ドル円見通し FOMC前に調整安懸念(6/13)

6月7日からの上昇は109円割れからの一段安に対しては時期尚早、突っ込み警戒として戻したが、あくまでも戻りの範囲にあり、

ドル円見通し FOMC前に調整安懸念(6/13)

<概況>

6月2日の米雇用統計から下落、直前の高値111.71円から7日夜安値109.11円まで2.60円幅となり、5月18日から6月5日までの持合いから下放れした。しかし7日夜からは目先の売り材料消化によるリバウンドで戻し、9日夜には110.80円まで上昇し、直前の持合い圏下限へ復帰しかけたが深夜に失速して終了していた。
週明け12日、午前中は様子見の横這いだったが、午後から下落感が強まり110円割れ、さらに13日未明には109.63円まで下落した。13日早朝にかけてやや戻したが110円には届いていない。
6月7日からの上昇は109円割れからの一段安に対しては時期尚早、突っ込み警戒として戻したが、あくまでも戻りの範囲にあり、さらに上昇してゆくにはFOMCからのドル全面高、欧米株が楽観的に強気化されて史上最高値を更新してゆくような展開が必要であり、逆にドル安感が強まる場合は一段安の可能性もありとして昨晩は下げた状況にある。

【6月15日未明、FOMC声明、議長会見】

6月13日夜からは米連銀のFOMC(連邦公開市場委員会、金融政策決定会合)がある。日本時間15日未明に声明発表、議長会見がある。
前回5月会合の議事録、6月2日の米雇用統計内容等を踏まえ、市場は今回の6月会合における利上げ決定はほぼ確実視してきたが、9月の利上げ確率は低いとして6月2日の米雇用統計での非農業部門雇用者増加数が予想を大幅に下回ったことでドル安円高となった。
今回のFOMCで、9月利上げの確率が低いまま、12月にかけての利上げ可能性も具体的にならず、バランスシート縮小計画も金融引き締め感を強めない範囲に止まる場合、利上げ決定の初期的なドル高反応は合っても早々に消化され、ドル安円高へ向かう可能性が考えられる。その場合は6月2日からの下落が第二段階に入ることを示すため、6月2日から7日にかけて2.60円幅で下げた時以上の下落へと進む可能性があるため、108円割れの可能性も懸念される。
今回のFOMCで9月会合での利上げ確率が上昇する場合、さらにバランスシート縮小が引き締め感を強める場合はドル高反応となり、ドル円も9日高値超え、さらに6月2日急落前の水準まで切り返す可能性が考えられる。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、6月12日午後からの下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落し、その後も両スパン悪化が続いている。26本基準線も下回っている。110円台前半には先行スパンがあり、110.00円から先行スパン下限の110.10円にかけてが当初の抵抗線、さらに110.10円を超えても110.30円台にかけては大きな抵抗帯となっている印象だ。
60分足の14本相対力指数は13日未明の下落では30ポイント割れには至らず、また前後で強気逆行を見せていないため、目先の売られ過ぎ警戒感にはまだ乏しい。

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9日夜にサイクルのピークをつけて下落している。次の安値形成期は7日夜安値を基準として12日夜から14日夜にかけての間と考えられるので、13日夜、14日にかけてはまだ一段安するリスクが残る。

以上を踏まえて日中から明朝にかけてのポイントを示す。
(1) 110.10円超えから先行スパンに潜り込む上昇となる場合は13日未明安値ないしは直前安値をサイクルのボトムとした上昇期入りとして、次の高値形成期となる14日から16日にかけての上昇へ進む可能性が出てくるので、110.10円超えの場合は110.30円台への上昇を想定する。
(2) 110.10円前後までで戻り売りに崩されるか、110円に維持できずに13日未明安値109.63円を割り込む場合は13日午後、14日未明にかけてはまだ一段安余地ありとし、6月7日安値109.11円前後を試す下落へ進む可能性が考えられる。ただし、FOMC前の為、それ以外の材料により円高感が加速する状況とならない限りは7日安値割れからの一段安は時期尚早として買い戻される可能性があるので、109.40円から109.10円にかけてのゾーンは突っ込み警戒、反発注意とみる。(了)<9:15執筆>

【当面の主な予定】

6月13日
(米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)、14日まで
(米) 21:30 米5月生産者物価指数 前月比(4月 +0.5%、予想 +0.0%)
(米) 21:30 米5月生産者物価指数コア 前月比 (4月 +0.4%、予想 +0.2%)
(米) 21:30 米5月生産者物価指数 前年比(4月 +2.5%、予想 +2.3%)
(米) 21:30 米5月生産者物価指数コア 前年比 (4月 +1.9%、予想 +2.0%)

6月14日
(中) 11:00 中国5月小売売上高 前年比 (4月 +10.7%、予想 +10.7%)
(中) 11:00 中国5月鉱工業生産 前年比 (4月 +6.5%、予想 +6.4%)
(中) 11:00 中国5月固定資産投資
(日) 13:30 4月鉱工業生産・確報値
(米) 21:30 米5月消費者物価指数 前月比 (4月 +0.2%、予想 +0.0%)
(米) 21:30 米5月消費者物価指数・コア 前月比 (4月 +0.1%、予想 +0.2%) 
(米) 21:30 米5月消費者物価指数 前年比 (4月 +2.2%、予想 +2.0%)
(米) 21:30 米5月消費者物価指数・コア 前年比 (4月 +1.9%、予想 +1.9%) 
(米) 21:30 米5月小売売上高 前月比 (4月 +0.4%、予想 +0.1%)
(米) 21:30 米5月小売売上高 除自動車 (4月 +0.3%、予想 +0.2%)
(米) 23:00 米4月企業在庫

オーダー/ポジション状況

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