ドル円見通し 114円に到達するも反落(10/24)

23日夜はNYダウが7日ぶりに反落している。高値警戒感、利益確定売りが急がれた印象だが、

ドル円見通し 114円に到達するも反落(10/24)

<概況>

10月22日の総選挙にて政権与党が勝利したことを好感してドル円は23日朝に114.10円の高値を付けた。114円台は7月11日に114.49円の戻り高値を付けて以来3か月振りだった。日経平均が15連騰となり、株高によるリスクオン心理がドル円を押し上げたわけだが、朝に高値を付けてからさらに一段高へとは進めず、日中は113円台後半での持合いに止まり、24日未明にかけては米国株安等を意識して反落、安値で113.24円をつけ、朝の高値からは1円近い下落となった。

ユーロ安が続いていることもドル円の上値を抑えた印象がある。スペインのカタルーニャ独立騒動がまだ続いていることがユーロ売りの背景となっている。ECB理事会が10月26日にあり、そこで金融緩和政策の出口戦略が示されるのか、緩和姿勢が延長されるのかどうかが注目される。ユーロ円は23日朝にこの間の高値を更新したが反落している。

【FRBとアジア歴訪、米大統領動向】

23日夜はNYダウが7日ぶりに反落している。高値警戒感、利益確定売りが急がれた印象だが、トランプ大統領は22日のFOXテレビにおけるインタビューでFRB次期議長人事に関して「イエレンFRB議長、パウエル理事、テイラー・スタンフォード大教授の3氏を軸に人選を進めている」と述べたことで、市場波乱に対する警戒感がやや出ているのだろう。トランプ大統領がアジア歴訪前には決まるとみられる。テイラー教授は「よりタカ派」といわれているので選任されればドル高反応になる可能性があるが、パウエル理事はイエレン議長に近いとみられているので、テイラー教授以外ならドル安反応かもしれない。

トランプ大統領はアジア歴訪へ向かう。11月5日に訪日、安倍首相とのゴルフ予定もある。7日に訪韓して北朝鮮問題を韓国国会で演説する。8日には訪中して首脳会談を行う。これら一連の動きに対して北朝鮮からの動きがあるかどうか警戒される。10月18日の中国共産党大会に対しては北朝鮮がミサイル発射のあてつけではなく祝電を打っており、緊張感をやや緩ませたが、敵の総大将でもあるトランプ大統領が鼻先にまで来るという状況下で何等かの軍事挑発行動に出る可能性も警戒される。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、20日からの一段高で遅行スパンが好転、先行スパンを突破したが、24日未明の反落で遅行スパンが悪化した。先行スパンの上部まで下げているが、まだ転落には至っていない。
下落規模は10月19日夜に反落した時に近いので、先行スパンからの転落に至らなければ遅行スパンが再び好転してくれば上昇再開感が強まるが、先行スパンに潜り込んでジリ安の場合は先行スパンから一段安へ進みやすくなると思われる。

60分足の相対力指数は24日未明の下落で40ポイントを割り込み、その後も40ポイントを前後している。19日の高値形成時と23日朝の高値形成時との間では弱気逆行が見られる。このため50ポイント台を回復できないうちは一段安警戒とみる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、やや日柄が浅いものの23日朝高値でサイクルトップを付けて下落期に入った可能性がある。今回の安値形成期を24日夜から26日夜にかけての間と想定するが、高値形成の日柄がやや短縮されたので、安値形成もやや短縮される可能性がある。113.75円以下での推移中はサイクルの安値形成へ一段安する可能性ありとし、113.75円超えからは23日朝高値試しとし、高値更新なら新たな強気サイクル入りとして26日から30日への上昇へ進む可能性を考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)113.75円を抵抗とし、上抜けないうちは安値更新へ進む可能性ありとする。113.20円割れからは先行スパン転落となるため、113.00円から112.50円にかけてのゾーンを試す下落期入りと考える。
(2)113.75円超えの場合は23日朝高値114.09円試しとし、高値更新からは新たな強気サイクル入りにより、114円台後半試しへ向かうとみる。
※ 10月19日安値112.30円割れに至らないうちは、10月16日からの上昇波動の継続により、次の上昇で10月23日朝高値を超える可能性ありとするが、10月19日夜安値割れの場合は安値切り上がりパターンが崩れるので、23日高値で当面のピークを付けて下落期入りとなる可能性が高まるとみる。(了)<8:45執筆>

【当面の主な予定】

10月24日
16:30 (独) 10月製造業PMI速報(9月 60.6、予想 60.0)
17:00 (欧) ユーロ圏10月製造業PMI速報 (9月 58.1、予想 57.8)
17:00 (欧) ユーロ圏10月サービス業PMI速報値(9月 55.8、予想 55.6)
23:00 (米) 10月リッチモンド連銀製造業指数 (9月 19、予想 16)

10月25日
17:00 (独) 10月IFO景況感指数 (9月 115.2、予想 115.0)
17:30 (英) 7-9月期GDP速報値(前期比予想 +0.3%、前年比予想 +14%)
21:30 (米) 9月耐久財受注 前月比 (8月 +2.1、予想 +1.2%)
21:30 (米) 9月耐久財受注 除輸送用機器 前月比 (8月 +0.5%、予想 +0.4%)
23:00 (加) カナダ中銀 BOC政策金利発表 (現行 1.00% 予想 据え置き)
23:00 (米) 9月新築住宅販売件数 (8月 56.0万件、予想 55.5万件)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る