。
そのほか、米紙ワシントンポストは「米特別捜査チーム、ロシア疑惑めぐりトランプ氏から聴取の意向」と報じており、一部で思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
黒田日銀総裁の発言があったとはいえ、昨日東京終盤に向けたドル高・円安の動きは見事なダマシとなった。実際、時間足など短期のチャートを見ると、昨日の東京時間16時ごろをピークに、以降は緩やかな右肩下がりをたどっていることがうかがえる。
心理的なフシ目である110円を「しっかり」下回ったかどうか、まだ微妙なところもあるものの、リスクという点ではドル安方向にバイアスがかかりそうだ。なお、110円を「しっかり」割り込んだとすれば、次の下値メドは昨年9月安値の107.32円となる。一朝一夕に107円台まで到達するとは思わないが、同レベルは過去1年に及ぶ大きなボックス圏の下限に当たることもあり、下抜けるようだと、ドルの下落余地が一段と広がりかねないだろう。
テクニカルに見た場合、一目均衡表の転換線が上値を阻んだ格好で、ドルは下落してきた感がある。ちなみに、その転換線は本日110.75円レベルに位置しており、このあとはドルの戻りのメドとして意識されそうだ。
対する下方向は、東京安値の109.80円レベルが最初のサポートで、下回るようだと昨年9月ドル安値107.32円を起点とした上げ幅の76.4%押しに当たる109.05-10円を目指す可能性もある。
一方、材料的に見た場合、1月の製造業や総合のPMI速報、12月の中古住宅販売件数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による5年債の入札が実施される予定となっており、それらにまずは要注意。
また、トランプ米大統領が緊急輸入制限(セーフガード)発動に踏み切ったこともあり、23日から始まっているNAFTA再交渉の行方がさらにクローズアップされてきた。大統領はかねてから「離脱も辞さない」などとした強硬姿勢を示しているだけ、予断は許さないだろう。また、世界からの要人が集まる、いわゆる「ダボス会議」における有力参加者の発言などにも引き続き注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.20-110.70円。ドル高・円安方向は、110.20-40円に弱い抵抗が位置しており、まずは同ゾーンの攻防を注視。抜ければ、先でも指摘した一目均衡表の転換線が位置する110.75円レベルを目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の109.80円レベルが最初のサポート。割り込めば、週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限などが位置する109.10円レベルがターゲットとなりそうだ。(了)
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