<< 東京市場の動き >>
週明け7日の東京市場は、110円後半で一進一退。レンジそのものも、30ポイントに満たず、明確な方向性はうかがえなかった。
110.65-70円レベルで寄り付いたのち、当初はややドル買い優勢。110.85円レベルの日中高値を付けるも続かず。その後は110円台後半を中心とした揉み合いとなり、終日を通した値幅は30ポイントに届かなかった。16時時点では110.70-75円で推移して、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか、NZドルが上下に振れるやや荒っぽい変動をたどったが、値幅そのものはさほど広くなく、主要通貨ペアは総じて動意が乏しい。
一方、材料面としては、フィリピンで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の一連の外相会議が開幕し、外相らは、挑発行為を繰り返す北朝鮮に対して「重大な懸念」を示す共同声明に合意したほか、それについて朝鮮中央通信は「北朝鮮が国連の制裁を非難した」と報じている。
また、別途、河野外相がティラーソン米国務長官と初めて会談し、日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の早期再開を目指す方針で一致したという。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末に発表された良好な米雇用統計を受けてドルは急反発へと転じてきた。ドルの下値不安が軽減されたことは間違いないものの、トレンドがドル高・円安に転換したとみるのはまだ早計だろう。米雇用統計が発表された週末4日のNY時間に記録した高値111.05円を、そのあと一度も超えられていないことも気掛かりだ。ドルは底堅いものの、上値も重く、結局110円台などで強保ち合いの推移をたどる可能性も否定できない。
テクニカルに見た場合、先週末に記録したドルの戻り高値111.05円レベルには、一目均衡表の転換線も位置しており、ドルの上値を阻む存在となりそうだ。抜けても、111円後半からは一目や移動平均、フィボナッチなどで見たテクニカルポイントが相次いでおり、上値は重そう。112円台は近くて遠いイメージか。
対するドル安方向は、幾度となく下抜けを試すもしっかり抜け切れなかった110円レベル、さらに言えば先週安値の109.85円がサポートとして意識されている。
一方、材料的に見た場合は、幾つか米経済指標も発表される予定であり、先週末の米雇用統計が良好な内容だっただけに、それに続く好数字となるのか一応要注意。
しかし、本日にもっとも注視されるものは指標ではなく、米地区連銀総裁による講演だろう。ちなみに、ブラード・セントルイス連銀総裁とカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の講演が予定されており、ともに「ハト派」に分類される人物だ。ある程度は織り込み済みとはいえ、弱めの発言が出た場合には再びドル安が進行するリスクを懸念する声も聞かれていた。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.20-111.30円。ドル高・円安方向は、前述したように一目の転換線も近い先週高値の111.05円レベルが最初の抵抗で、抜ければ111.60円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値110.55-60円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと110円前後などが視界内に捉えられることになる。(了)
オーダー/ポジション状況
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