114円半ばが依然強い抵抗今週も攻防注視(11月第一週)

先週のドル/円相場は、乱高下を経て最終的にはドルが小幅高。週末のNYクローズで114円台を回復したものの、ザラ場ベースでは今年5月以降の抵抗帯である

114円半ばが依然強い抵抗今週も攻防注視(11月第一週)

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先週のドル/円相場は、乱高下を経て最終的にはドルが小幅高。週末のNYクローズで114円台を回復したものの、ザラ場ベースでは今年5月以降の抵抗帯である114円半ばを超えられず、上値の重さを再確認したと言えるかもしれない。

前週末には、朝鮮中央通信が北朝鮮の報道官談話として「米国の手先として振る舞えば、日本は海に葬られる」と報じたうえ、スペイン・カタルーニャ州をめぐるゴタゴタも幾つか取り沙汰されたが、予想に反してドル/円は静かなオープン。前週末NYクローズとほぼ同レベルである113.65-70円レベルで寄り付いた。その後は、継続案件であった次期FRB議長人事をめぐる動きで、「ハト派のパウエル議長誕生」観測が高まったことに加え、「再燃したロシア疑惑」と「難航する米法人減税問題」という新たなドル安問題が台頭したこともあり、ドル売りが優勢に。一時113円台を割り込む局面も観測されている。

しかし、週間のドルボトムを記録後は反発に転じると、一気に114円台へ。週末には114.43円を示現し、前週記録したドルの戻り高値に面合わせするも、懸案事項だった114円半ばは超えられず。大引けにかけては、やや小緩み114.10円前後で越週している。

一方、週間を通した主な材料のひとつは、次期FRB議長人事をめぐる報道など。要人の発言が二転三転するなか、最終的にはトランプ大統領が「パウエル理事を次期議長に正式指名」、ハト派議長の誕生となったが、事前に織り込まれていたこともあり、決定後の影響は限定的だった。
そのほかでは、前述した「再燃したロシア疑惑」と「難航する米法人減税問題」、「スペイン・カタルーニャ独立をめぐる動き」「トランプ大統領のアジア歴訪を前にした様々な思惑」「北朝鮮情勢」「週末に発表された米雇用統計」−−に関するニュースなども折につけ、ドル/円の波乱要因となっていた感を否めない。

<< 今週の見通し >>

ドルの下値は確実に切り上がっており、リスクは上方向にバイアスがかかるものの、気になるポイントが2つある。
ひとつは、過去にもレポートしているように今年5月以降、ここ半年ばかりは強い抵抗として寄与している114円半ばをいまだ抜け切れていない点だ。また、もうひとつのポイントは日柄的な面で、小刻みな調整を経ているが、一連の上昇が始まったのは9月の107.32円で、早くも上昇は2ヵ月に及ぶことになる。市場筋の一部からはドル高もそろそろ時間切れ、などとする声が聞かれ始めていた。今週かどうかはわからないが、ドルの上値の重さを再確認後、本格的な調整局面を迎えても不思議はないのかもしれない。

テクニカルに見た場合、長いタームで見た場合の基調は依然としてドル高だと思うのだが、ここ2週間程度を振り返っても、ドル/円相場は113.00-114.50円といったボックス圏を形成し、明確な方向性がやや乏しい。底堅いものの、上値も重く上げ渋りの様相となっている。
いずれにしても、今週もまずは前記した1.5円ほどのレンジを上下どちらに抜けるのか、その方向性が注視されそうだ。上抜けた場合は、当然115円台回復が視野に捉えられる反面、レンジを割り込んできた場合には本格的な調整局面入り、一足飛びではないにせよ、9月安値を起点とした上げ幅の半値押しである110.90円レベルがターゲットになると考えている。

一方、材料的には、重要な米経済指標の発表なども予定されているほか、前週の米雇用統計を受けたFRB幹部の講演も数多く、それらは当然要注意。
しかし、今週最大の材料は、14日まで予定されている「トランプ米大統領のアジア歴訪」であり、それと絡めた日米あるいは米中の貿易問題の行方や、北朝鮮情勢にも注意を払いたい。ちなみに、後者については「威嚇行動はしばらく自粛する」との指摘がある反面、「威嚇は続く」との見方も少なくなく、市場筋の見解はわかれているようだ。

そんな今週のドル/円予想レンジは、113.00-115.50円。ドル高・円安については、再三再四指摘している114円半ばが最初の抵抗で、抜ければ心理抵抗でもある115円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線なども位置している先週安値の113円前後の攻防が注視されており、割り込むようだと112.20円レベルに位置する週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限などを目指す展開となりそうだ。(了)

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