【概況】
12月12日深夜高値で113.75円まで上昇していたが、FOMC声明発表を控えて13日に下落、14日早朝のFOMC声明発表からさらに一段安、15日夕刻には112.02円まで続落して12月6日安値111.99円に迫ったが、112円割れをひとまず回避して15日夜は112円台後半へ戻して週を終えていた。
週明け18日午前、112.82円まで戻したが、日経平均が大幅上昇するもドル円は上昇しきれず、NYダウが大幅上昇で史上最高値を更新したものの18日深夜への下落で112.31円まで下げた。19日午前は112.60円台までわずかに戻している。
【米税制改革法案の年内成立期待で米国株高だが】
米与党共和党の議会両院執行部は12月15日、上院と下院で内容相違していた税制改革法案の一本化に合意した。今週中には両院でそれぞれ可決される見通しとなっている。合意されている法案では2018年に法人税率を35%から21%まで引き下げ、海外から米国へ資金を環流するレパトリエーションに対しての課税を1回限りとし、現行の税率35%から8〜15.5%に引き下げることが盛り込まれた。減税規模は10年間の総額で凡そ1兆5000億ドルと見込まれている。
NYダウは18日に244ドル高と大幅上昇して史上最高値を更新した。米税制改革法案の年内成立期待が背景だが、実際に年内成立となった場合、株高がさらに加速してリスクオン心理と米国景気期待でドル高が進む可能性がある。しかし、法案成立を期待して株高が進んできたことで当面の買い材料が一巡すると受け止められる可能性があること、特にトランプ大統領誕生から続いてきたトランプ・ラリーによる異常な株高現象に対する高値警戒感、修正的な急落リスクも警戒されるため、成立報道直後に上昇した後は反落する可能性も考えられる。
ドル円は今のところ日米株高にはさほど反応できず、日経平均とドル円の正相関にずれが生じている。米国株高が継続するうちはドル円も下支えられるが、仮に株高が一巡、株安リスクが沸き上がる場合にはリスクオフ的なドル円への下落圧力がかかる可能性も考えておく必要があるだろう。
【60分足 一目均衡表分析】
60分足の一目均衡表では、18日夜への下落で遅行スパンが悪化している。19日未明安値では先行スパンから転落しかけたがその後の小反発で先行スパンを上抜いている。先行スパンは112.50円を挟んで薄い状況にあるため、再び割り込みやすいともいえる。19日未明安値112.31円割れからは先行スパンからの転落としてその後に遅行スパンが好転するまでは安値試しとし、19日未明安値割れ回避のうちは戻り高値を試す余地ありとみておく。
60分足の相対力指数は14日未明安値と15日夕安値形成時とでは指数のボトムが切り上がる強気逆行となった。週末は60ポイント超えへ上昇し、18日深夜には30ポイント台前半まで低下したが、19日午前では50ポイント台を回復しているため、まだ戻り高値を試してもよい姿となっている。ふたたび50ポイント割れするところからは下げ再開注意とするが、50ポイントを上回るうちは高値試しを優先する。ただし、18日朝高値を上抜いた場合に指数のピークが切り下がっているようなら弱気逆行型としてその後の反落注意とする。
概ね3日から5日周期の短期サイクルでは、15日夕安値で目先の底を付けて戻している。12日深夜高値を基準とすれば今回の高値形成期は15日深夜から19日深夜にかけての間と想定されるので、19日の日中、夜にかけてはまだ高値を試しやすい時間帯と思われる。このため、18日午前高値112.82円を超える場合は113円前後試しを想定するが、そこは戻り売りにつかまりやすいとみる。
12月19日未明安値割れからは弱気サイクル入りの可能性を優先し、15日夕安値を基準として次の安値形成期となる20日午後から22日への下落を想定する。この場合は当初、112円試しとし、112円割れの場合は111.50円から111.20円にかけてのゾーンを試し向かうと想定する。
113円前後までの上昇から反落して12月15日安値を割り込む場合、12月12日深夜高値を頭、12月4日夜高値を左肩とした三尊の右肩形成に終わる可能性がある点に注意する。その場合は11月6日高値頭10月6日高値と12月12日高値を両肩とする日足レベルの三尊天井形成の可能性も高まるとみる。(了)<9:25執筆>
【当面の主な予定】
12月19日
18:00 (独) 12月Ifo景況感指数 (11月 117.5、予想 117.5)
22:30 (米) 11月住宅着工件数 (10月 129万件、予想 125.0万件)
22:30 (米) 11月建設許可件数 (10月 129.7万件、予想 127.5万件)
22:30 (米) 7-9月期経常収支 (前期 -1231憶ドル、予想 -1170億ドル)
12月20日
06:45 (NZ) ニュージーランド11月貿易収支 (10月 -8.71憶NZD、予想 -5.50NZD)
06:45 (NZ) ニュージーランド 7-9月期経常収支 対GDP比 (前期 -2.8%、予想 -2.5%)
未 定 (日) 日銀金融政策決定会合、開催(21日まで)
24:00 (米) 11月中古住宅販売件数 (10月 548万件、予想 553万件)
オーダー/ポジション状況
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