ドル円見通し FOMC前やや高値試し優勢局面か(12/12)

12日夜から米FOMC(連邦公開市場委員会、米連銀メンバーによる金融政策決定会合)があり、14日未明には政策金利発表を含む声明文、メンバーの利上げ予想見通し、

ドル円見通し FOMC前やや高値試し優勢局面か(12/12)

【概況】

12月8日の米雇用統計発表直後にいったん下げたが切り返し、週明け11日午前は戻り高値を113.69円まで切り上げた。更に一段高へ進むには手がかり難として夜間では113.24円まで下げ、雇用統計直後の安値113.13円に迫ったが安値更新は回避して113.50円台を回復している。
11月28日未明安値110.84円から上昇に転じ、12月1日夜にはフリン氏訴追報道からいったん急落する場面もあったが切り返し、12月4日高値から6日までやや調整安を入れたが12月8日への上昇で高値を更新、ここまでは二段上げで進んできている。12月8日夜の米雇用統計も上昇基調を崩すようなサプライズは無く、高値圏を維持しているところと言える。

【FOMC迫る】

米雇用統計の内容は総じて強いものだった。平均時給が予想を若干下回ったものの、就業者数は予想を超え、失業率も4.1%の低水準を維持した。12日夜から米FOMC(連邦公開市場委員会、米連銀メンバーによる金融政策決定会合)があり、14日未明には政策金利発表を含む声明文、メンバーの利上げ予想見通し、議長会見が予定されている。市場はFOMCで今年三度目の利上げが決定されることをほぼ確実視しており、週末の雇用統計内容も利上げ決定を後押しするものと思われる。

メジャー通貨の加重平均であるドル指数で見れば、前回2016年12月のFOMCで利上げ再開となった後、2017年1月3日に天井をつけ、その後は下落に転じている。この際、米30年債利回りは12月14日に高値をつけてその後は下降している。
2015年12月の利上げ決定の際も、ドル指数は12月2日に高値をつけ、その後は高値を更新できずに5月まで下落したが、米30年債利回りは2015年6月末高値からの下降途中でやや戻したに止まり、7月まで下降している。
ユーロドルで見れば2016年末へ下落、2017年1月3日から反騰入り。2015年は12月3日に底打ちして5月まで戻している。

この様な最近の動向を踏まえれば、今年も12月のFOMCまではドル高基調で進みやすく、決定内容次第ではそのまま新年までドル高基調を引きずるが、そこまでで材料は消化されてドル安、米長期債利回り低下という展開へ進みやすいと思われる。
FOMCのメンバーによる2018年利上げ回数予想の最多が2回ならかなりドル安の反応へ、3回なら中立からドル高、4回が最多ならかなりのドル高ということになるかもしれない。またメンバーの2018年及び2019年の予想金利水準についても重要になってくる。
14日未明の発表に向け、ややドル高先行で高値を採りに行く可能性と、ここ2週の上昇に対するポジション調整的な下落を見せるのかはやや微妙なところ。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では11日夜への下落で遅行スパンが悪化したが、その後の反発により好転しやすい位置にある。11日夜への下落では先行スパンの上部を試したが、そこから切り返しており、先行スパンを上抜いた状況は維持されている。先行スパンを上回る内は上昇継続余地ありとし、遅行スパンも好転してくれば高値更新へ向かいやすいとみる。先行スパンへ潜り込始める場合は11日夜安値113.24円試しとし、安値更新ならいったん調整安入りの可能性を優先して先行スパンからの転落警戒と考える。また潜り込んだ後に上抜き返す場合は上昇再開とみる。

60分足の相対力指数は11日夜への下落で40ポイントを割り込んだが切り返している。8日高値と11日朝高値との間で弱気逆行しているので、再び40ポイント割れへと下げる場合は下落再開を疑うが、50ポイント前後まででしっかりするか、60ポイント超えで上昇してくる場合は高値更新へ進みやすいとみる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、12月6日安値から強気サイクル入りしたが、6日安値から3日目となる11日夜安値で直近の底をつけて新たな上昇期に入っている可能性もある。11日午前高値超えの場合は11日夜安値をボトムとした強気サイクル入りとして次の高値形成期となる14日から18日への上昇を想定する。11日午前高値超えへ進めないか、わずかに超えても11日夜安値を割り込む場合は11日夜から12日にかけての安値形成期と考える。

以上を踏まえ、12日の日中から13日朝にかけてのポイントを示す。
(1)当面、12月11日夜安値113.24円を支持線、12月11日午前高値113.69円を抵抗線としておく。
(2)11日夜安値割れ回避の内は11日高値超えからの一段高余地ありとし、その場合は114円試しへ向かうとみる。114円以上は反落警戒とするが、113.50円を上回る内は13日の日中へ上昇を継続しやすいとみる。
(3)11日夜安値割れの場合はポジション調整的な売りに押されやすいとみて、113.10円から112.80円台後半への下落を想定する。113円割れは突っ込み警戒、反発注意とするが、113.20円以下で終了の場合は13日の日中へ安値を試しやすいとみる。(了)<9:15執筆>

【当面の主な予定】

12月12日
   (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)、13日まで
19:00 (独) 12月ZEW景気期待指数 (11月 18.7、予想 17.8)
22:30 (米) 11月生産者物価指数 前年比 (10月 +2.8%、予想 +3.0%)
22:30 (米) 11月生産者物価指数・コア 前年比 (10月 +2.4%、予想 +2.4%)

12月13日
07:15 (豪) ロウRBA総裁、講演
08:50 (日) 10月機械受注 前年比 (9月 -3.5%、予想 -3.9%)
18:00 (日) 黒田日銀総裁、講演
22:30 (米) 11月消費者物価指数 前年比 (10月 +2.0%、予想 +2.2%)
22:30 (米) 11月消費者物価指数・コア 前年比 (10月 +1.8%、予想 +1.8%)

12月14日
04:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利 (現行 1.00-1.25%、予想 1.25-1.50%へ引き上げ)
04:30 (米) イエレンFRB議長会見

オーダー/ポジション状況

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