<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は、ドル高・円安。レンジそのものは決して広くなかったが、夕方にかけて上昇、ドルの強さがやや目を引いている。
ドル/円は112.25-30円で寄り付いたのち、円全面安の流れもあり、112.50円レベルまで上昇した。そのレベルでは上げ止まるだけでなく、一度下押しが入ったが底堅い。夕方にかけてドルは再び上値をトライすると112円半ばの壁を超え、112.60円台まで値を上げた。16時時点では、日中のドル最高値圏である112.55-60円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、本日も引き続きビットコインは堅調。昨日、「一時12000ドル台をつけるなど史上最高値を更新」とレポートしたが、本日はそれがなんと「一時14000ドル台」を記録していた。米シカゴ・オプション取引所(CBOE)などがビットコイン先物を上昇するにあたり、市場拡大期待の買いが集まっていたという。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「エルサレムの首都認定問題」。独仏首脳やローマ法王、国連事務総長などからも懸念の声が挙がるなか、ついには「国連安保理がエルサレム問題で緊急会合開催へ」と報じられ、問題の拡大が懸念されていた。
そのほかでは、CNBCによるインタビューで、グリーンスパン元FRB議長が「米大型減税は経済成長にほとんど寄与しない。むしろ、減税によって財政赤字が膨らむことで、急激なインフレになる恐れがある」と述べたとされるほか、黒田日銀総裁から「デフレ脱却宣言でも日銀はあくまで適切な政策運営行う」との発言が観測されている。また、朝鮮中央通信は北朝鮮外務省の声明として「米の脅しで朝鮮半島の戦争が不可避に」と報じ、一部で思惑を呼んでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
日々の値動きだけを見ていると、それなりに動いているイメージもあるものの、チャートをよくよく見ると往来相場に過ぎない。それも、今週に入って以降はおおむね112円台の値動きで、形成レンジはわずか1円強と、かなりの小動きだ。
そうしたなか、明日に注目の米雇用統計の発表を控えていることもあり、本日も基本的にはレンジ取引が見込まれている。しかし、「8日に期限切れとなるつなぎ米予算問題」について、トランプ大統領からも「議会の協議がまとまらず、政府機関の一部が閉鎖される可能性がある」との発言が聞かれるなど、切羽詰まった状況となってきたことは気掛かり。過去の経緯を考えると、最後の最後で逆転合意となりそうだが、果たして!?
テクニカルに見た場合、前述したように今週以降の相場はおおむね112円台の値動きで、方向性に乏しい。これを幾つかのチャート分析で見ると、上方向については一目均衡表の基準線(112.80円レベル)などが上昇を阻んでいる反面、下方向は同・転換線(111.95-00円)が下支えとなっている感を否めない。いずれにしても、まずは足もとの112円台を上下どちらに放れるのか、その方向性に注意を払いたいところだ。
一方、材料的に見た場合、週間ベースの新規失業保険申請件数や11月のチャレンジャーレイオフ調査といった米経済指標が発表される予定となっているが、それほど注目されているモノではない。基本的に、それら指標で相場が大きく動意付く展開は予想しにくい。
明日の米雇用統計発表を前に、本日は様子見ムードが強まっても不思議はないが、前述した「米つなぎ予算の採決」や、ウィーンで行われる予定の「米露外相会談」の行方などには一応要注意かもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.00-113.00円。ドル高・円安方向は、移動平均の25日線が位置する112.60円レベル、一目均衡表の基準線が位置する112.80円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ、一目の先行帯の雲の上限が位置する113.35-40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、今週のドル安値であり、一目の転換線が位置する111.95-00円が目先のサポートか。割り込むと、移動平均の200日線が位置する111.65-70円などを再び目指す展開となりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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