<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場は、形成レンジこそ狭いがなかなかの乱高下。一時ドル買いに反応するも続かず、結局寄り付きレベルまで押し戻されている。
112.40-45円で寄り付いたのち、日中安値である112.20-25円までじり安。しかし、そこから反発に転じると112.60円近くまで一気に値を上げた。日経平均など本邦株価が強含み推移し、終値ベースでは実に20年10ヵ月ぶりの高値引けとなったことが好感された面もあったという。
ただ、北朝鮮に絡む不穏な噂が途中で聞かれたこともあり、相場は再び円高へ。夕方にかけてドル/円はじり安推移、16時時点では112.35-40円へと値を崩し、欧米時間を迎えている。
一方、材料として話題となっていたもののひとつは、本日も北朝鮮情勢。ホワイトハウスが「トランプ米大統領が国家安全保障チームと北朝鮮による攻撃への対応で協議」と発表するなか、一部韓国紙が「北朝鮮、複数スカッドミサイル発射準備の兆候」と報じ物議を醸していた。
また、それとは別にロイターは「独キリスト教社会同盟(CSU)の幹部が、ドイツ連立協議の年内合意は困難と発言」と報じたほか、「トランプ氏が、7月末に就任したジョン・ ケリー大統領首席補佐官が解任されるとの報道はまったくのでっち上げと発言した」との報道も観測されていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
際立った方向性が示されているわけではないが、ドルの上値がジワリと重くなりつつある感を否めない。時間足など短期のチャートを見ても、先週末に113.44円の目先高値を記録後、ドルの戻りが鈍くなっていることがうかがえる。大きな流れはドル高方向のリスクが依然として高いと考えるものの、短期的には調整的な動きが続く可能性も否定出来ない。
なお、この先、仮に価格的な本格調整が入るとすれば、9月安値107.32円を起点とした上げ幅の半値押しに当たる110.40円レベルが少し長い目で見た際のターゲットとなりそうだ。
テクニカルに見た場合、前述したように短期的なドルの下値リスクが高まりつつある感。ただ、昨日は移動平均の200日線が位置する111.85-90円に届くことなく、一抹のドル底堅さもうかがわせている。本日の欧米時間もドル下値については200日線をめぐる攻防が注視されており、割り込むようだと111.35-40円に位置する一目均衡表の先行帯の雲の上限がターゲットに。
一方、材料面を見た場合本日も米経済指標ということでは、これといった発表は予定されていない。しかし、9月19-20日に実施されたFOMCの議事録が公表されるうえ、エバンス・シカゴ連銀総裁などの講演も予定されている。それらには十分な注意を払いたい。
また、引き続き北朝鮮の動きにも要注意だ。昨日のXデーは無事乗り切ったものの、18日からの中国共産党大会にあわせた北朝鮮の挑発が懸念されており、実際、前記したように本日の東京時間にも不穏な情報が飛び交っていた。予断は許さない。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.60-112.80円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の112.60円レベルが最初の抵抗で、抜ければ112.80-85円、そして前回高値113.44円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の112円前後をめぐる攻防が注視されている。少し下には200日線も位置しており底堅いイメージだが、下げが加速すれば一騎にドル安が進行する可能性も。(了)
オーダー/ポジション状況
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