ドル円見通し 26日移動平均割れの状況継続(11/17)

NYダウは187.08ドル(0.8%)高の23458.36ドルと上昇、日経平均の反発もあり、株安一服となった。また米10年債利回りは若干上昇(債券価格は下落)した。

ドル円見通し 26日移動平均割れの状況継続(11/17)

【概況】

株安、米長期金利低下を背景に14日高値113.91円から15日深夜安値112.475円まで下落し、11月6日高値以降の安値を更新した。しかしその後は突っ込み警戒感、日米株反発によるリスクオン心理回復、米長期金利上昇により戻した。ただ16日夕高値113.32円からは米経済指標が芳しくなかった事などから反落、深夜には112.733円まで下げた。
複数のメディアが「米下院が共和党の税制改革法案を賛成多数で可決した」と報じたことから株高、米10年債利回り上昇となり、17日朝には113円台序盤まで戻したのだが、日経平均続伸で始まった9時台には113円を割り込む等、株高に付き合えず上昇に勢いが見られない。

NYダウは187.08ドル(0.8%)高の23458.36ドルと上昇、日経平均の反発もあり、株安一服となった。また米10年債利回りは若干上昇(債券価格は下落)した。
米労働省が発表した週間新規失業保険申請件数は前週比1万件増の24万9000件と、市場予想の23万5000件を上回った。また米フィラデルフィア連銀が発表した11月製造業景況指数は22.7となり、前月の27.9、市場予想の25.0を下回った。
全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが発表した11月の米住宅市場指数は70に上昇。前月は68、市場予想は67だった。

目先的な材料と突っ込み警戒感から戻したものの、11月15日への下落で重要支持線の26日移動平均を割り込んで52日移動平均近くまで下げたこと、11月6日高値からの下降トレンドの抵抗線(現在113.50円近辺)を超えられずにいることから下落基調の継続懸念が株高によるリスクオン心理よりもやや上回っているためにドル円が戻しきれないという状況かもしれない。

【26日移動平均割れのまま】

日足では11月15日の下落で重要支持線であり10月16日への下落でも支持線として機能した26日移動平均を割り込み、52日移動平均まで下げた。その後は下げ渋っているが26日移動平均を割り込んだ相場は同線を上抜き返して続伸できない内は同線が戻り抵抗となる。また52日移動平均までで下げ一服しても、52日移動平均を割り込んでくると一段安が加速しやすい。

日足の相対力指数は10月末から11月6日にかけて弱気逆行型を形成している。またRCI(順位相関指数)の26日線は10月6日高値形成時と11月6日高値形成時とで指数のダブルトップ型を形成しており、戻り一巡からの下げ再開感が出てきている。
7月11日高値を11月6日高値でわずかに上抜いたものの2か月の下落に対して2か月の上昇でイッテコイを実現していること、3月以降の戻り抵抗帯である114円台前半から115.50円のゾーンに到達しての下落であることを踏まえると、更に一段安しやすい状況に追い込まれている印象だ。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足で見れば、10月27日高値と11月7日高値がダブルトップ型であり、両高値の谷間にある10月31日安値を割り込んでいる。
11月6日高値からの下落は10日未明安値までを一段目とし、14日の戻り高値からの安値更新により15日深夜まで二段目の下げとなった。その後は下げ渋っているものの勢い付いていないため、15日夜安値割れの場合は三段下げの三段目に入り、下落波動がより発展して10月16日安値111.65円までのイッテコイへ進みやすくなる。強気転換には6日高値と14日の戻り高値を結ぶ抵抗線(現在113.50円近辺)突破から続伸する必要がある。

60分足の一目均衡表では、16日夜の反発、17日早朝の反発では先行スパンを上抜けずにいる。113.20円を超えてくれば先行スパン突破となるので、17日朝高値113.14円超えなら先行スパン突破へ向かい、113.40円から113.50円にかけてのゾーンを試す可能性が出てくると思う。しかし先行スパンを上抜けない内は一段安警戒とし、16日深夜安値112.733円割れからは遅行スパン悪化中の安値試しを優先してゆく。

60分足の相対力指数は16日夕刻への上昇で60ポイントまで戻したが反落、その後は50ポイントを挟んで持ち合いとなり、方向性が定まっていない。60ポイント超えなら上昇再開とみるが、50ポイント以下で推移中は下向きとみる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成のサイクルでは、15日深夜安値を直近のサイクルボトムとして上昇した。14日夕高値を起点として今回の高値形成期は17日の日中から21日にかけての間と想定されるが、サイクルトップ形成は短縮されることも多い。16日深夜安値割れ回避の内はサイクルトップ形成への上昇再開余地ありとするが、16日深夜安値割れからは弱気サイクル入りの可能性を優先して15日深夜安値試しとし、底割れの場合は17日夜から20日朝にかけて112円台序盤を試す可能性を考える。また15日夜安値割れからは次の安値形成期となる20日夜から22日夜にかけての間へと下落継続しやすくなると考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)16日深夜安値112.733円割れ回避の内は上昇再開余地ありとし、17日朝高値113.14円超えからは上向きとし、先行スパン突破なら113.50円前後試しを想定するが、そこは戻り売りにつかまりやすいとみる。16日夕高値113.32円超えの後は直近高値から0.50円以上さげるところからは下げ再開を疑う。
(2)16日深夜安値112.733円割れからは弱気サイクル入りの可能性を優先して15日夜安値112.475円試しとし、さらに底割れからは112.25円前後から112.00円試しへと向かう可能性を考える。また112.70円以下で終了の場合は週明けも続落しやすく、15日深夜安値割れの場合は20日夜から22日にかけての安値形成期へ一段安しやすいとみる。(了)<9:50執筆>

【当面の主な予定】

11月17日
03:10 (米) カプラン米ダラス連銀総裁、講演
05:00 (欧) コンスタンシオECB副総裁、講演
05:45 (米) ブレイナードFRB理事、講演
06:45 (米) ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁、講演
17:30 (欧) ドラギECB総裁、講演
22:00 (独) ワイトマン独連銀総裁、講演
22:30 (米) 10月住宅着工件数 (9月 112.7万件、予想 118.3万件)
22:30 (米) 10月建設許可件数 (9月 121.5万件、予想 124.2万件)

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