ドル円見通し 先週末安値割れ回避からやや戻す(1/23)

米上院は2月8日までの米連邦政府つなぎ予算案を可決、下院も可決した。トランプ大統領の署名を経て米政府機関閉鎖はいったん解除される。

ドル円見通し 先週末安値割れ回避からやや戻す(1/23)

【概要】

1月17日に110.19円まで下落したが110円割れをひとまず回避、18日未明の米地区連銀報告(ベージュブック)の内容が強かったことから18日には111.48円まで戻した。しかし112円台は遠く、週末の19日には110.49円まで下落して終了していた。
週明け22日は、110.50円割れを回避して下げ渋りとなった。米政府機関閉鎖解除の可能性が出たことで23日未明には111.22円まで戻したが一時的な上昇に止まり、その後は111円を割り込んで110円台後半での推移となっている。

【独連立協議とECB理事会、米つなぎ予算、日銀金融政策】

21日のドイツ社民党(SPD)臨時党大会がメルケル首相との大連立協議への賛同を決めたことで早朝にユーロが上昇したものの、先行きの連立協議は難航し、連立発足となってもメルケル首相の舵取りも難しくなるとして早朝高値からは伸びずに1.220ドル台での持合いに留まった。
25日にECB理事会が控えており、そこで量的金融緩和の年内終了プロセスが示されるかどうかが焦点であり、引き締めへのスタンスが見られればユーロ高ドル安反応となる可能性がある。円にとってはユーロ円安の一報でユーロ高ドル安となるため、力関係にもよるが、ユーロ高がドル全面安を先導する場合はドル円にとっての円高要因となってくる可能性があるだろう。

米上院は2月8日までの米連邦政府つなぎ予算案を可決、下院も可決した。トランプ大統領の署名を経て米政府機関閉鎖はいったん解除される。しかし移民制度の扱いをめぐる民主党の反対が根強いため、2月8日までにそれ以降の延長を決められないと再び閉鎖となりかねず、この問題はまだ暫く尾を引きそうだ。
米政府機関の一時的な閉鎖はこれまでも何度か経験しており、市場もさほど大きな反応を示してはいないが、トランプ大統領が選挙公約として掲げてきたメキシコ国境の壁建設予算を巡って強硬姿勢を維持しているため、今後の展開次第では米政局不安としてドル安要因になりかねない。

1月22日から日銀金融政策決定会合が始まっている。23日昼前後には政策発表されるが、市場の大方は現状維持を見込んでいる。ただ、あっさりとした現状維持では日銀の無策、あるいは1月9日の国債買いオペ減額等を踏まえて量的緩和の縮小感が強まっている中で緩和継続姿勢を力強く示さないと市場が催促的な円高に走る可能性もあるので、声明文内容、総裁会見が注目される。総裁会見から円高に反応してしまうというパターンも多々ある。

【60分足 一目均衡表分析と当面のポイント】

【60分足 一目均衡表分析と当面のポイント】

60分足の一目均衡表では、23日未明の反発で先行スパンを上抜いたが、その後の反落で先行スパン内に潜り込んでいる。日銀金融政策発表から上昇して23日未明高値超えなら先行スパン突破、遅行スパン好転による上昇継続として高値試しを優先するが、逆に下落反応で先行スパンから転落の場合は遅行スパン悪化も伴うので一段安へ走りやすくなるとみる。

60分足の相対力指数は23日未明の上昇で60ポイントを超えたが、その後はやや下げている。40ポイント台までを支持線とし、上回る内は上昇余地ありとする。また23日未明の65ポイントを超えてくるようだと逆行が先送りされるため上昇も継続しやすくなるが、40ポイント割れからは下落再開を疑う。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、19日午後安値と22日朝安値をダブル底として上昇期に入った可能性がある。このため110.49円割れへ崩れずに23日未明高値を上抜く場合は23日の日中から25日昼にかけての間へ上昇継続となる可能性があるが、18日高値からも3日目に入っているので110.70円割れからは弱気転換注意、110.49円割れからは新たな下落期入りとして次の安値形成期となる25日朝から29日朝にかけての間への下落、一段安が想定される。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、110.70円を支持線、23日未明高値111.22円を抵抗線とみておく。
(2)110.70円割れ回避の内は111.22円超えからの上昇でまず18日高値111.48円を試すとみる。さらに18日高値更新の場合は111.70円前後から勢い次第では112円手前を試す可能性ありとみる。111.65円以上は反落警戒圏とみるが、111円台を維持する内は24日も高値を試す可能性ありとする。
(3)110.70円割れからは弱気転換注意として18日安値111.48円試しとし、18日安値割れからは新たな下落期入りとして110円割れから109円台後半試しへ進むとみる。また110.70円以下での推移が続くうちは一段安警戒が続くとみる。(了)<9:45執筆>

【当面の主な予定】

1/23(火)
未定 (日) 日銀金融政策決定会合、日銀展望レポート
15:30 (日)黒田日銀総裁、記者会見
19:00 (独) 1月ZEW景気期待指数  (12月 17.4、予想 17.7)
24:00 (米) 1月リッチモンド連銀製造業指数 (12月 20、予想 18)
24:00 (欧) 1月消費者信頼感・速報 (12月 0.5、予想 0.6)
24:00 (米)米上院 グッドフレンド氏FRB理事指名承認公聴会

北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉、第6回協議(モントリオール、28日まで)
世界経済フォーラム、ダボス会議(ダボス、23日から26日)

1/24(水)
08:50 (日) 12月貿易収支 (11月 +1134億円、予想 +5200億円)
17:30 (独) 1月製造業PMI・速報 (12月 63.3、予想 63.0)
17:30 (独) 1月サービス業PMI・速報 (12月 55.8、予想 55.5)
18:00 (欧) 1月製造業PMI・速報 (12月 60.6、予想 60.3)
18:00 (欧) 1月サービス業PMI・速報 (12月 56.6、予想 56.4)
23:00 (米) 11月住宅価格指数 前月比 (10月 +0.5%、予想 +0.4%)
24:00 (米) 12月中古住宅販売件数 (11月 581万件、予想 569万件)

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