ドル円 短期的にはドルの続落リスクも(10月第三週)

先週のドル/円相場は、ドル安・円高。一時111.60円台まで値を下げ、週末のNY終値も111.80円台のドル安値圏だった。

ドル円 短期的にはドルの続落リスクも(10月第三週)

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先週のドル/円相場は、ドル安・円高。一時111.60円台まで値を下げ、週末のNY終値も111.80円台のドル安値圏だった。

週明け9日には112.55円レベルで寄り付いたものの、その日は東京やNYが休場になったうえ、翌日が北朝鮮・朝鮮労働党の創建記念日にあたることで軍事行動への警戒感が強く、売買手控えムード。
その後も、北朝鮮情勢や米通貨当局者の発言などに一喜一憂するも決め手に欠き、週間を通して積極的な動意は乏しいなか、ドルはじりじりと下値を切り下げる値動き。テクニカルサポートの112円レベルを下回り、一時111.60円台まで下落する局面も観測されていた。ただ、そこからわずかに反発すると、週末NY市場は111.85-90円で大引け、越週している。

一方、週間を通した主な材料のひとつは、引き続き北朝鮮情勢。たとえば、10日の「Xデー」について軍事行動への警戒感が指摘されたが結局具体的な動きはなかったものの、トランプ米大統領から「米国の過去の対北政策は機能しなかった」との発言が聞かれたり、一部韓国紙が「北朝鮮、複数スカッドミサイル発射準備の兆候」、聯合ニュースによる「中国当局、北テロ懸念し一部韓国人に帰国勧告」との報道が物議を醸す局面が観測されたりしている。
また、それとともに次期FRB議長人事をめぐる幾つかの報道が観測され、話題となっていたようだ。一例を挙げると、米政治専門紙ポリティコは「人選を進めるムニューシン財務長官がパウエルFRB理事をトランプ大統領に推している」−−と報じていたという。

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テクニカルには、NYクローズで移動平均の200日線(111.85-90円)をしっかりと割り込めていないなど、まだ微妙なレベルながら、ドルの下値リスクがジワリと高まってきた感を否めない。200日線をしっかりと下回れば、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する110円後半に向けて、大きく値を下げる展開があっても不思議はないかもしれない。
そうしたなか、材料的に注視される要因のひとつは中国共産党大会と、それに絡めた北朝鮮情勢だ。10日のXデーは無事に乗り切ったものの、18日からの中国共産党大会にあわせた北朝鮮の挑発も指摘されており予断は許さない。以前ほど、「北朝鮮リスク=円高」というしっかりとした構図ではなくなっているが、現状の相場環境からすれば円の買い要因として利用される可能性もある。

テクニカルに見た場合、過去1週間ほど形成していたボックスの下限(112.20円レベル)を下回り、111.60円台まで値を下げるも走らず。111円台や110円台は、日足や週足などで見て、移動平均や一目均衡表におけるテクニカルサポートが多いだけに、簡単に下抜けていくことも難しいかもしれない。
なお、全般ドルは底堅いイメージだが、とくに強い下値メドとなると、9月安値を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%押しにあたる111.10円、週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する110.85-90円などとなるだろう。

一方、材料的には、今週も注目材料が少なくない。米地区連銀報告(ベージュブック)を含めた米経済指標の発表や米FRB幹部の講演が相次ぐほか、先で指摘した「中国共産党大会」を踏まえた「北朝鮮情勢」や、「相次ぐ米企業決算発表」「APEC財務相会合」「22日投開票の日本の衆院選」「16日に実施される日米経済対話」−−など枚挙に暇がない。
また、今週決定する可能性は低いとみられるが、継続案件である次期FRB議長人事をめぐる動きにも一応要注意。

そんな今週のドル/円予想レンジは、110.80-113.00円。ドル高・円安については、先週記録したドル高値の112.80-85円が最初の抵抗で、抜けると113円台回復、113.44円の前回ドル高値か再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、まずは200日線が位置する110.85-90円をしっかり割り込めるか否か、その攻防が注視されそう。割り込むようだと、9月安値を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%押しにあたる111.10円、週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する110.85-90円などがターゲットとなる。(了)

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