ドル独歩高、NY連銀総裁発言で
週明けの欧米市場では材料難の中NY連銀のダドリー総裁の発言を手がかりに、ほぼ主要全通貨に対してドルが買われ、ドル円は6月2日以来となる111.50越えを示現しています。
NY連銀のダドリー総裁は昨晩ニューヨーク州で行われた講演で最近のインフレ率の低迷に触れながらも、「労働市場のひっ迫がやがては賃金の上昇を通じて目標の2%のインフレ率に回帰すると考えている」とし、さらに「景気拡大は既に長く成熟局面にあるが、今後もさらに長く続くと確信している」と述べています。
昨晩はこの講演がほぼ唯一の市場の材料であったこともあり、各市場が反応、米10年物国債利回りは4bp上げて2.18%に上昇、ドルは対円で一時111.60をつけています。
ダドリー総裁の発言は株式市場にも安心感を与え、NYダウも続伸144.71ドル高の21,528.88ドルと史上最高値を連日更新しています。最近低迷していたIT関連株が上昇を主導する形となりました。
ドル円は昨晩200日移動平均線をサポートとして、基準線、25日75日の移動平均線も上抜け、一目均衡表の雲の下限111.82をうかがう動きとなっています。
ただ、今週は本日以降もFRB関係者の講演等が数多く予定されており、また、一方で米経済指標への市場感応度も高まっていることから波乱含み。
また、供給過剰懸念から原油先物相場は44.20ドルレベルと昨年11月以来の安値となっており、ドル上昇にとってリスク要因です。
尚、昨晩は英国のEU離脱をめぐる初の交渉がブラッセルで開催され、交渉の順番をめぐり、EUの「貿易に関する協議は離脱交渉後に行う」との主張を英国は受け入れ、新たな自由貿易協定を急ぎたいメイ首相には最初からの打撃となっています。
ドルは対ユーロでも上昇してユーロドルは再び1.1150割れの水準での取引。
オーダー/ポジション状況
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