前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 116.95 117.53 110.99 113.22
ユーロ円 130.32 130.91 125.77 127.42
ユーロドル 1.1143 1.1377 1.1087 1.1252
日経平均 16620.91 17099.01 14865.77 14952.61
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
2月8日(月)
東京市場では株価、為替とも堅調な動きを続けていましたが、欧州市場に入り金曜米国雇用統計の賃金上昇が再び3月の利上げ思惑復活につながり、それが欧州株安、主要株価指数先物全面安を招く動きとなりました。為替市場は中国が旧正月週初は大きな動きは無いと考える向きが多かったのですが、逆に参加者が少ない中、株式市場がリードしドル円を中心としたドル売りの動きとなり、NY市場ではストップオーダーを巻き込みながら円買いが強まる動きとなりました。NYダウは一時400ドルを超える下げとなり、ドル円も安値115.18レベルを付けましたが、引けにかけてはダウの戻しとともに115円台後半へとやや戻してのクローズとなりました。
2月10日(水)
11日が東京市場休場となることもあってドルの上値は重たいもののNY市場までは114円台後半でのもみあいを続けました。しかし、イエレン議長の議会証言を過ぎると株安、原油安とそれまでリスクオフの動きからドル売りの流れが再開し、113円台半ばへと水準を切り下げて引けました。
2月11日(木)
東京が休場となり参加者が少ない中、値ごろ感で買った短期筋のストップオーダーを巻き込みながら仕掛け的なドル売りも加わり、株安、原油安と並んで最も目立ったのが円買いの動き。欧州市場序盤には110.99レベルと110円台に入り込む動きを見せましたが、さすがにスピードが速く警戒感が広がる中で、介入とも思える急激な買い戻しで一時113円台乗せとなりました。その後は徐々に落ち着きを取り戻したものの、上値の重たい地合いままでのクローズとなりました。
2月12日(金)
東京市場では株式市場で上値の重たい展開が続いていたいっぽうで、為替市場は前日に110円台を見てスピードが速すぎる展開となっていることもあり様子見が続きました。海外市場に移ってからは、原油価格、主要株価指数が軒並み上昇し、米金利も上昇したことから、週末を前にしたポジション調整が目立ち、ドル円は113円台乗せ、クロス円もやや買いが強まってのクローズとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
2月15日(月)
**:** 中国1月貿易収支
08:50 本邦10〜12月GDP速報値
17:00 トルコ11月失業率
19:00 ユーロ圏12月貿易収支
23:00 ドラギECB総裁議会証言
**:** NY市場休場
2月16日(火)
09:30 豪中銀理事会(2日)議事録公表
18:30 英国1月CPI、PPI
19:00 ドイツ2月ZEW景気期待指数
19:00 ユーロ圏2月ZEW景気期待指数
22:30 米国2月NY連銀製造業景況指数
22:30 (フィラデルフィア連銀総裁講演)
24:00 米国2月NAHB住宅市場指数
24:30 (ミネアポリス連銀総裁講演)
30:00 米国12月対米証券投資
2月17日(水)
09:00 ボストン連銀総裁講演
17:00 南ア1月CPI
18:30 英国1月失業率
22:30 米国1月住宅着工件数、建設許可件数
22:30 米国1月PPI
23:15 米国1月設備稼働率
23:15 米国1月鉱工業生産
28:00 FOMC(1月26・27日)議事録公表
2月18日(木)
08:50 本邦1月貿易収支
09:30 豪州1月失業率
10:00 セントルイス連銀総裁講演
10:30 中国1月CPI、PPI
21:30 ECB理事会(1月21日)議事要旨公表
22:30 米国新規失業保険申請件数
22:30 米国2月フィラデルフィア連銀製造業指数
24:00 米国1月景気先行指数
25:00 米国週間原油在庫発表
29:00 (サンフランシスコ連銀総裁講演)
**:** EU首脳会議
2月19日(金)
22:00 クリーブランド連銀総裁講演
22:30 米国1月CPI
24:00 ユーロ圏2月消費者信頼感速報値
今週の週間見通し
それにしても先週は激しい展開でした。日銀がマイナス金利を導入した1月末の高値が121.70レベル、東京が休場となった11日の安値が110.99レベルと、10営業日で11円弱の円急騰劇となりましたが、新聞でも報道された通りこれだけの短期間に10円以上の値幅を伴う動きはリーマンショック後の円急騰以来となります。
それくらいレアの値動きを見たこととなりますが、米国の利上げ思惑が復活すれば新興国市場や主要株式市場に与える影響からリスクオフの円買いとなりますし、利上げが遠のいたとしても逆に現状では円金利ほど硬直性が少ない米金利が低下し、金利差の縮小からドルが売られやすくなるという直近に見てきた動きとなり、ファンダメンタルな要素からは結局皆ドルを売りたいという相場観が見え隠れしているのが現状です。
需給を考えても日本の貿易赤字は着実に解消し、現在では黒字へと戻りつつあることを考えると実需面では以前ほどドルを買うニーズはありません。また投機筋の動きは、しばしばIMM(シカゴ通貨先物)の非商業部門(投機筋)のポジションが引き合いに出されますが、1月5日分のポジション以降、つまり今年に入ってからはずっと円買いとなっていて、いわゆるヘッジファンドなどのドル円ポジションは一貫して円買い・ドル売りとなっています。
ただ、最初にも書いた通り、あまりにも円高のスピードが速く、また日経平均株価も大幅安となっていることもあり、先週金曜には黒田日銀総裁、浅川財務官ともに官邸で意見交換を行っていることを考えると、今後更なる円高、株安の動きが出てきたときには円売り介入も十分に考えられる段階になったと言えそうです。日柄的にも2月11日は変化を生じやすい時間帯となっていたこともあり、110円の大台がひとつの節目となり自律反転してきたというのが、先週末から今週の流れと言えるでしょう。
さて、こうなると最終的にはテクニカルに頼ることになりますが、先週のコメントに書いた通り「115円台半ばを割り込むような動きが出てくると歯止めが効かない売りにつながるリスクは常にある」という状況がいきなり起きたこととなります。つまり、テクニカルには現状では115円台半ばが戻りの限界点ということになります。いっぽうで、下値についてはFX羅針盤の金曜日のコメントにも書いたように、2014年2月安値(100.77)から昨年6月高値(125.86)までの61.8%押しとなる110.35、そして2014年10月安値(105.21)から昨年6月高値(125.86)までの78.6%(61.8%の平方根)押しとなる109.63、という2つの水準が計算されます。
つまり、大台110円というのは今回の円高の動きの中で大きなターゲットとなる水準であり、逆にここをも下抜けてしまうと次のターゲットとしては106円前後まで目立ったターゲットが見出しにくく、当局としてはなんとか死守したい110円というところではないかと思います(当局も銀行に市場状況をヒヤリングしていますので、対応する人によってはテクニカルな水準を示すこともあります)。
さて、今週に限ってとなるとイエレン議長議会証言前の114円台半ばから115円という水準が上値のレジスタンス、いっぽうで下値については11日に110円台まで円が急騰する前の112円台前半という水準が考えられます。最近は狭いレンジでいきなり週初から抜けることも多いのでやや広めのレンジを取って、今週は、112.00レベルをサポートに、115.00レベルをレジスタンスとする一週間を見ておきます。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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