【概況】
12月12日深夜高値113.75円から15日安値112.02円まで下落、15日夜からの後の揺れ返しで21日には113.63円をつけたが12日深夜高値にはわずかに届かず、その後はジリ安推移となっている。25日はクリスマスで欧米市場が休場、本邦FXも午後には店じまいしていたが、一部ベンダーでは25日夜、26日早朝とジリ安が続き、26日朝には113.18円の安値をつけた。26日午前には113.35円まで戻したが、26日夜からの下落で27日未明には113.11円まで下げている。FX業者レートでは25日午前安値を割り込んだ形になっているため既に21日からの下落が緩やかながらも二段下げ型に入っているため、週末にかけては安値を試しやすくなっている印象だ。
【幾つかのリスク回避要因と材料出尽くし感】
産油国リビアで武装勢力によるパイプライン襲撃事件が発生、日量10万バレルの送油不能との報道でNY原油が2年ぶりとなる60ドルまで急騰した。原油上昇によりコモディティ全般が上昇、ドル売り圧力となった。
スペインのカタルーニャ州選挙で独立派が勝利見通しとなり、スペイン政局、欧州政治情勢への懸念が再燃してきている。また北朝鮮は冬季五輪に対する敵対行為をしない姿勢を示す一方で人工衛星打ち上げと称してミサイル発射を行おうとしている報道もある。これらは金融市場全般に対するリスク回避感をやや強めるものとなり、ドル円には売り圧力と思われる。
12月14日未明のFOMCによる今年三度目の利上げ決定、2018年利上げ回数予想の中央値が3回とされたことで、米金融政策関連では材料一服感がある。
米税制改革法案が成立したが、成立期待を先取りして大上昇してきた米国株は法案成立後に伸び悩み、これも材料一服状況にあり、利食いが急がれ始める可能性もある。
総じて年末にかけては手仕舞い売りからドル円も下げやすくなりつつあるのではないか。
【60分足 一目均衡表分析】
60分足の一目均衡表では、25日への下落で遅行スパンが悪化し、先行スパンからも転落した。26日午前の戻りは先行スパンが抵抗となって26日夜の下落で再び転落状態となっている。このため先行スパンを上抜き返し、突破状況を維持し始める上昇へ進めない内は安値試し優先での展開になりやすいとみる。
60分足の相対力指数は22日、26日、26日への安値更新場面では指数もボトムを切り下げてきたが、27日未明への下落でも指数は安値を切り下げているため、まだ強気逆行が見られていない。このため、60ポイント超えへ上昇し、その後も50ポイント以上を維持するような反発へ進めないうちはもう一段安へ進みやすいとみる。
概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、12月21日高値を前回のサイクルトップとして下落してきた。26日朝安値(またはFXレートでは25日午前安値)を直近のサイクルボトムとし、26日午前高値を同サイクルトップとして新たな弱気サイクルに入っている印象だ。このため、次の安値形成期となる28日から年明けにかけての間への下落へ進みやすい時間帯にあると思われる。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1) 当初、26日午前高値113.35円を抵抗、113.10円を支持線とみておく。
(2) 113.35円を上抜けない内は113.10円割れからの一段安警戒とし、その場合は112.90円から112.75円にかけてのゾーンを試すとみる。112.75円以下は突っ込み警戒、反発注意とするが、113.20円以下での推移が続いている場合は28日の日中も安値を試しやすいとみる。
(3) 113.35円超えの場合は強気転換注意として113.50円前後試しを想定するが、新たな押し上げ材料を伴わない場合は113.50円前後では戻り売りも出やすいとみる。ただし113.30円を上回って明朝を迎える場合は28日の日中に高値を試しやすいとみる。(了)<9:30執筆>
【当面の主な予定】
12月27日
14:00 (日) 11月新設住宅着工件数 前年比 (10月 -4.8%、予想 -4.0%)
24:00 (米) 12月消費者信頼感指数 (11月 129.5、予想 128.0)
24:00 (米) 11月中古住宅販売保留件数 前月比 (10月 +3.5%、予想 -0.8%)
12月28日
08:50 (日) 日銀・金融政策決定会合 主な意見の公表(12月20-21日開催分)
08:50 (日) 11月鉱工業生産・速報値 (10月 +0.5%、予想 +0.5%)
18:00 (欧) ECB経済報告
22:30 (米) 11月卸売在庫 前月比 (10月 -0.5%、予想 +0.3%)
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 24.5万件、予想 24.0万件)
23:45 (米) 12月シカゴ購買部協会景気指数 (11月 63.9、予想 62.0)
12月29日
11:00 (日) 東京株式市場大納会
オーダー/ポジション状況
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