ドル円 FOMC急落後、112.50円割れをやや戻す(12/14)

米連邦準備制度理事会(FRB)は14日未明、連邦公開市場委員会(FOMC)で 政策金利を0.25%引き上げ、年1.25〜1.50%とした。

ドル円 FOMC急落後、112.50円割れをやや戻す(12/14)

【概況】

12月12日深夜に113.75円まで上昇して11月28日未明安値110.84円以降の高値を更新したが、13日昼、アラバマ州の上院補選にてトランプ大統領の支援する共和党候補が敗れた事をきっかけに円高反応となって11日夜安値113.24円を割り込んだ。いったん戻したが、米国市場時間では再び下落した。11月の米消費者物価指数が前月比0.4%上昇したが市場予想と一致、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は0.1%上昇で予想の0.2%上昇を下回ったことが円高要因となった。
14日4時のFOMC声明発表を前後して急落、朝6時前には112.46円まで下げた。その後はやや戻している。
米上院財政委員会のハッチ委員長は上下両院の共和党指導部が税制改革法案の一本化で合意したことを明らかにした。当初20%への引き下げを計画していた法人税率を21%とし、現行の35%からの大幅減税を実現する。トランプ大統領もこれに異論はないとし、法案に署名する方針を示した。これはややドル高要因になるかもしれない。

【FOMC概要】

米連邦準備制度理事会(FRB)は14日未明、連邦公開市場委員会(FOMC)で 政策金利を0.25%引き上げ、年1.25〜1.50%とした。
メンバー16人による金利見通しでは、2018年の想定利上げ回数の中央値は3回とされ、9月時点の見通しを維持した。2019年も2回程度とした。失業率は2018年、2019年には3.9%へ下がると予想、インフレ率がFRBの目標2%に到達する時期は2019年。GDP伸び率見通しは上方修正した。

参加者による18年の利上げ回数予想
5回 1人、4回 3人、3回 6人、2回 3人、1回 1人。

参加者によるFF金利中央値予想
2017年 1.375%(前回1.375%)、2018年 2.125%(同2.125%)、2019年 2.6875%(同2.6875%)、2020年 3.0625%(同2.8750%)

【12月14日未明への急落に対する評価】

FOMCを前後しての急落となり、10月28日未明安値、12月2日未明安値を結んだ上昇トレンドの支持線を一時割り込んだが、14日午前時点では切り返している。直近の高値からは1.29円幅であり、フリン氏訴追報道で一時的に急落した12月1日深夜からの下落幅1.44円幅よりも小さかった。
FOMCから大幅下落し、さらに続落という展開になれば、昨年12月15日にドル円が天井をつけて下落したように、ドル高円安基調が終了、下落期に入る可能性が高まるわけだが、今のところはそこまで決定付ける暴落レベルには至っていないという印象だ。
14日午前はひとまず落ち着いているので、12日深夜からの下落に対する凡そ半値となる113円台を回復、維持し始める場合は今回の急落を「イベント通過による手仕舞い売りの連鎖安」とし、売り一巡から上昇再開へと進む可能性が出てくる。

113円台維持から続伸し始める場合は12月12日深夜高値113.75円試しの可能性浮上とし、先行きに高値更新なら上昇基調は年末年初まで継続してゆく可能性も出てくるかもしれない。
113円台を回復できないか、一時的に回復しても維持できずに失速する場合、及び14日未明安値112.46円を割り込む場合はFOMC声明を打撃とした下方継続性ありとして下落が本格化する可能性を考える。その場合は当初、111.50円前後、さらに11月28日未明安値110.84円試しへと下値目処が順次切り下がる可能性を考えてゆく。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、13日昼からの下落で遅行スパンが悪化、先行スパンから転落した。夜間の急落により、両スパンとも実線から大きくかい離している。強気回復には先行スパンを上抜く必要があるため、当初の上値抵抗は26本基準線(現在113.02円)あたりまでとみる。基準線超えなら先行スパン突破への挑戦権が発生と考える。また、14日未明安値を割り込まないで推移する場合は明朝へ遅行スパンが好転してくるが、安値更新へと下落する場合は遅行スパン好転の機会が先送りされる。

60分足の相対力指数は14日未明への下落で20ポイント台へ下降した。その後はやや戻しているが、強気逆行はまだ見られないため、50ポイント台回復へと戻せない内は一段安警戒とみる。安値更新の場合に強気逆行できるかどうかに注目。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、12月11日夜安値を直近のサイクルボトムとして上昇したが、13日の日中に底割れしたため、新たな弱気サイクル入りとなっている。今回の安値形成期は11日夜安値を基準として14日夜から18日にかけての間と想定されるので、サイクル的なリズムからは14日夜にかけての一段安懸念がやや優先されると思う。

以上を踏まえ、14日の日中から15日朝にかけてのポイントを示す。
(1)当面、12月14日未明安値112.46円を支持線、113.00円を抵抗線としておく。
(2)113円超え、維持へと進めない内は14日未明安値割れからの一段安警戒とし、安値更新の場合は112.00円から111.80円台への下落を想定する。112円以下は突っ込み警戒、反騰注意とするが、112.75円以下で終了の場合は15日の日中へ続落しやすいとみる。
(3)113円台回復、維持から続伸し始める場合は113.30円前後試しを想定するが、113円台を維持しきれずに反落の場合は14日未明安値をもう一度試す、あるいは底割れから一段安へ向かう可能性ありとみる。113円台を維持して終了の場合は15日の日中へ戻りを試しやすいと考える。(了)<9:40執筆>

【当面の主な予定】

12月14日
11:00 (中) 11月小売売上高 前年比 (10月 +10.0%、予想 +10.3%)
11:00 (中) 11月鉱工業生産 前年比 (10月 +6.2%、予想 +6.2%) 
11:00 (中) 11月固定資産投資 年初来 前年比 (
13:30 (日) 10月鉱工業生産 前月比 確報 (速報 +0.5%)
17:30 (独) 12月製造業PMI速報 (11月 62.5、予想 62.0)
17:30 (独) 12月サービス業PMI速報 (11月 54.3、予想 54.6)
17:30 (ス) スイス国立銀行(SNB)金融政策、(現状 -1.25-0.25%、予想 据え置き)
18:00 (欧) ユーロ圏12月製造業PMI速報 (11月 60.1、予想 59.7)
18:00 (欧) ユーロ圏12月サービス業PMI速報 (11月 56.2、予想 56.0)

20:00 (ト) トルコ中銀、政策金利発表 (現行 8.00%、予想 据え置き)
21:00 (英) イングランド銀行金融政策委員会(MPC)政策金利発表 (現行 0.50%、予想 据え置き)
21:00 (英) イングランド銀行(BOE)資産購入枠 (現行 4350億ポンド、予想 据え置き)
21:45 (欧) 欧州中央銀行(ECB)理事会、政策金利発表 (現行 0.00%、予想 据え置き)
22:30 (欧) ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、会見
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.6万件、予想 23.9万件)
22:30 (米) 11月小売売上高 前月比 (10月 +0.2%、予想 +0.3%) 
22:30 (米) 11月小売売上高 除自動車 前月比 (10月 +0.1%、予想 +0.7%)
24:00 (米) 10月企業在庫 前月比 (9月 0.0%、予想 -0.1%)
26:25 (加) ポロズBOC総裁、講演

12月15日
08:50 (日) 日銀短観 大企業製造業 (前期 22、予想 24)
22:30 (米) 12月NY連銀製造業景況指数 (11月 19.4、予想 18.0)
23:15 (米) 11月鉱工業生産 前月比 (10月 +0.9%、予想 +0.3%)
23:15 (米) 11月設備稼働率 (10月 77.0%、予想 77.2%)

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