予想を下回る雇用統計にドル下落(17年6月2日夜)

注目された米雇用統計は非農業部門雇用者数が13.8万人の増加と事前予想の18.2万人を下回りました。

予想を下回る雇用統計にドル下落(17年6月2日夜)

予想を下回る雇用統計にドル下落

注目された米雇用統計は非農業部門雇用者数が13.8万人の増加と事前予想の18.2万人を下回りました。
前月の数値も21.1万人増から17.4万人増に下方修正、前日のADP雇用統計の大きな上ブレに事前予想を上回る数字をイメージしていた市場は裏切られた結果となりドルは主要通貨に対して急落、ドル円は前日の上昇分をすべて失う形で直前の111.50レベルから一時110.59まで1円近く下げて22:00現在は110.73レベルでの取引です。
ユーロドルは直近の高値1.1268を抜けて高値1.1282をつけ、受け身ながらいよいよ1.1300を目指す動きとなりました。

ただ、他の項目も確認すると失業率は事前予想4.4%を下回る4.3%と16年ぶりの低水準、平均時給の伸びもほぼ予想どおり、とさほど悪くはありません。
完全雇用に近づいているとされる現在の米経済においては非農業部の雇用者数の月間の伸びは13万人程度であれば十分良好との見方もあり、今月のFRBの政策金利引き上げは今のところ揺らいでいません。
NYダウ先物も小幅下げたものの前日比プラス圏を維持して下げ止まり、欧州株も強気を維持。米10年物国債の利回りは2.17%とやや下げましたが、為替市場は昨日あくまで昨日の期待分が剥げたのみで、本日の終わりまでこの水準で踏みとどまれば、大局感に変化はなさそうです。

市場は短期的には来週のロシア疑惑をめぐるコミーFBI長官の証言やECB理事会、英国議会選挙などが集中する盛りだくさんな6月8日に次の照準を合わせ、また、中期的には現在やや5割を割り込んできている米国の9月以降再度の利上げへの思惑をめぐり、新たなシナリオとポジションを組みたてていくこととなりそうです。

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