週前半高、週末調整安のパターン継続できるか(5/16)

5月14日に北朝鮮が中距離弾道ミサイルを発射、朝鮮半島有事リスクへの警戒感が再認識させられため、週明けのドル円は下落開始となったが、

週前半高、週末調整安のパターン継続できるか(5/16)

<概況・ポイント>

5月14日に北朝鮮が中距離弾道ミサイルを発射、朝鮮半島有事リスクへの警戒感が再認識させられため、週明けのドル円は下落開始となったが、早朝に113.10円台まで下げた後はジリ高で戻した。21時半の米NY連銀景況指数が予想外に悪かったことでドル安円高となる場面もあったが、16日未明には113.80円台まで上昇している。
北朝鮮は北京で会見を開いて対米強硬姿勢を示したが、市場では特に過剰反応は見られない。日経平均はリスク警戒感からマイナスだったが前日比では14円安に止まり、米国市場ではSP500とナスダックが史上最高値を更新している。朝鮮半島問題をきっかけとして米国株式市場が急落するような反応を示せば有事リスクも相当に警戒すべきことという認識になるだろうが、米国株市場が楽観的な推移を見せるうちは有事リスクへ過剰反応すべきでもないということだろう。

【原油相場にも注目】

NY原油が前日比1.01ドル高(2.01%高)と上昇、資源関連株上昇が米国株高の一因となり、資源通貨高がリスクオン心理を拡大した。クロス円ではリスクオンによる円売りが加速して豪ドル/円、カナダドル/円、南アランド/円等が上昇し、ドル円上昇の背景となった。
北京で開かれていた一帯一路サミットに参加中のロシアとサウジアラビアが2018年3月まで原油価格を下支えする為の協調減産を継続すると表明したことが原油高の背景。昨年11月のOPECとロシア等による協調減産計画を背景にNY原油は上昇していたが、55ドル前後を壁として失速、今年5月5日には45ドル割れまで下落した。OPECの減産は計画通りに進んできたが、それを台無しにするような米国シェールオイル増産傾向が懸念され始めたためで、より一層のOPEC系の減産延長、拡大が求められる状況にあったわけだが、今回のサウジとロシアの声明はこうした懸念に応えるものとして評価され、ひとまず逆オイルショック的な下落再燃のリスクが後退したと言えそうだ。

【週明けから上昇、週末に調整安のパターン継続か】

ドル円が4月17日(月曜日)に108円割れを試したが回避して反騰し始めた。
4月24日(月曜日)は早朝の仏大統領選挙第1回投票の開票速報からドル円は上昇、110円を超えた。
5月1日(月曜日)には4月27日未明高値を超えて三角持合い上放れとなり5月4日の113円到達への上昇へ進んだ。
5月8日(月曜日)には前週末の安値割れを回避して深夜からの上昇で5月4日高値を突破、ダブルトップ破りで114円台まで一段高した。このように週明けから新たな段階への上昇を開始し、週末にかけては調整安を入れるというパターンをここ4週、繰り返してきた。
先週も11日まで上昇したものの、週末への2日間は調整安で下落となった。さらに続落基調へ進んだ場合にはこれまでの週前半上昇パターンが崩れ、下落が長引く可能性が懸念されたが、今のところは15日早朝安値から戻してきているため、週明けからの上昇パターンを継続する可能性が維持されている。もちろん、高値更新へ至らずに15日早朝安値113.19円を割り込む場合はパターン崩れによる一段安へ向かうこととなりかねない。

【週明けから上昇、週末に調整安のパターン継続か】

113円台を維持するうちは週前半上昇パターンの継続余地ありとし、114円超えの場合は11日高値更新から114円台後半を目指す上昇を想定する。その場合の高値形成期は16日夜から18日未明にかけての間と想定する。
114円乗せに至らないうちは反落リスクありとし、113円割れの場合は112円台序盤への下落を警戒する。その場合の安値形成期は17日深夜から22日朝にかけての間と想定する。

60分足の一目均衡表では16日未明高値で先行スパンを上抜ききれず、先行スパンに潜り込んだ状況にある。16日未明高値113.84円超えからは先行スパン突破感がより明確となるため114円超え、11日高値114.36円試しへ向かいやすいとみる。先行スパン転落の場合、15日早朝安値試し、あるいは底割れへ向かいやすくなると注意する。(了)<9:20執筆>

【16日から17日の予定】

5月16日
(米) 米上院情報委員会非公開公聴会(コミー前FBI長官の証言予定)
18:00 (欧) ユーロ圏1-3月期GDP・改定値 前期比 予想 +0.5% 速報値 +0.5%
18:00 (欧) ユーロ圏1-3月期GDP・改定値 前年比 予想 +1.7% 速報値 +1.7%
21:30 (米) 米4月住宅着工件数 予想 126.0万件 3月 121.5万件
21:30 (米) 米4月建設許可件数 予想 127.1万件 3月 126.0万件
22:15 (米) 米4月鉱工業生産 予想 0.4% 3月 0.5%
22:15 (米) 米4月設備稼働率 予想 76.3% 3月 76.1%

5月17日
8:50 (日) 3月機械受注前月比 予想 +2.5% 2月 +1.5%
13:30 (日) 3月鉱工業生産前月比確報  速報 -2.1%
18:00 (欧) ユーロ圏4月消費者物価指数(HICP)確報値 前年比 予想 +1.9% 速報値 +1.9%

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る