北朝鮮情勢や要人発言次第で荒れ相場も(9月第四週)

先週のドル/円相場は、2週続けてのドル高・円安。一時は112円台後半まで値を上げ、直近のドル戻り高値を更新する局面も観測されていた。

北朝鮮情勢や要人発言次第で荒れ相場も(9月第四週)

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先週のドル/円相場は、2週続けてのドル高・円安。一時は112円台後半まで値を上げ、直近のドル戻り高値を更新する局面も観測されていた。

「荒れる月曜日早朝」は先週も健在。前週末のNYを110.80-85円で大引けたドル/円は、下方向にわずかながらギャップを空け111.00-05円で寄り付きとなった。週末からテレビや新聞などで相次ぎ報じられた「日本の早期衆院解散・総選挙」観測が寄り付きから材料視され、円売り要因になっていたという。
その後はしばらく111円台を中心とした揉み合いとなるも、21日に発表された注目のFOMCなどを受けて再びドル買いが優勢に。112円台を回復し、週間高値の112.72円までドルは上昇した。週末のNY市場にかけ、ドルはやや値を崩したものの、辛うじて112円レベルを維持し、越週している。

一方、週間を通した主な材料は、前述した「日本の解散・総選挙」と「FOMC絡み」を除くと、引き続き「北朝鮮に関する要因」か。
国連演説でトランプ米大統領が「北朝鮮を完全に破壊する」との発言し、マーケットで物議を醸すなか、北朝鮮外相は「米大統領の脅しは犬の遠吠え」と述べるなど泥仕合の様相に。また、そののち朝鮮中央通信が「北朝鮮が史上最高の強硬対抗措置を検討へ」と報じたことに続けて、聯合ニュースは「北朝鮮の対抗措置は太平洋での水爆実験を意味する可能性」と報じており、これが週末にかけてドルの上値を抑制した一因になっていたという。

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「ヒョッとすると、先週末の土日にも北朝鮮による軍事行動があるかもしれない」−−などと市場の一部では警戒感を醸していたが、取り敢えず心配は杞憂に終わった格好だ。しかし、北朝鮮懸念が根本から解決したわけではなく、今後も注意を要する状況であることに変化はない。と言うより、すでに次のXデーとして、「朝鮮労働党創建記念日にあたる10月10日」が取り沙汰されるなど、まだまだ油断は禁物だろう。「北朝鮮リスク=円買い」という単純な図式ではなくなっているため、マーケットの反応は読みにくいが、ともあれ今週も引き続き北朝鮮情勢には細心の注意を払いたい。
なお、今週で9月、日本で言えば今年度上半期が終了するなど節目にあたることで、駆け込み的な需給要因などを警戒する声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドルは直近10日で5円を超える上昇をたどっている。リスクはドル高方向で間違いないものの、先週末もNYクローズベースでは112.15-20円に位置する移動平均の200日線を抜け切れないなど、ドルの上値も徐々に重くなってきた感を否めない。ここから先のドル高進行は、飽くまでじりじりとしたもので、むしろ一時的なものとしては調整先行の動きにこそ要注意であるのかも知れない。ちなみに、直近10日ほどのドル上昇に対するフィボナッチ、直近上げ幅の23.6%押しは111.45円レベル、38.2%押しは110.65円レベルなどとなる。ドルが再び下落に転じた場合には、それらレベルがサポートとして意識されそうだ。

一方、今週はなにげに材料が盛りだくさん。まずは、今週も幾つか米経済指標が発表される予定となっているほか、イエレンFRB議長をはじめとする米通貨当局者の講演も相次ぐことで、それらに要注意。
また、前述した北朝鮮情勢のほか、日本の衆院解散・総選挙に絡む動き、27日までカナダで実施される北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第3回会合、週末10月1日から始まる(8日まで)中国国慶節を前にしたポジション調整などにも注意を要するだろう。

そんな今週のドル/円予想レンジは、111.00-113.50円。ドル高・円安については、先週末に記録したドル戻り高値の112.72円が最初の抵抗で、抜けると113円台が視界内にとえられそうだ。
対するドル安・円高方向は、週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する111.35円レベルの攻防にまず注視。割り込むようだと、先週初めに空けたまま埋め切れていない110円後半のギャップを目指す展開か。(了)

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