<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場は、111円前半で揉み合い。久しぶりに形成レンジも狭く、30ポイント程度にとどまった。方向性は乏しい。
ドル/円は111.20-25円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。日経平均など株価の動きをにらみ一喜一憂しつつ、下値は前日のNY時間に記録した111.04円を割り込むことが出来なかった反面、上値も111.30円台まででドルの頭は重かった。結局、111円前半での一進一退に終始したまま時間が経過し、16時時点では111.30-35円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、引き続き「北朝鮮情勢」。有力欧米紙WSJがトランプ米大統領の発言として「金委員長とは良い関係」と伝えるなか、米シンクタンクが「北朝鮮施設で掘削活発化」との分析を発表、産経新聞が「北朝鮮、仮想通貨を不正獲得」と報じるなど、様々な思惑を呼んでいた。
また、それとは別に、「米の北米自由貿易協定(NAFTA)離脱」思惑や、「米によるイラン制裁の猶予措置の延長」に関するニュースなども話題を集めていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は10日に、過去1ヵ月以上形成していたレンジの下限である112円を割り込んできたものの、昨日レポートしたように、筆者は「ダマシ」の可能性も捨て切れていなかった。しかし、昨日NY時間のドル続落、本日東京時間の低迷−−をみると、やはりリスクはドル安方向と考えても良さそうだ。正直言って、まだ100%信用しているわけではないのだが、昨年11月安値である110.84円を割り込んだ場合、さらなるドル安の進行も否定出来ない気がしている。攻防を注視したい。
週末ということで、日足ではなく週足の観点からテクニカルに見た場合、一目均衡表では先行帯の雲の上限(111.70-75円)を割り込んで推移している。まだザラ場ベースの話ではあるが、雲の上限は過去1ヵ月以上もNYクローズでは上回ってきただけに、このあと欧米時間で巻き返しがあるのかどうかを注視してみたい。
なお、そんなドルのサポートは111.00-05円でほぼ横這いに推移している一目の基準線。昨年11月安値とともに、ドルを下支える存在となるのか要注目だ。
一方、材料的に見た場合、12月の消費者物価や同小売売上高といった重要な米経済指標が発表されるほか、米企業の決算発表が本日から本格する。後者について言えば、JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴなどが先陣を切って本日決算を発表する予定だ。
米経済指標の内容が注目されることはもちろんのこと、米企業決算についてもしっかりと注意を払いたい。ここ最近の為替は、米金利ならびに米株の動きを横目に睨んでの動きとなっているだけに、決算内容によって米株に変動があれば、それが為替にも影響を及ぼす可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.60-111.80円。ドル高・円安方向は、昨日下回ってきた移動平均の200日線が位置する111.70円レベルが最初の抵抗で、抜ければ112円台回復がみえてくる。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の111.04円をめぐる攻防がまずは注視されており、割り込むようだと昨年11月安値110.84円が次のポイントとして意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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